路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【2025年はあらゆる意味で歴史の転換点になる予感】:⑥世界の混乱の中、「投資するなら日本」は本当か

2025-01-05 07:11:10 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【2025年はあらゆる意味で歴史の転換点になる予感】:⑥世界の混乱の中、「投資するなら日本」は本当か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2025年はあらゆる意味で歴史の転換点になる予感】:⑥世界の混乱の中、「投資するなら日本」は本当か

 25年の日本経済はどうなるのか──。兜町からは「米中両国の対立が激しくなれば、漁夫の利が日本にめぐって来る」といった楽観論が聞こえてくる。24年7月、株価4万2224円と史上最高値をつけた株式市場はイケイケだ。

<picture>2025年は、日本経済が抱える問題が一気に…(C)日刊ゲンダイ</picture>

 しかし、これだけ国際リスクが高まっているのに、日本株だけは…、

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 元稿:日刊ゲンダイDIGITAL 主要ニュース マネー 【株・FXニュース・連載「2025年はあらゆる意味で歴史の転換点になる予感」】  2025年01月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:来年はいい年にしたいものだが…暗澹たる事件ばかりの世相に政治の無策

2025-01-05 07:09:40 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【政局】:来年はいい年にしたいものだが…暗澹たる事件ばかりの世相に政治の無策

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:来年はいい年にしたいものだが…暗澹たる事件ばかりの世相に政治の無策

 今年は目を覆うような事件の連続ではなかったか、闇バイト、自殺強制逮捕、動機なき殺人、大企業のモラルも地に落ちた世相に無策の政治、2025年はさらに社会の底が抜けるような嫌な予感。

<picture>かくて荒んだ世相は誰のせいなのか(C)日刊ゲンダイ</picture>

       かくて荒んだ世相は誰のせいなのか(C)日刊ゲンダイ

              ◇  ◇  ◇

 2024年が暮れようとしているが、なんだか、社会の底が抜けたような一年ではなかったか。裏金問題で始まった一年は政治家の身勝手と堕落を見せつけ、それと並行して、これまでの理解を超えるような凄惨な事件、あり得ないような不正が横行した。

 北九州市の中学生刺殺が生々しいが、そのちょっと前には、東京都板橋区で会社の仲間(56)を踏切内で自死させた(23年12月)として、会社の代表取締役(39)や同僚3人が殺人容疑で逮捕された。報道によれば、4人は被害者に日頃から虐待や暴力、嫌がらせを続けていたというから絶句である。

 闇バイト事件では今年10月、横浜市青葉区で発生した強盗殺人事件に驚いた。75歳の男性が自宅で手足、顔を粘着テープで縛られたうえ、全身を鈍器で殴られ、失血死したのだが、よほどの恨みかと思いきや、現金20万円を奪う強盗殺人だった。実行犯は22歳。動機は「数十万円の税金滞納」でSNS上の「ホワイト案件」という言葉に釣られたという。他にも協力者がいて、30歳の女性も捕まっている。

 柏市では12月、自宅の敷地内で50代の会社役員夫婦が殺害され、直後に付近の住宅8棟が放火で全焼。この夫婦と金銭トラブルを抱え、やけどを負っていた男が公務執行妨害で捕まっている。

 ◆今や日本は汚職横行の「犯罪天国」

 かと思えば、野村証券の元社員が7月、広島市に住む80代女性に睡眠薬を飲ませ、現金1780万円余りを奪って、放火。強盗殺人未遂と放火で逮捕、起訴されたし、三菱UFJ銀行では女性行員が顧客の貸金庫を勝手に開けて少なくとも十数億円の金品を窃取していたことが発覚した。他にも金融庁に出向していた裁判官や東証職員のインサイダー取引など、理解を超える事件は枚挙にいとまがないほどだ。

 そこに共通した因果関係をこじつけるのは危険だろうが、少なくとも、「2024年は、ついに社会が完全にぶっ壊れた年」──と言えるのではないか。

 かつて、日本人は「東南アジアでは1万円で人を殺せるらしいよ」などと言って、揶揄していたものだ。今や、「日本は10万円で強盗殺人をやってくれる国」である。「政治家は裏金で私腹を肥やし、裁判官はインサイダーで儲ける汚職国家」と言われてもぐうの音も出ない。

