Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

CD ケース絵の描きかた

2009-10-30 10:01:24 | お絵かき
市の「生涯学習フェスティバル」にCDケース絵を展示していただくことになったので,描きかたをまとめてみた.

CDがたまって収納に困るに至ったので,無印良品のCDファイルに移すことにした (そのうちオンラインの大容量メモリにうつすことになりそう).残ったのはCDケースの山.そこでケースの内側から絵を描くことにした.ケースを閉じれば埃が入らないという訳.
描きかたはガラス絵と同じ.

この絵を例に説明すれば...

下絵なしにいきなり描くのもおもしろい.しかし下絵の上に,透明なCDケースをおいて,なぞるのがいちばん楽.
反対側から見るので,出来上がりは鏡を見るのと同じになる.それもよし…とするのが嫌なら,下絵は左右反対でなければならない.計算機という文明の利器で,原画を左右対称に,ついでにCDケースの大きさに拡大あるいは縮小してしまえばよい.

もっぱらアクリル絵具を使っているが,油性ペンで線を描くのも良い.アクリル絵具には透明度の高いもの/低いもの(グワッシュ)があり,適当に使い分ける.

手前にある物から遠くへの順番で色を置いて行く.この例では,おおまかには
  まず白でガラスのうつわ
  緑などで苺のヘタ
  白で苺のぽちぽち
  苺の赤
  苺の影
という順番になる.この順番,不思議なことに,慣れれば自然なことに思えて来る.下の図は描いた面から見たところ.苺と,そのヘタにはちょこちょこ小技を弄しているのがわかる.乾かないうちに色を重ねると一般に汚らしくなるが,予期せぬ効果が出ることもある.

最後にバックを塗るのだが,いろいろな色の折り紙で様子を見ることが出来る.絵具で塗るのが正攻法だか,ここでは手近にあった英文をスキャンして,白黒逆転,ついでに茶色ですこし汚して置いてみた.

透明部分をあえて塗らず,裏表両面から鑑賞可能な,宙に浮いたような絵も可能である.また,CDケースは表蓋と裏蓋があるので,両方に遠景・近景を描き分けて立体感を出すこともできる.

CD専用の額縁を100円ショップで見かけることがある.たいてい次に訪れたときには無くなっているので,気に入ったらすぐに買うに限る.
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伊藤若冲

2009-10-28 08:45:12 | お絵かき
国立博物館特別展「皇室の名宝―日本美の華」

第一期と二期にわけて展示されるが,見たのは第一期.伊藤若冲の動植綵絵三十幅が一室を占めていて,その ある意味のえげつなさにくらべると,他のわびさび絵画はかすんでしまう.
魚貝類がメルヘン的.この絵では,シュモクザメがやけに小さいなど,大きさが実物に即していない.

自分の経験では,イワナなどは泳いでいるように描けるが,海の魚は魚屋の店先に並んでいるみたいになってしまう.
若冲が海魚が泳いでいるのを見たことがあるかどうか知らないが,沢山並べて右上から左下への動きをつくり,それぞれの鰭をひらひらさせ,目玉に表情を持たせて,魚たちを泳がせている.上の平べったい二匹だけちょっと下向きなのも良いアクセントだ.
でも,やはり鯛はおいしそう.

もう一幅には蛸入道が登場.


魚にくらべ鶏たちの絵はぐっとリアルで,グロテスクに美しい.


こちらは葛飾北斎80歳の肉筆による西瓜図.こんなものを画題にするのか!
ところで,昔はスイカの皮を包丁で剥いたんだろうか?

田舎のがらがら美術館に慣れているので,人ごみに疲れた.
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プリプリのベース - 続「音楽の正体」

2009-10-26 21:07:01 | 新音律


渡邊健一「音楽の正体」には,ジャズのアドリブで意識的/無意識的にやっていることを散発的ではあるが理論的に書いてある...という見方も出来そうだ.

この本の第15章は「プリンセスプリンセスの見つけたダイアモンド - 転回形と半音階的進行」.ダイアモンドのヒットは20年も前だが,サビの

「ダイアモンドだねー,ああ,いくつかの場面...

