Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

僕はお父さんを訴えます

2014-10-30 07:58:02 | 読書
友井羊,宝島社文庫 (2013/03).

「BOOK」データベースより*****
第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。何者かによる動物虐待で愛犬・リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」から実父に疑念を持った光一は、司法浪人の友人に教わり、実父を民事裁判で訴えることを決意する。周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引きずり出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる。*****

じつは上記紹介文はフェアでないが.ミステリだから許されるだろう.

あっさり読めたが,後味は悪い.
主人公を考え深いようで子供っぽく造形し,かなり無理な結末を無理と感じさせないのは上手い.

父・子の闘争と普遍化すると,成長する子に所詮父は敵わないという結論かな.「お父さん」の言い分がまるで無視されている.しかしそこを書いたらライトノベルとしては収拾がつかなくなったことだろう.中学生の主人公の一人称小説というスタイルが賢明たった.

裁判の仕組みが分かった.

文庫が平積みになっていた頃,面白いかなと思ったのを思い出して,図書館でハードカバーを借用した.
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柳家小さん : 百面相

2014-10-28 08:52:27 | エトセト等


新聞文章読本のところで,噺家の名前に「さん」を付けると,小さんは小さんさんだと書いたところ,FB で小さんは顔が面白かったというコメントをいただいた.そこで思い出したのが,この百面相.
風呂敷包みを持って登場.いかにも昭和な感じだ.しかし鍾馗様に恵比寿・大国というレパートリーに,昭和時代に視たときには,明治を感じた.
音曲を止めろと言うポーズが,某アンパイアのストライク ! に似ている.

現在では関西の露の団四郎がときどき披露するそうだ.Youtube で見たらこの方も丸顔だった.

南伸坊 (この方も丸顔) のそっくり写真的なことをやる芸人がいたらおもしろいのに... 居るけど知らないだけか.
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鰻重之圖

2014-10-26 08:25:08 | お絵かき


うなぎ部分で,こりゃ難しい・失敗だ! と思ったため,後から描いた重箱はかなり手抜きになってしまった.しかし出来上がってみるとそんなに悪くないかなと,自画自賛.
CD ケースに内側からアクリル絵具.
山椒をかければ良かったと思ったが,後の祭り.ガラス絵の類ではこういう時は山椒から描かなければならないのだ.透明ケースの表側に描いてしまうのも有りだが,この場合はうなぎと山椒の間に距離が生じてしまい,ふりかけた粉が貼り付いた感じがしないだろう.
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カッコウの音程

2014-10-24 08:40:20 | 新音律


2006 年に,カッコウの啼き声 (さえずりと言うイメージではない) をウェブから集めて「かっ 」と「 こう」の音程 (音高差) とピッチ (絶対的な音高) を調べたことがある.
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/4ccfadadf1bc83f5371117e5ca4b1543
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/231c870e54fd4e53bf6d9542ff364b81

しかし,カッコウの啼き声は場所によって違うだけでなく,季節にも依存するとのこと.すなわち,空間と時間の関数であるとのことである.上記ウェブの記述は取り消し.生半可なことは言うものではない!!

Wikipedia の Common cuckoo の項によれば,

「かっ」-「こう」は 4 月には下降する短3度だが,その音程はしだいに広がり長3度あるいは4度に至る.キー C で啼く.しかし6月にはカッコウはこのフレーズを忘れてしまう.

とのこと.原典は

Barrett, M. (1897). "The Cuckoo's Notes". The Musical Times and Singing Class Circular 38 (656) 697.

としてあった.この 19 世紀の文献は JSTOR で無料で閲覧できたのだが,上記の内容はこの論文中でさらに Gilbert White (1978) の説を引用したものだった.ここで追跡中止.電報ゲームみたいだ.

敢えて生半可な感想を言うと,短3度とかCとかは怪しいが,音程が広がるのは信じられる.
ジュウシマツの研究のように,同一の個体を年月をかけて追跡することを,多数の例について行わなければはっきりしたことは言えない.しかし相手が野生の鳥では困難ということだろう.
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村上春樹「セロニアス・モンクのいた風景」

2014-10-22 08:17:17 | ジャズ
新潮社 (2014/09).

