Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

図形楽譜のコンボ演奏

2011-12-30 08:47:37 | 新音律


作曲家が作った図形楽譜なるもの,どうして演奏したらいいのか見当がつかないものが多い.この Hans-Cristoph Steiner による Solitude は与しやすい部類である.縦に見ればオーケストラの楽譜みたいだし,時間の進行に合わせて横長だし.

でもコンボ編成でこれをやってみよう,グリーンは誰,ピンクは誰...と割り当てたとして,まず困るのは時間軸が個人によって違うこと.

まあ これはコンダクター的な役を受け持つひとが,実時間で楽譜を指させぱすむことかもしれない.

文明の利器の活用も一法.スライドショーあるいはムービーを液晶プロジェクタで投射して,みんなでそれを観ながら演奏すれば,時間は共有できるはず.
10日ほど前に これを数人でやってみた.楽譜代わりにしたのは,ポロックのひとつの絵を,全体にしたり,向きを変えたり,いろいろな部分をクローズアップしたりしてスライドショー化したもの,
加えて,YouTubeから,むかしの東京の風俗,太陽系惑星の動画,その他.

ドラマーの H 田氏が遅刻したが,いる/いないでは,まるで活気が違い,ドラムスが如何に重要であるかを他の面々に痛感させる結果となった.

演奏するぶんには面白いのだが,他人様に観たり聴いたりしていただくぶんにはどうだろうか.このときは何の打ち合わせもなくやったのだが,多少縛りを加えるのも良いかもしれない.例えば

 - キーを決める とか

 - テーマを決める.例えば Spain,チック・コリアの曲を断片的に入れるとか,もっと広げてロドリーゴ,アルベニス,あるいはフラメンコなど,とにかく各自がスペインをイメージするものにこだわる.とか

 - 場面ごとにイニシャチブをとる人を決める とか ソロ順からの発想である.

YouTube は,昔の無声映画,春夏秋冬風景の早回しなど,ネタの宝庫だが,iTunesのビジュアライザをサイレント化したもの - すなわち本来音楽があったものに別な音楽をくっつけるというのも良いかも.また,ミロ,クレー,カンディンスキーなどの抽象画はそれ自体音楽を意識しているものがあるようだ.
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hyperref の怪

2011-12-28 08:06:22 | エトセト等


あいかわらず TEX と格闘中.
編み物が好きな人が,完成まで昼休みも続ける,ピアノを弾くのもやめ,と言っていたが,そんな感じ.著述を業とするわけでなく,好きなことをやっているスタンスだから,こんなことを言っていられるのだろう.
とはいえ,予算の関係で今年度中,すなわち 3 月中に出版したい.そうなると 1 月がデッドライン,という切実な事情もある.

本を書いているはずなのに,TEX をいじっている時間のほうが長い.ソフトいじりは上手くいくまでやめられないので心身両方に悪い.

電子書籍版だが,どんものか興味をお持ちの方はこちらをどうぞ.ただし未完につき,かなり怪しいところがあります.

「目次の赤字の章・節をクリックすればそのページへジャンプ.本文中の式・図の番号をクリックすればそのページにジャンプ.文献番号からは巻末リストの該当ページへジャンプする,pdfではカラー図版も思いのまま...」

と言うのを制作中のはずなのだが,特定の節のタイトルに特定の漢字を使うと pdf 版が出来ないという症状が現れた.

「阻止能」の「能」と言う字が,hyperref という,ハイパーリンク用のパッレージを使うとひっかかる.他の箇所に同じ字を使うぶんには全く OK.
阻止能は物質 (生体を含む) が放射線の進行を止める能力のことで,stopping power の訳.仕方がないので (それに阻止能という言葉はあまり好きでなかったので) 文科省用語に背いて「阻止力」という新語を使うことにした.

このハイパーリンク,本を書く立場からはものすごく便利ということを発見した.
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H 大ジャズ研定期演奏会2011

2011-12-26 08:03:49 | ジャズ
H 大ジャズ研定期演奏会2011
12/24
3 コンボと Swing Herd <--- 伝統の仮装/コスプレ ビッグバンド.

客席から撮った写真です.
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山行記

2011-12-24 08:02:16 | 読書
南木佳士著 山と渓谷社(2011/04).