 一体、なぜ、こうなってしまったのか。その背景に何があるのか。こうした考察は必要だろう。

 ◆黒くて厚い雲に覆われたような閉塞感


貸金庫から現金など十数億円相当が盗まれた問題で頭を下げる半沢淳一三菱UFJ頭取ら(C)日刊ゲンダイ

 評論家の佐高信さんは城山三郎さんの言葉を思い出した、とこう言った。

 「城山さんは『終戦の8月15日の空は青く、すごく高かった』と振り返っています。つまり、それまでの空は暗いものに覆われて、何も見えなかった。でも、戦争が終わって、希望が見えた。そういう意味ですが、今の世相は戦前のように空が覆われているんですよ。だから、先が見えない。みんなが希望を持てない。だから、刹那に生きる。公(パブリック)がなくなっている。自分さえよければいい、今さえよければいい、となる。政治家は劣化し、非正規社員は4割、5人に1人が年収200万円以下。こんな社会では103万円の壁なんて、目先の慰めにもなりゃしません。小泉政権の新自由主義路線以降、ジワジワたまっていた不満の底が抜けたのではないか。それが異様な犯罪の増加につながっているような気がします」

 10万~20万円で人を殺すのは不可解だが、裏を返せば、10万円にそれだけ切羽詰まっているということだ。まさしく、戦前のような混沌だ。

 厚労省が3年ごとに発表している相対的貧困率(世帯所得が全世帯の中央値の半分未満である人の割合)の最新データによると、日本は15.4%で、米国、韓国にも抜かれ、先進国で最悪だった。ひとり親世帯だと、これが44.5%にも跳ね上がる。奨学金の受給者の割合は2000年代初頭は40%程度だったが、今や、55%だ(日本学生支援機構調査22年)。収入別に見ると、年収300万円未満世帯の受給率は8割になる。

 そこに空前の物価高が押し寄せている。11月の消費者物価指数は2.7%上昇だったが、コメは63.6%(前年同期比)も上がっている。野菜なんて、軒並み前年比の1.5~2倍である。その結果、無料の食料配布を続けているNPO法人などから、この年の瀬に「もっと寄付を」という悲鳴も上がっている。

 戦後、一時的に広がった青く抜けるような空は再び、黒く厚い雲に覆われている。目先の金欲しさに刹那の犯罪が増えるのもわかるのだ。

 ◆政治が主導したモラル崩壊と歪んだ価値観

 とはいえ、異様な犯罪がかくも増えた背景を貧困だけに求めるのも早計だ。

 「警察庁幹部も昨今の犯罪の異常さに首をかしげているんです。確かに、金欲しさもある。でも、闇バイトに応募した学生のなかには、ふつうの家の子どももいる。貧困だけではないんです。そこで、トクリュウ(SNSなどを利用した分担型犯罪)を『治安上の最大の脅威』と位置づけた。警察庁挙げて本腰を入れるようになったのです」(大手紙社会部記者)

 貧困だけではないとしたら、背景に見え隠れするのは政治が主導したモラル崩壊と「今だけ、金だけ」という新自由主義の歪んだ価値観なのではないか。

 メガバンクの行員が客の貸金庫に手を付けるなんて、あり得ない話だが、「返すつもりだった」という。派閥の裏金を引き出しに入れておいて、私的に使っていないとスットボけている輩に似ている。「ごまかせればいい」「バレなきゃいい」という発想だ。モリカケサクラの安倍政権を見ていれば、社会がかくも荒むのも道理である。

 「機会不平等」などの著書があり、格差をウオッチし続けているジャーナリストの斎藤貴男氏にも聞いてみた。

 「とにかく、金がなさすぎるという層がいることと、もうひとつはネット社会の病巣という気がします。スマホというツールは便利な半面、闇バイトのような犯罪の可能性も無限に広げてしまった。僕はスマホが登場して以来、人間の価値観が変わってしまったような気すらしています。自分や自分が居心地のいい相手だけが関心のすべてで、他者を思いやる気持ちがまったくない。それどころか、排除する。邪魔だと思う。そんな人が増えているように見える。そこに持ってきて、新自由主義的な価値観がもはや、修復できないほど、社会に定着してしまった。ちょっと前までは格差拡大などが問題視されたものです。でも今や、見向きもされない。自分のことしか眼中になく、自分の価値観は金で決まる。落ちこぼれ、落伍者は見向きもされない。つくづく品性が歪んだ社会になってしまったと思いますね」