のコード進行 (この本ではすべてCに移調してある)

 C |Em7/B |Gm/Bb |F/A |Fm/Ab |C/G |....

のベースライン C-B-Bb-A-Ab-G-... が,ジャズによくある 半音階的進行.これで跳ねるベースを聴いたとき,あぁかっこいい ! と思ったことを思い出した.

このベースラインを使うことを,はじめから作曲・奥井香さんが考えたのか,それともベースの渡辺敦子さんがメロディにつけたのだろうか.あるいは 他にブレインがいたのだろうか.
ちなみに Wikipedia によれば,渡辺さんこそが かってのプリンセスプリンセスのリーダーで,現在は東京スクールオブミュージック専門学校の副校長だそうだ.プリプリのテレビでも,ベースばかり見ていたいところだったが,ベーシストはめったに映らなかった.

Youtube を見たら,アナログレコードに

「針が落ちる瞬間の...

とか,液晶じゃなくて

「ブラウン管じゃわからない...

とか,なんともノスタルジックな歌詞だ.


2015/08/17 動画を追加.
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音楽の正体

2009-10-24 11:21:57 | 新音律
渡邊健一「音楽の正体」ヤマハ(1995/08)

*****内容(「MARC」データベースより)*****
ユーミンのおこした革命、加山雄三に学ぶ感動の黄金律、「風と共に去りぬ」のテーマ音楽が与えた影響…。音楽の構造を理解したら、名曲、ヒット曲の謎が見えてきた。よくわかる画期的音楽分析を紹介.
**********

黒地に金色のお習字書体のタイトルで,タイトルそのものもヘンだから,あまり手に取る気がしないが,中身は面白い.ヒット曲の分析だが,中身はコード進行からリズム,ソナタ形式から音楽史にまでわたっている.保続音とかドッペルドミナントとか,入門書ではあまりお目にかからない記述もある.

漫画イラストとマクラは,かなり牽強付会な部分があり,そこがかえって面白い.脱線をするのが目的とする先生の授業みたい.ちなみに執筆当時著者は女子大の客員教授だったようだ.
巻末の参考資料には,五木寛之「ゴキブリの歌」,山口瞳「行きつけの店」等が挙げられていているが,このへんが脱線の資料らしい

10年以上前の本で,テレビの深夜番組の台本がベース.当時は話題になったと思う.
ユーミン以下採り上げられた曲はスタンダード化していて,今のヒトも知っている.
どこかの文庫で復刊すればいいのに.
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江戸時代のロビンソン

2009-10-22 08:39:02 | 読書
岩尾 龍太郎 「江戸時代のロビンソン―七つの漂流譚 」新潮文庫 (2009/09)

*****内容(「BOOK」データベースより)*****
大黒屋光太夫、土佐の長平、尾張の重吉―鎖国下の江戸時代に不慮の海難事故に遭って漂流しながら、旺盛な生命力で、奇跡の生還を果たした船乗りたちがいる。『ロビンソン・クルーソー』研究で知られる著者が、彼らの肉声をもとにした詳細な記録を読み解き、それら漂流譚から七人を選んで、江戸時代の漂流者たちの壮絶なサバイバル物語と異文化体験を紹介する。付・江戸時代漂流年表。
**********

江戸時代の和船は頑丈だったが,航行技術は世界にはるかに遅れていた.最悪の場合は帆柱を切り倒すので,転覆をまぬがれたとしても後は波の行くままである.その結果幾多の漂流譚があったのに,鎖国政策に隠れてしまったという.

本書は二部に分かれていて,第1は孤島に流れ着いて孤独な生活を余儀なくされる「ロビンソン型」.特に13年間鳥島に暮らし,ついには漂着した木材を組み立てた舟で日本に帰るという,土佐の長平の話がすごい.鳥島は漂流のターミナルらしく,20年生活した例もあり,ロビンソンなんか目じゃないのだ.
第2は異国に流れ着いて異文化との接触を余儀なくされる「ガリバー型」.「船長(ふなおさ)日記」のように,太平洋を横断してしまった例さえある.