学生さんには,体育系だったなんて信じられないと言われるが,学生時代は山登りのサークルに属していた.細々とだが,今でも付き合いがあるのは当時の山友くらいのものだ.
この本を後ろから立ち読みしたら,山と渓谷 (月刊誌です) に掲載された文章を集めたものらしかったので,興味を持った.
著者は芥川賞作家で,その対象作は読んだ覚えはあるのだが,中身はさっぱりと蒸発した.しかしこの本は記憶に残るかも.

著者(1951生) はもともとは医師だが,作家との二の足わらじに疲れ果て,パニック障害・鬱病になり,気晴らし ? に奥さんと山歩きを始める.
この本の 4 編のエッセイのうち,ひとつは奥さんとの山行が中心だが,2 編は奥さんを置いてきぼりにして,若い人に混じっての 2 泊 3 日のテント山行.
残る 1 編は,長めのあとがきと言った感じ.NHK の「ようこそ先輩」で故郷の小学生をひきつれて浅間山 (正確に言えばその外輪山のひとつ) に登り,男子生徒のおしゃべりに閉口したりするのがおもしろい.ただし.短い本当のあとがきもある.

若い人に混じっての南北アルプス行では,いかにばてたかが微に入り細に入り,文学的に語られる.パーティの他のメンバーとの駆け引きに,こちらは学生時代を思い出した.
「手はキーボードを打つためにあるのではなく,岩角や木の根をつかむためにある」という趣旨の文章が 2 回は出てくる.
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かりんジャム

2011-12-22 08:54:47 | エトセト等


J 子の留守中のいたずらクッキング.
いただいたカリンを,こすずめさんに教わったように蜂蜜漬けにしようと思ったが,蜂蜜の量が心細いので,ジャム作りに転戦.

台所に iPad を持ち込み,ウェブの処方
http://trace.kinokoyama.net/farmer/jam/karin-jam0411.htm
に忠実に従った.グラニュ糖を大量に投入したので,あとで怒られるかも.

まず皮と芯、種だけを煮る.このサイトには「花梨の濃いエキスが溶け出して,不思議なこと に鍋の中がとろとろに...」とあるが,いただいてからしばらく花梨の姿形を鑑賞したためか,ややとろみ不足.でも,カリンの匂いは家中に充満.そのあとみじん切りの果肉を加え,煮るほどに白かったのがクリーム色に変わるのが面白い.

ジャムの中瓶に一杯できた.ちょっと苦味・酸味が感じられる大人の味.毎朝消費して,ご覧のようにかなり減ってしまった..
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はやくも忘年会

2011-12-20 08:57:55 | エトセト等
数年前に卒業した研究室の忘年会にわが家を提供し,タダで美食美飲にありついた.


天高く風寒し,14 時にスタートの乾杯.BBQ にはノドグロなどの高級品も登場.


牛タンをまるごと買って来て皮をとり,ふぐ刺し風に並べたところ.


室内に移動.奥ふたつは幻霜豚のしゃぶしゃぶ.手前は土手鍋.もちろんビール・ワイン・日本酒も乱立.


デザートは別腹.これは学生さんの母上の手作り.


こちらは街で評判のフランス帰りのパテシェによるもの.
全員飽腹.

学生さんのやることは十年前とあまり変わらない.変わったのはネットで食材を取り寄せることくらい.
震災なんか関係ないらしい?
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宮部みゆき「名もなき毒」

2011-12-18 08:25:59 | 読書
当地をふくむいくつかの地方紙の連載小説の (単行本を経ての) 文庫化.新聞小説らしく,小出しにストーリーが進み,あまりあくどい場面も出てこない.クライマックスの解決が少々あっけない.

最初に殺人事件があり,次に語り手の会社のアルバイト嬢がトラブルメーカーの本性を現す.バイトさんが殺人事件の犯人かと思うと裏切られる.彼女は悪意の塊みたいな人物だが,その性格は誰にでもある一面を増幅誇張したようにも受け取れる.どこにでもありそうな姓名で,全国の同名異人さんたちがかわいそう.

殺人に関しては,語り手はこのひとが毒殺犯と確信し,つぎにそうではないと説得されて納得するが,やっぱり犯人だった...というなりゆきに,あれあれと思った.