村上春樹 編訳のアンソロジー.原著者は
村上春樹,ロレイン・ゴードン,メアリ・ルウ・ウィリアムズ,トマス・フィッタリング,スティーブ・レイシー,ナット・ヘントフ,デヴィッド・カスティン,ダン・モーゲンスターン,ベン・ラトリフ,バリー・ファレル,レナード・フェザー,オリン・キープニューズ,ジョージ・ウィーン.
いちばん長いナット・ヘントフの文章が読み応えがあった.レナード・フェザーによるブラインドフォールド・テストも面白かった.

いろいろな著者が,いろいろなモンクの「金言」を紹介している.例えばデヴィッド・カスティンによれば
ボブ・ディラン「僕は道端でフォークソングを演奏しています.」
モンク「われわれみんなフォークソングを演奏している.」

同じ事実を複数の著者がそれぞれの視点で述べているのがおもしろい.ただし,芥川の「藪の中」ほどではない.

統合失調症とか躁鬱病とか言うが,死ぬ一年か二年前にはすべてのものごとに対する関心を失っていたという.「モンクのことを考えるだけで泣きたくなる」という人は多く,16 トンにもその気持ちが分かる.

学生時代に来日公演のテレビ中継で,ぼんやりした白黒場面で彼が足をばたばたさせていたのを思い出す.でも,今ではモンクの作品群は古典になり,若い人にはこの本もモーツァルトの伝記と同じかもしれない.

村上春樹がジャズメンについて書いた文章は多いが,中にはどうかなと思うものがある.どのくらい対象が好きかによるのだろう.その点でこの本は成功.
表紙は安西水丸に頼んであったが,安西氏の急死により,和田誠が水丸ふうのイラストを提供している.そういうお遊びを抜きに考えると,良い装丁かどうかわからない.
「ブルース」ではなく「ブルーズ」とするあたりでも,この訳者が好きか嫌いかが分れそう.
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幼稚園のバザーでジャズ

2014-10-20 07:57:28 | ジャズ
ブールバール沿いの広大付属幼稚園のバザーでジャズ.バンド名をとのことで,苦吟の末 Boulevard Jazz Quintet (BJQ) というのをカッコよくひねり出した.
K 原(tb), M 尾(p), S 田(b), O 田(ds), O 方(vib), S 口(vo).

ハローウィンだから仮装をとのことで,ジャズ研の定期演奏会で使った虎のお面を持って行ったのだが,「こどもが怖がってますよ」と言われてしまい,おまけにかぶると視野が極端に狭くなるので,写真のようにピアノの前に鎮座したきりになった.メンバーが頭に載せているのは,急遽拝借したもの.

セットリストは
1 Jive Hoot, 2 Frankie and Johnny, 3 Just Friends, 4 となりのトトロ, 5 Let It Go (アナと雪の女王より).

2 のブルース Frankie and Johnny ではテーマとアドリブを,手拍子にあわせ,ベーシストが楽器をお客さんの中に運んでの熱演.子供ばかりでなく,おとなの中でも,ベースソロは初めての方が多かったはず.

3 の Just Friends ではジャズ研 OB にして幼稚園勤務の S ちゃん先生がボーカル.昨今希少な男性的 !! 男性ボーカル.氏のアイデアで,アドリブには Lew Del Gatto の And Friends を利用した.

5 は園児達が大合唱.16 トンご幼少のみぎりは (戦時中で幼稚園は思いもよらなかったが,幼稚園に行ったとしても) ぽっぽっぽ,はとぽっぽ程度であった.こんな長くて難しい歌を,と感嘆するしかない.しかし,自分の楽器から出ているはずの音が聞こえず当惑した.
アンコールは「枯葉」 の予定だったが,ご要望に応え Let It Go を最初から.2度目では写真のようにこども達が出て来て並んで歌ってくれたが,こういうときは男の子は出てこないんだなー.