 ◆小手先の対症療法ではどうにもならない

 この社会をマトモに戻すには、こうした歪んだ価値観、常識から見直すことが必要なのだが、石破政権は相変わらず、安倍、菅、岸田路線を継承している。

 だから、闇バイト対策といっても、「潜入捜査」みたいな話になる。社会の歪みを是正せず、禁じ手を使って監視を強化。ヘタしたら、思想犯取り締まりに流用されかねない手法を進めようとしている。

 103万円の壁にしたってそうで、根本は物価高の是正であり、景気の底上げなのに、雀の涙減税で「やってるふり」の繰り返しだ。

 「潜入捜査で闇バイトを摘発し、助かる若者が1人2人いるかもしれない。でも、今、この社会で暮らしている人は角度の急な坂の上で暮らしているようなものです。その勾配は年々きつくなり、どんどん、滑り落ちていく。1人2人、たまたま、突起物を掴んで下落を免れる人がいても、全体の解決にはならない。坂を元に戻さなければどうにもならない。まっとうな人間社会とは何か。地道にそれを追い求めていくしかありません」(斎藤貴男氏=前出)

 来年こそはいい年にしたいものだが、空が抜ける日は再び来るのか。

 元稿:日刊ゲンダイDIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・石破政権】  2024年12月28日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄・12.31】:大つごもりに救いのない話は似合わない

2024-12-31 05:03:45 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【産経抄・12.31】:大つごもりに救いのない話は似合わない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄・12.31】:大つごもりに救いのない話は似合わない 

 今年で五千円札の肖像の役目を終えた明治の文豪、樋口一葉は、24歳の若さでこの世を去った。その直前のいわゆる「奇跡の14カ月」に次々と名作を完成させた。そのひとつが『大つごもり』、大晦日(みそか)の別名である。今井正監督が映画にしており、冬休みに図書館でDVDを見つけた。

樋口一葉(台東区立一葉記念館提供)

 ▼久我美子さんが演じるヒロインのお峰は、貸家を百軒も所有する金持ちの家の女中である。大恩ある伯父が借金を背負い、年を越すためには2円が必要だった。現在なら5万円ほどになる。奥さんに給料の前借を懇願するも拒絶される。大つごもり、切羽詰まったお峰は、硯箱(すずりばこ)の引き出しから2円を盗み出す。露見したら舌をかみ切る覚悟だった。

 ▼10代から母親と妹との3人の暮らしを支えていた一葉は、貧乏の辛(つら)さが身に染みていた。華族や政治家の妻や娘が通う歌塾「萩(はぎ)の舎(や)」にも出入りしていたから、金満家の性癖も知っていた。『樋口一葉』(小野芙紗子著)によると、「萩の舎」で2円が紛失し一葉が疑われる出来事もあったらしい。

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 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【産経抄】  2024年12月31日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.30】:新NISA1年 貯蓄から投資を確かな流れに

2024-12-31 05:00:40 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説②・12.30】:新NISA1年 貯蓄から投資を確かな流れに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.30】:新NISA1年 貯蓄から投資を確かな流れに

 少額投資の運用益を非課税にする「NISA」の制度が大幅に拡充されてから1年となる。国民の安定的な資産形成と経済活性化に向け、着実に定着させていきたい。 

 NISAの口座数は順調に拡大している。9月末で前年比約23%増の約2500万口座に達した。拡充前は60歳以上の高齢者に運用が偏ってきたが、若い世代の口座開設が増えているのが特徴だ。

 30歳代が約17%、20歳代も10%強を占める。40歳代は全体の19%超で最も多く、20~50歳代が3分の2に上るという。

 貯蓄に偏る家計の金融資産を投資に振り向け、経済を活性化することは積年の課題となってきた。だが、バブル経済の崩壊後、株式市場が長く低迷し、国民はリスクを取る投資に及び腰になった。

 今回は、日米の株価がともに史上最高値を更新し、投資への機運が高まったことも追い風になった。幅広い世代における口座数の増加は、家計にも企業にも有益だ。老後の備えとして早くから投資を始める重要性も確認したい。