記述は格調高く,現代の基準からすれば美文調.漂民に対する著者の深い共感が感じられる.

原資料からの引用が迫力を増しているが,正直言って読みづらい.高校の古文に比べれば平易なのだが,悲しいかな 英語よりハードルが高くなってしまった
...などと言うと,著者に怒られそうな,まじめな本.
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二紀展

2009-10-20 09:26:19 | エトセト等
国立新美術館の二紀展から帰って来た.
ご来場いただいた皆様 ありがとうございました.

この美術館は3階建てで,同時に4つの展覧会をやっていた.1階はA展,2階はB展としてくれればいいのに,二紀展と,独立展 (二紀展同様の公募展) は1-3階に分割され縦割りに割り振られていた,

この団体は,委員・会員・同人・一般出品者のヒエラルキーで,同人以下は2点まで出品でき,大きさは100号以上とされている (会員以上は1点で小さな絵でもいいらしい).というより,一般出品者は2点出さないと入選の確率が低くなると信じられている.毎年100号を2点描くので大騒ぎである.しろうと考えでは,100号以上という制限は何のためかと思う.この規定ではモナリザ (77cmx53cm) だって門前払いだ.

上のは J 子が2点出したうちで,採用されなかった作品.再度のしろうと考えだが,入選作よりこちらのほうが良いようにも思う.ちなみに下のが入選作です.

地方からの一般出品者にとっては,上京して親類縁者知人友人にご無沙汰を詫びるよい機会.自分の絵のある部屋にお客様をまっすぐに拉致し,写真を撮らないで下さいという掲示もなんのその,自分の絵の前でばちばち記念撮影している風景があちこちでみられた.もちろんウチもそのお仲間である.

2日目に「批評会」というのを参観した.作品の前で委員の先生2-3人が一般出品者に対して批評をなさる.
しろうととしては (再三の「しろうと」強調で恐縮だが),絵をみたときなぜこれを題材に描くかに関心が行くが,批評は描き方の技術に重点があるようだ.
どの分野でも (理工学と同様に) 教育というのは技術を伝授する以上のことはできない,それ以上は個人の責任なのであろう.
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サンプリング 東京お値打ちグルメ

2009-10-18 10:54:45 | エトセト等
J 子の二紀展に便乗して上京,食事した店.

1 シェ・ピエール 
国立新美術館乃木坂側.フランス人のオーナーシェフ?とおぼしきピエールおじさんが愛嬌をふりまく.
クイックランチは数皿からのチョイスで,ぼくは牛ほほ肉,J 子は鹿児島の黒豚.スープと食べ放題のパンで1650円は,しっかりこってりと昔風においしい.ここでやめておけばお利口だったが,グラスワイン1000円,デザート800円.コーヒー500円とお勘定はうなぎ上りであった.

2 蕎麦切 森の
壱岐坂上の小さい店.また行きたい.天ぷらで一杯.その後ざる.天ぷらはあげたてが少しずつ出てくる.ざるのつゆは二種類から選べる.注文を聞いてから調理するので,提供は遅いと断り書きがあったが,まさにそのとおり.ひとりでは退屈する.

3 孫
六本木美術館通り.NHKテレビ「生活ホットモーニング」出演の孫成順シェフが厨房とテーブルを往復している.2100円のランチ,前菜とスープの後,アワビと酢豚をシェア.まあまあ.

4 プティフ・ア・ラ・カンパーニュ
一番町の欧風カレー.科研費で学振に来たときランチタイムに行列を見かけた店.
まず じゃがバターがひとり2個ずつ出てくる.ビーフ,ポーク,チキンなど数種類から,辛さを3段階から指定して選ぶ.まんなかの辛さでは,最初は甘くてジワリと辛くなった.

5 すし服部
六本木7丁目.きれいすぎる内装・おしゃべりな職人の手数が多い握り方に,こりゃ失敗かと思ったが,期待はずれ?にうまかった.ランチ1300円なら言うことなし.この店は六本木 OL の味方らしい.わさびが多かったり少なかったりするのが難.