今回は老人性恍惚ジャズへのご期待は裏切ったつもりだが,本人に分からないだけかもしれない.音量が必要と,2本マレットでせいぜいひっぱたいたのだが,後で手がしびれた.やはり老人性か? 単なる練習不足と思いたいが...
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新聞文章読本

2014-10-18 08:42:00 | エトセト等


中国新聞夕刊のコラム「でるた」に何か書くようにとのお話をいただいた.不偏不党にして人畜無害な話題でなけれぱならぬ,というので,このブログの人気記事ランキングの常連「耄碌ジャズ・恍惚ジャズ」を書き直した.学術論文なら二重投稿っぽいが,この場合は許されるだろう.
内容は綾小路きみまろの漫談や,シルバー川柳の線である.10/14 に掲載された.

ここでは新聞社の文章チェックについて.

- 原文 : 若い人でも酔って演奏すると、くどい・リズムが不安定・独りよがりなどの症状が表れる。これらは老人の演奏にも当てはまる。老人とは慢性アルコール中毒のようなものなのだろうか。

   慢性アルコール中毒は不可とのことで,表現を緩和した.

- 電文で落語家を小三治,志ん生と呼び捨てにしたことに関し,「新聞では、基本的にすべて敬称をつける決まりになっています。小三治さん、古今亭志ん生さんとした方がいいと思います。」

   小学生時代から父親のまねをして,生意気に金馬・文楽などと呼び捨てにしていた.新聞流では「柳家小さんさん」かよ! と思ったが,言われた通りにした.

- 原文のインタープレイという言葉 : プレイはプレーと、長音で表記するのが弊社の決まりになっています。

   インタープレーはいかにもだらしないので,原文のままとしてもらった.プレイボーイはプレーボーイと直されるのだろうか ?

- 最後の肩書き「高エネルギー加速器研究機構」のカギ括弧は,それ自体が一つの組織であり、固有名詞であるということを読者に注意喚起するためである.「この機構が何か,大学関係者以外の方でお分かりになる人は,広島地方では、少ないのではないかと思います.」

   恐れ入りました.
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戦後日本住宅伝説

2014-10-16 08:18:31 | エトセト等
広島市現代美術館の特別展.

キャッチコピーに曰く
*****住宅は社会の変化をどのように反映し、何を提言してきたのでしょうか?
本展は戦後50年代から70年代までの日本の高度成長期に手がけられ、今や伝説ともなった16の住宅作品を、16人の建築家のコンセプトとともに探ります。*****

平日の午前中でがらがら.青年ひとりと,外人カップルで,みな専門家らしくメモや写真を撮っていた.
それぞれの展示に写真・図面・模型・動画等がある.ひらひらする のれんに写真が投影されるのが面白い.間取り図が実寸で床に投影される場面もある.問題の住宅だけでなく周囲の町並みも模型に取り入れている場合がある.

60 年代から突飛なのが増えるという印象だが,今ではふつうに見える 1950 年代の建築も当時は先鋭的だったのだろう.

1953 の丹下謙三の「住居」は畳敷きだが,畳に椅子・机の生活も悪くはないかな と思った.

1974 黒川紀章の「中銀カプセルタワービル」は立て替えが問題になったそうだが,このコンセプトで経済的に作ったのが,現在そこら中に見かけるビジネスホテルだ. 

1976 伊東豊雄の「中野本町の家」は住宅と住人との関係が余りにも密接で,他の人に住んでもらいたくないという理由で取り壊された.そこに至る経緯が http://www.tozai-as.or.jp/mytech/06/06_ito13.html に建築家の言葉で書かれている.

毛綱毅曠の「反住器」1972 は8m角の立方体(建築本体)のなかに4m角の立方体(部屋),その中に1.7m角の立方体(家具).三者は同形にデザインされている.お母さんが住んでいる写真があった.住みにくいが息子が建てたんだからしょうがないというのがホンネかも.