この語り手兼探偵役が「ぎゃくたま」という設定でストーリーに幅を保たせている.悪く言えば,紙数を稼いでいる.登場人物ひとりひとりの性格づくりが,純文学的に難解でなく明快だが陳腐に墜ちない.
読んでいて何度か北村薫調だなと感じる瞬間があった.いっしょに短編集を編集したりすると,影響されるのだろうか.

プロの小説家による極上のエンタメ,というのが結論.カバーイラストがいい.
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平台がおまちかね

2011-12-16 08:19:56 | 読書
大崎梢「平台がおまちかね」創元推理文庫(2011/09).
このごろ平台でよく見かける本.

前々回のブログで平台のことを書いたが,あの「ヤマハ銀座店不動の大ベストセラー...」はポップと言うんだな,と言うことをこの本で知った.文章を指すこともあり,カードそのものを指すこともある.5 編からなる短編集だが,中ではこのポップを題材にした「ときめきのポップスター」がちょっとひねった暗号もの.後のは,ミステリ味は薄い.「絵本の神さま」などは今風の人情噺だ.

この表紙の羊男はなにかと思ったが,主人公の姓が井辻で,あだ名がヒツジくんなのだった.中堅出版社の営業に就職したヒツジくんが,だんだん世慣れて行く物語,という色彩が濃い.

著者は元書店員だそうで,この業界の内側がちょっと覗ける.東京と地方の差とか,個人書店とチェーン店の差とかは切実だ.

2 編目には,登場人物が「やっぱりハヤシライス」と笑い合う場面があるが,これが丸善の早矢仕ライスのことだった.

読書人口は年々減っているが,月に何冊も買うひとが増加傾向にあり,そのおかげでこの業界もなんとか保っているのだそうだ.かくいう私もこの業界を支えているひとりかも.でも最近は本は重いとか言って,書店では立ち読みばかり.買うのはアマゾンだなあ.
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京橋 -> 日本橋 ブリジストン美術館とハヤシライス

2011-12-14 08:28:23 | お絵かき
ものごころついたころ,東京には地下鉄が1本しかなかった.今の銀座線である.上京したので,この線の駅の順番で,新橋・銀座・京橋・日本橋を歩いた.


野見山暁治展@ブリジストン美術館(京橋)

この画家は 90 か 91 歳でまだ大作を連発中.戦没画学生たちの作品を掘り起こしたことでも知られている.
ごく初期の具象「妹の像」等から始まって,どんどん抽象化していく画風の変遷.

この絵は「予感」2006年 初公開作品.
色合いと画面分割に共感.でも,何を予感したのだろう.


丸善@日本橋でハヤシライスならぬ早矢仕ライス.丸善創業者の早矢仕有的が作った,野菜のごった煮に飯を添えたものが名前の由来と書いてあった.
建て直す前のビルの屋上のプレハブ小屋で食べた覚えがあるが,久しぶりの感想は「こんなに甘かったっけ」.でも完食したから,美味いんだろう.
生ハムサラダ,檸檬ケーキ,コーヒーとセットで 2000 円.
檸檬ケーキは,レモンの上下を落とした筒のなかにムースが詰め込んだのに,暖かいソースをかける.ハヤシよりケーキに感激.帰りにガラスケースを見たら,700 円だったが,ソースも付いているんだろうか.
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銀座大好き

2011-12-12 09:52:47 | 新音律


ひさしぶりに J 子と銀ぶら.これは YAMAHA 3 階書籍売り場の平台.「不動の...」は面映いを通り越して,気持ち悪いくらい...

というわけで,銀座大好き.

晩メシは銀座8丁目,というより,木挽町の竹葉亭.料亭の勝手口みたいなところに椅子席専用の小部屋がある.10 年位前まではよく来たが,そのとき取り仕切っていた,客あしらいが東京風に上手なおばちゃんが,おばあちゃんになったが健在.J 子が「久しぶり」と言ったら,帰りは戸口まで送って下さった.

何の変哲も無いうな丼だが.このあたりの調理法が東京の標準となったと思えば,それも当然.


宣伝です.

小方・高田・中川・山本 著
「視て聴くドレミ - フーリエ音楽学への招待」大阪大学出版会(2013/03).

各ネット書店,丸善ほかの有名書店,ヤマハ銀座店等で発売中です.


平台の本はこちらです.
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