6 マンジェ・エ・ボワール・ナガオ
銀座で3000円台でディナーコースが食べられるのは珍しい.ガス灯通り.前菜+季節の一品+メインという構成.前菜のサンマ・穴子,季節のうちわ海老,メインのカマス (まるごと一匹の大迫力) が美味しかった...ということは,この日に限ってかもしれないが,魚が良いということだろうか.シェフは日本料理も修行.おくさんの実家は山梨のワインセラーだそうだ.
写真はこの店頭で.

7 プティ シャルトルーズ
国立新美術館の門前でビラを貰った.穴蔵に8席の寿司屋のカウンターという感じの構えで居心地はいい.シェフがひとり無愛想に鼻をぐすぐすやっていた.ビラを配っていたおくさんとおぼしき女性が帰って来て,やっと華やかな雰囲気になった.スープか前菜のどちらかとメインで1000円.スープはレタスの冷たいポタージュ,前菜は生ガキ2個と気前がいい.デザート・コーヒーつきなら1300円.来年も行きたい.


ところで,これは看板から読み取れる?ように,かっての人気店 ラーメン大八跡.こぎれいな六本木の街で異彩を放っている.

結論 東京はおいしい.グラスワインもおいしい.2,5,6,7など小さくてがんばっている店がいい.店の名前が難しくて覚えられない
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ジャズ・ミステリ「辛い飴」

2009-10-16 07:19:46 | 読書
田中 啓文「辛い飴―永見緋太郎の事件簿 」東京創元社 (2008/08) (著) .
図書館で発見.

*****内容(「BOOK」データベースより)
唐島英治クインテットの面々が遭遇した不思議な出来事や謎。テナーサックス奏者・永見緋太郎の鮮やかな名推理は―。ライヴ感溢れる文体が魅力の“日常の謎”的ジャズミステリシリーズ、第二弾。名古屋のライヴハウスに現れたという伝説のブルースマンにまつわる謎、九州地方の島で唐島と永見が出合った風変わりな音楽とのセッションの顛末、“密室”から忽然と消失したグランドピアノの行方、など七編を収録。田中啓文おすすめのジャズレコード、CD情報付。*****

上の文に補足すると,トランペットの唐島英治がバンドリーダーで小説の語り手.各篇のタイトルには「苦い水」「甘い土」「酸っぱい酒」...と,味覚形容詞がついている.著者自身のあとがきによれば,しまいに中身よりタイトルをつけるのに四苦八苦するに至ったとか.

ジャズ部分はテナーサックス奏者武井努氏監修.ということで,音楽のみならず,この世界の現状はしっかり反映されている (のだろう と思う).ジャズならではの題材を扱って特徴を出すと,一般の読者には分からなくなるというディレンマもありそう.どの短編もまあまあのハッピーエンド.ミステリとしては???だが,著者のジャズへの思い入れは,読んで恥ずかしくなるくらいに感じられる.

ぼく的ベストは表題作,ではなく,おまけの「大きなお世話」的参考レコードかな.
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グラッパの空き瓶

2009-10-14 15:41:50 | お絵かき
ウィキペディア(Wikipedia)によれば*****
グラッパ(Grappa)はイタリア特産の蒸留酒で、ワインを蒸留して作る一般的なブランデーとは違い、ブドウの搾りかすを発酵させたアルコールを蒸留して作る。多くは樽熟成を行わないので無色透明であるが、ブドウの香りを程よく残す美酒。アルコール度数は30から60度。*****

例によって,CDケースにアクリル絵の具.
瓶を垂直に描いたつもりが,ややピサの斜塔してしまったので,周囲のもっと曲がった風景でごまかそうという作戦.


グラッパの瓶はたいてい凝った形をしている.これはウェブの広告からのコレクション,
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明日から二紀展です

2009-10-13 11:55:11 | お絵かき
乞 ご来場.
J 子は14日から17日まで上京します.
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