 日本企業は、海外での工場建設や企業買収など対外直接投資を増やしてきたが、収益の多くは再投資のため海外拠点に留保されている。大企業の業績は高水準にあるが、家計が十分に恩恵を感じられないのはこのためでもある。

 NISAを通じ、企業の利益が家計に還元されていけば、消費の活性化も期待できよう。

 課題は、米国株で運用する投資信託の人気が高く、資金が海外に向かう傾向が強いことだ。海外株に資金が流れることは円安の要因になっているとも指摘される。

 日本企業の内部留保は約600兆円に上る。利益をため込むばかりでなく、設備投資や賃上げに回して成長力を強化し、株式の魅力を高めていく必要がある。

 投資は自己責任でリスクが伴うことも忘れてはならない。

 8月に日経平均株価が暴落した際、資産運用を始めたばかりの人は、投資を継続すべきかどうか迷った人も多いのではないか。

 NISAは長期にわたって少額投資を行い、投資先も分散することでリスクを下げる仕組みだ。官民でそうした点の金融教育を充実させていくことも重要になる。

 投資機運に水を差したのが、東京証券取引所や三菱UFJ銀行、野村証券などで続発した不祥事である。資産運用を委ねる上で、信用が最も大事であるのは論をまたない。金融関係者は襟を正し、職業倫理の向上に努めてほしい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.30》:トランプ新政権と日銀 リスクへの備えを周到に

2024-12-30 02:02:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《社説①・12.30》:トランプ新政権と日銀 リスクへの備えを周到に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.30》:トランプ新政権と日銀 リスクへの備えを周到に

 来年1月に発足するトランプ次期米政権の高関税政策にどう対応するか。日米とも中央銀行の手綱さばきが問われる。

 米国が輸入品に高関税をかければ、世界経済や国際金融市場に悪影響を及ぼす恐れがある。米国では追加関税分が商品価格に転嫁され、インフレを再燃させることが懸念されている。株式・為替市場の動揺も予想される。

金融政策決定会合後に記者会見する日銀の植田和男総裁。日銀は「トランプ次期米政権の経済政策を巡る不確実性が大きい」として追加利上げを見送った=東京都中央区で2024年12月19日午後4時8分、玉城達郎撮影

 米連邦準備制度理事会(FRB)は今月に入り、警戒感を鮮明にした。パウエル議長は「関税主導のインフレが経済にどう影響するかを議論している」と語り、今後は物価高の抑制にも配慮する姿勢を示した。景気の下支えを狙って9月に金融政策を緩和方向に転じたばかりだが、来年は利下げペースを緩める方針だ。

 日銀の金融政策運営も難しさを増している。物価上昇率が2%の目標を上回っているにもかかわらず、今月、追加利上げを見送った。「トランプリスク」を意識したためだ。植田和男総裁は記者会見で「次期米政権の経済政策を巡る不確実性は大きい」と述べた。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月30日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・12.30》:株式相場の格言…

2024-12-30 02:02:30 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《余録・12.30》:株式相場の格言…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・12.30》:株式相場の格言…

 株式相場の格言「辰巳(たつみ)天井」は竜が天に昇るように辰年の株価は上がるという意味だ。今年半ばまではその通りだった。日経平均はバブル期の最高値を更新し、4万円も初めて突破した

4万2000円を超えた日経平均株価を表示したモニター=東京都中央区で2024年7月11日、猪飼健史撮影

 ▲要因の一つは、株で得た利益への非課税枠を大幅に拡充した「新NISA(ニーサ)」が始まり、投資に乗り出す人が増えたことだ。気をよくした政府は「貯蓄から投資へ」と旗を振った

4000円超も急落した日経平均株価の終値を示すモニター=東京都中央区で2024年8月5日、猪飼健史撮影

 ▲だが8月には過去最大の4000円超も急落する場面があった。その後は持ち直し、きょう今年最後の取引を迎えるが、老後への不安から株を始めた人は気をもむ1年だっただろう

 ▲「老後の備えは投資で稼ぎなさい、と政府が政策の失敗のツケを国民に押しつけているように見える」。こう語るのは、中小企業などの経営コンサルタントを務め、投資に関する著作も多い名古屋大客員教授の小宮一慶(かずよし)さん(67)だ