1976 の「住吉の長屋」は家が路地 (中庭) で二分されている.トイレに行くには雨の日は傘が必要.安藤忠雄はヒトの金で遊ぶ建築家の典型.

1966 東隆光の「塔の家」は,住んだら面白そうとは思ったが,歳をとったら無理だろう.建築家の「自邸」というのはまぁ良さそうだが,それ以外の 1/3 から半分くらいは住みたくない家.
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ジョー・ロックの広島(福山)公演

2014-10-14 08:36:31 | ジャズ


古いアルバムを探して持参し,サインしてもらった.My First CD ! と喜んでいた.2本クロスしているのはマレットらしい.

ジョー・ロック Joe Locke は 1959 年生まれ.ヴァイブ奏者として世代的にはゲイリー・バートンとステフォン・ハリスの中間.最近はピアニストのジェフ・キーザーと組むことが多いが,来日メンバーはジム・リドル(ピアノ),ロリン・コーエン(ベース),ジョー・ラバーベラ(ドラムス)との白人カルテット.

ほぼ満席.Moon River, Old Devil Moon, Verrazano Moon と「月」の3曲から始まった.一挙手一投足に演出が感じられ,不良オヤジと言う感じでかっこいい.いっぽうでは弾きまくられたという印象しか残らないようにも思う.音楽を聴くなら CD のほうが良いかも.
こう感じたのは,すぐ前の席のおっさんがやたらに跳ねたり,声を上げたりしたのも原因かもしれない.
(記憶では,反対に淡々と弾くのみで,それ以外の動作がないのがレッド・ノーヴォだったと思う.)

アダムスのヴァイブ.マッサー・グリップ.4 本のうち主として使うのは内側の 2 本.ソロではほとんどシングルトーン.けっこうマレットを持ち替えていた.ファンをまめに調整.
小ホールでアコースティックだった.

ドラムスのジョー・ラバーベラはビル・エヴァンス トリオの最後のドラマーだった.その後トニー・ベネットの伴奏トリオの一員として来日したときに聴いたことがある.伴奏だからそれなりの出番しかなかったが,収入は安定したらしい.今回は第三の貌を見た.一緒に行ったクラシック通の方は,ヴァイブよりドラムが凄いですねーと感心されていた.リーダーも彼を立てている様子だった.

この YouTube 動画と公園とは p, b が共通.この曲も今回演奏した.ただしボーカルはなし.
何だろうと聴いていると The Way You Look Tonjght (Mike Pope 編曲) と言うわけだが,ロック氏はこういうのが好きらしい...私も好きです.
このビデオでも,ボーカル氏よりヴァイブ氏が目立っているのがご愛嬌だ.

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心拍をスピーカーから聞こう !

2014-10-12 08:14:14 | 新音律


懸案の心拍メトロノームを実現するために,心拍をスピーカーから流したい.
図のように構成した.

その前段階として,100 均のイヤホンマイクを買って来て,マイクを聴診器のチューブに埋め込んでみた.じつは繋いだとたんに iPhone が iPod が再生して当惑したが,再起動など何回かあれこれしているうちに,正常に動作するようになった.ただし心音はドクドクではなく,かそけくカチカチと聞こえる程度.

そこで 2000 円弱を投じオリンパスの単一指向性マイクを購入.そのままでは iPhone のオーディオ端子に差し込んでも黙っているので,ヘッドセットアダプタも購入した.心音はカチカチからトクトクに出世した.
オリンパス - 胃カメラ - 医療用というイメージだが,考えてみたら関係なかったようだ.

イヤホンで聞いているときはいいのだが,スピーカーに繋いで音量を上げると派手にハウリングする.ハウリングはスピーカーの音がマイクに入って正帰還すなわちポジティヴフィードバックループを作るから,と言うことになっているのだが,マイクを聴診器から外してもやはり音量を上げることができない.マイクとポーズのスピーカーの相性が悪いのかもしれない.

聴診器が下着とこすれると盛大なノイズを発生する.どう身体に固定するかも今後の課題.
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