Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

岩波新書「色彩の科学」

2010-01-09 08:25:03 | 科学
昨年末からすこし色彩のことをこのブログに書いたが,このテーマ一般書のひとつが金子隆芳著のこれである.1988年初版で,Amazonで見たら絶版らしい.いま岩波新書には同じ著者による「色彩の心理学」(1990)がある.

まえがきで著者は,色彩学は学際科学であり,色彩学者と言われる人たちはみな何か別の専門家 - 数学者・物理学者・化学者・心理学者・生理学者・建築家・写真屋・テレビ屋・各種デザイナー・評論家...文学者 - であると言っている (xx学者xx家xx屋と区別しているのはランクづけだろうか).
この本の著者は実験心理学者である.実験心理学的色彩論は色彩論の基礎論だそうだ.

色彩学は自然科学ではなく,工学である.この本が書かれた時代に比べ,パソコンが身近になり,フォトショップだのイラレだのを素人がいじくるようになった.私は絵具の三原色に比べ,光の三原色はイマイチぴんと来なかったが,パソコンのモニタをいじって分かったような気になりつつある.
というわけで,写真屋・テレビ屋・各種デザイナーのおかげで (ピークが高くなったかどうかは知らないが),色彩工学の裾野は広がった.現在は色彩工学だけの専門家もおられるようだ.

この本の帯に「ニュートン,ゲーテから最新理論まで」とあるように,このふたり・ブラス・ヘルムホルツ,マクスウェルなどの業績を柱とする書き方で,そのために話題が途切れてはまた出てくるきらいがある.でもそれは悪いことばかりではないのだろう.索引もあるし.

縦書きなのが読みづらい.
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