 ▲2%超の物価上昇が続き、金利がほぼゼロの預金は目減りするばかりだ。アベノミクスの異次元緩和の弊害が残っている。「小さな会社で一生懸命働いてお金をコツコツためた人が損をする社会はおかしい。投資に関心があれば学んでほしいが、無理にリスクを取らずに済むようインフレに見合う金利が必要だ」

 ▲巳年はヘビの脱皮にちなんだ「再生」の意味があり、格言でも株高のようだが、過去は米同時多発テロなど波乱が多かった。高関税を振りかざすトランプ米政権も発足する。相場頼みに陥らず、国民が安心して暮らせる社会を作るのが政府の役割だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2024年12月30日  02:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・12.27》:インサイダー取引 信頼損ねるモラルの欠如

2024-12-27 09:31:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《社説②・12.27》:インサイダー取引 信頼損ねるモラルの欠如

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.27》:インサイダー取引 信頼損ねるモラルの欠如

 東京地検特捜部が、金融庁の元職員と東京証券取引所の元社員を金融商品取引法違反の罪で在宅起訴した。それぞれ職務で知った企業情報を基にインサイダー取引をしたなどとしている。

 不正な株取引を防ぐ「市場の番人」の立場でありながら、自ら不正に手を染めていたのであれば、公正であるべき株式市場への信頼を損ねる深刻な事態だ。

 裁判官出身で金融庁に出向していた30代の元職員は、株式公開買い付け(TOB)を予定する企業の書類審査を担当。TOB情報を知り、公表される前に自己名義で10銘柄計約950万円分の株式を不正に買い付けたとされる。

 20代の東証元社員は、上場企業の重要情報を公表する「適時開示」の担当部署に勤務していた。TOBに関する企業情報を父親に伝え、公表前に父親が3銘柄計約1700万円分の株を不正に買い付けたという。

 ともに数百万円の利益を上げていたとみられる。金融庁は懲戒免職に、東証を傘下に持つ日本取引所グループは懲戒解雇とした。

 インサイダー取引は、上場企業のTOBや合併、買収といった株価に大きな影響を与える重要情報を入手し、公表前に株を売買する行為だ。立場上知り得た情報で利益を上げれば、一般投資家との間で不公平が生じる。金商法で禁じられている。

 ましてや証券行政を担う金融庁と上場企業の株を取引する東証は、企業に法令順守を求め、取引を監視する立場にある。市場の健全性や信頼性をゆがめる悪質な犯罪である。元職員は高い規範意識が求められる裁判官出身で、司法への信頼も揺るがす。

 政府は「貯蓄から投資へ」のかけ声で投資を促し、金融庁が旗振り役を担う。新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まり、個人投資家の裾野は広がる。

 東証も国内外から投資を呼び込むため、上場基準を厳格化した市場区分の再編や取引時間の延長といった改革を進めてきた。

 内部の人物が私腹を肥やすような市場を投資家が信頼できるはずもない。投資促進の機運に水を差しかねない。

 金融庁は、インサイダー取引に関する研修や職員の株取引状況の把握、TOB審査担当者の株取引禁止といった再発防止策を示した。個人の職業倫理任せではなく、実効性のある対策でなければならない。市場に向けられる疑念を拭うために、徹底的に足元を見つめ直すことを求める。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.26》:貸金庫で窃盗 背景の徹底分析が必要だ

2024-12-27 09:31:40 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《社説①・12.26》:貸金庫で窃盗 背景の徹底分析が必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.26》:貸金庫で窃盗 背景の徹底分析が必要だ 

 顧客の大切な資産を扱う銀行にとって最も重要なのは信頼だ。それを根底から揺るがす事態を、なぜ防げなかったのか。

 行員による貸金庫の窃盗問題について三菱UFJ銀行が記者会見を開き、半沢淳一頭取が謝罪した。今後さらに調査を進め、自身を含めた役員の処分も検討していくという。

 盗みを働いた行員個人にとどまらず、貸金庫ビジネスの管理のあり方に関わる問題である。背景を徹底的に分析し、再発防止策につなげなくてはならない。

 顧客の指摘を機に10月31日に発覚した。40代の女性行員が、勤務していた東京都内の2支店で計約60人の貸金庫を無断で開け、時価十数億円相当の金品を盗んだことを認めた。2020年4月から発覚した24年10月まで、約4年半にわたって繰り返されていた。

 三菱UFJは一連の経緯を11月22日に公表し、この行員を懲戒解雇したと説明。今月16日になって開いた記者会見で、新たに数十人から被害の可能性について申告があったと公表している。

 貸金庫は、重要書類などの貴重品を盗難や災害から守るため、銀行内の保管庫を貸し出すサービスだ。B4サイズの書類が入る箱形が多い。利用者以外に中身は知られないことになっている。

 開錠には顧客の鍵と銀行の鍵の両方が必要な仕組みで、顧客の鍵には予備の合鍵があり、銀行が保管している。元行員は各支店で予備鍵を管理する店頭業務責任者を務めていたため、悪用して開けることができたという。

 同行は対策として、予備鍵を各支店ではなく本部で一括保管する方式に変更すると説明。貸金庫関連の手続きを見直し、行員の管理を強化するとした。

 不可解なのは、なぜ4年半にもわたって発覚を免れることができたのか、ということだ。実効性ある対策には、その詳細を明らかにしていく必要があろう。

 半沢頭取は会見で、金庫の管理業務が一人に集中し「相互けん制が十分にできていなかった」と説明。過去に貸金庫の不祥事がなかったため鍵の点検方法の適切な見直しがなかったとも述べた。

 顧客にすれば、銀行ならば不祥事を防ぐための行員間の相互けん制などは当然できている、と考えるのが一般的な感覚だろう。

 巨額窃盗の公表から3週間余りを経ての会見には、説明責任軽視との批判もある。不祥事に際し丁寧な対応を欠くようでは、信頼回復は遠のくばかりだ。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月26日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金融庁】:イオン銀に業務改善命令へ 「マネロン対策に不備」 監視強化で判明

2024-12-25 05:03:30 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【金融庁】:イオン銀に業務改善命令へ 「マネロン対策に不備」 監視強化で判明

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金融庁】:イオン銀に業務改善命令へ 「マネロン対策に不備」 監視強化で判明

 金融庁がイオン銀行に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策に不備があるとして銀行法に基づく業務改善命令を近く出す方針を固めたことが24日、分かった。イオン銀の管理態勢を問題視したもようだ。銀行口座がマネロンに悪用されるケースを踏まえて金融庁が監視を強めている中で判明。一連の検査で行政処分するのは初めてとなる。

 マネロン対策を担う国際組織「金融活動作業部会(FATF)」は2021年、日本の大手銀行を除く金融機関の取り組みが不十分だと指摘。政府は対策強化に向けた行動計画を策定し、銀行などに口座悪用リスクへの対応を求めた。

 金融庁はこうした流れを受け、金融機関への検査を強化。24年3月末までに対応を完了するよう要請していた。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・金融庁・イオン銀行に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策に不備があるとして銀行法に基づく業務改善命令を近く出す方針を固めた】  2024年12月25日  00:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.24》:日銀の異次元緩和検証 これでは教訓にならない

2024-12-25 02:05:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《社説①・12.24》:日銀の異次元緩和検証 これでは教訓にならない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.24》:日銀の異次元緩和検証 これでは教訓にならない

 日銀にとって都合の悪い問題を直視しない政策検証に意味があるのか。疑問を禁じ得ない。

 過去25年間の金融政策を検証した「多角的レビュー」が公表された。植田和男総裁が策定を指示したものだ。最大の焦点は、黒田東彦前総裁の下、10年間にわたった異次元緩和策の評価である。

過去25年間の金融政策を検証した「多角的レビュー」について記者会見で語る植田和男日銀総裁=東京都中央区で2024年12月19日、玉城達郎撮影

 脱デフレを掲げた黒田氏は2013年4月、「2年程度で物価目標2%を達成する」と宣言し、市場から国債を大量に買い入れる政策を導入した。ところが、物価は思うように上がらず、16年には短期金利をマイナスにし、長期金利を0%程度に抑え込む異例の政策にも踏み切った。

 それでも、消費者物価の押し上げ効果は年平均0・5~1・1%程度にとどまった。当初は輸出に不利な円高の是正につながったものの、賃金上昇や消費の活性化には結びつかなかった。

 レビューも経済・物価に対して「想定していたほどの効果は発揮しなかった」と認めている。

 一方で、負の側面の分析は踏み込み不足というほかない。

 国債発行残高に占める日銀の保有割合は50%超に膨らんだ。レビューは、民間金融機関による取引が激減したことなどを挙げて、市場の機能に「マイナスの影響を及ぼした」と分析した。だが、問題はこれにとどまらない。

 日銀が金利ゼロで国債を買い続けた結果、政府は借金しやすくなった。黒田日銀と二人三脚で異次元緩和を進めた安倍晋三政権以降、財政規律が緩み、国の予算は肥大化した。幅広い株式に投資する上場投資信託(ETF)の購入にも手を広げ、株価をゆがめた。

 近年は過度な円安を招いている。22年以降、世界的な資源高を受け、米欧は金融引き締めに転換したが、日銀は異次元緩和を解除した今春まで「金利のない世界」を続けた。その結果、輸入物価が高騰し、暮らしを圧迫している。

 にもかかわらず、レビューは「全体として、経済にプラスの影響をもたらした」と、異次元緩和を肯定的に評価した。自己検証の限界が露呈した形だ。

 アベノミクスの最大の柱が異次元緩和だった。功罪の検証を日銀任せにせず、政府として教訓をくみ取る努力が求められる。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.23》:三菱UFJ貸金庫窃盗 信頼損ねるずさんな管理

2024-12-25 02:03:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《社説①・12.23》:三菱UFJ貸金庫窃盗 信頼損ねるずさんな管理

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.23》:三菱UFJ貸金庫窃盗 信頼損ねるずさんな管理

 安全なはずの貸金庫から、長年にわたって多額の金品が盗まれていた。銀行業の基盤である信頼を損ねる深刻な事態だ。

 メガバンク最大手、三菱UFJ銀行の40代行員(懲戒解雇)が2020年4月から4年半にわたり、東京都内2支店の貸金庫に保管されていた顧客の金品を盗んでいた。確認できただけで、被害は約60人分、十数億円に上る。

元行員による貸金庫からの窃盗事件を受けて、頭を下げる三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取=東京都千代田区で2024年12月16日午後3時32分、前田梨里子撮影

 貸金庫は、顧客が持つ鍵と、銀行側が保管する鍵の二つがそろわないと開けられない。ただ、銀行側には顧客が紛失した場合に備えた「予備鍵」があり、今回はこれが悪用された。

 窃盗が繰り返された背景には、ずさんな管理体制がある。

 元行員は支店で貸金庫業務を一手に担っていた。他の行員から怪しまれずに、予備鍵を使って金庫を開けられたという。

 半年ごとに実施される定期点検も形骸化していた。

 予備鍵は顧客ごとに封筒に入れて保管されていたが、封筒の数を点検するだけで、開封された形跡の有無まではチェックしていなかった。被害に気づいた顧客が今年10月末に問い合わせるまで、不正は発覚しなかった。

 今後は予備鍵を全国3カ所の本部で一括管理するという。再発防止や被害者補償に万全を期すのは当然だが、今回の事案を一個人の不正に矮小(わいしょう)化することがあってはならない。

 半沢淳一頭取が記者会見したのは、問題を把握してから約1カ月半もたった12月中旬だ。「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす事案と受け止めている」と述べたが、鈍い対応からは危機意識の薄さがうかがえる。

 同行を巡っては、顧客情報を無断でグループの証券会社と共有した問題も明らかになっている。経営責任を明確にしなければ、顧客の信頼回復はおぼつかない。

 金融界では、証券最大手、野村証券の元社員が、顧客宅から巨額の現金を奪った疑いで、強盗殺人未遂などの罪で起訴される事件も起きている。

 政府は「資産運用立国」を推進している。だが、銀行や証券会社の不祥事体質が改められなければ、国民が安心して投資できる環境は整わない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月23日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.24】:日米金融政策 先行きの不確実性見極めたい

2024-12-24 05:00:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説①・12.24】:日米金融政策 先行きの不確実性見極めたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.24】:日米金融政策 先行きの不確実性見極めたい

 日米の経済はともに堅調だが、先行きの不確実性は高まっている。トランプ次期米政権が検討する高関税政策などの影響が読みにくいためだ。

 日本銀行も米連邦準備制度理事会(FRB)も、次期米政権の出方を見極めて、政策運営を行っていくことが大切になる。

 FRBは政策金利を0・25%引き下げて、年4・25~4・50%とすることを決めた。9月に金融政策を緩和方向へ転換してから、3会合続けて利下げした。

 2025年の利下げ回数は、通常の利下げ幅で2回と予測し、9月時点の4回から減らした。

 11月の消費者物価指数は前年同月比で2・7%上昇し、2か月連続で伸びが加速した。2%の目標を上回っており、物価高が再燃する懸念が出始めている。

 パウエル議長は記者会見で、利下げのプロセスは「新たな段階に入った」と述べた。今後は、利下げペースを落とすことが適切だと考えているのだろう。

 堅調な景気を維持しながら、金融の引き締めによって物価高を抑え込んでいく過程は、最終盤が難しいとされる。賃金の伸びが加速する可能性があり、家計も支出を続けると予想されるためだ。

 さらにトランプ次期政権が、公約どおりに大型の減税や高関税、不法移民の強制送還などに踏み切れば、経済の過熱や人手不足による賃金上昇を招き、インフレ圧力が高まることは避けられない。

 FRBは再び利上げを迫られることがないよう、物価高の再燃には細心の注意を払うべきだ。

 一方、日銀は政策金利を0・25%程度に維持することを決めた。7月に利上げを決定して以降、3会合連続で金利を据え置いた。

 市場には今月の利上げ観測もあった。だが、植田和男総裁は記者会見で、「春闘に向けた勢いなど賃金動向について、もう少し情報が必要」と慎重な姿勢を示した。「米次期政権の経済政策を巡る不確実性は大きい」とも語った。

 今回の決定を受け、日米の金利差は当面、縮小しないとの見方から、円安・ドル高の傾向が強まった。円安は輸入物価の上昇を通じて物価高を招き、家計を苦しめる。日銀は為替市場にも注意を払っていく必要があろう。

 日本経済は、賃金も投資も増える「成長型経済」へと転換していくべき過程にある。それに伴い金利も上昇していくのが自然だ。日銀は、経済や次期米政権の動向を点検しながら、追加利上げの時期を判断していってほしい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月24日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・12.23】:貸金庫窃盗 三菱UFJの責任は重い

2024-12-23 05:03:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【主張②・12.23】:貸金庫窃盗 三菱UFJの責任は重い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・12.23】:貸金庫窃盗 三菱UFJの責任は重い 

 人のお金を預かる銀行は顧客からの信頼によって業務が成り立っている。その信頼を裏切り、事業基盤を根底から揺るがしかねない不祥事が起きた。

 銀行業界最大手、三菱UFJ銀行の行員による貸金庫からの窃盗である。

三菱UFJ銀行の看板=東京都中央区

 同行によると、令和2年4月から6年10月までの約4年半の間に、東京都内の2支店で貸金庫を利用していた顧客が被害に遭った。被害額は時価で十数億円としていたが、さらに拡大する恐れがあるという。顧客の金品を盗んでいたのは40代の店頭業務責任者の女性行員で、懲戒解雇された。

 行員は、銀行で保管する予備の合鍵を悪用して金庫を開けていた。同行は厳格な管理ルールを設け第三者による定期チェックの仕組みも導入していたが、実際には機能していなかった。今後は合鍵を本部で一括管理するといった対策をとるとしているが、不正を防ぐための仕組みが甘かったことは否めない。

 半沢淳一頭取は16日に開いた記者会見で「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものと厳粛に受け止めており、心よりおわび申し上げる」と述べた。こうした事態を招いた経営責任は免れまい。

 同行は今回の不祥事だけでなく、系列証券2社と顧客企業の非公開情報を無断で共有するなどの法令違反が判明し、金融庁から6月に業務改善命令を受けている。

 いずれも個人の問題として矮小(わいしょう)化すべきではない。行員の倫理観が薄れているとすれば、深刻な問題である。まずは不祥事が続いた真因を突き止め、そのうえですべての行員に対して職業倫理に関する再教育を行うなど信頼回復に全力を挙げなければならない。

 同行に限らず、高い倫理観が求められる金融機関で、このところ不祥事が相次いでいる。

 野村証券は、広島支店で勤務していた社員が顧客に対する強盗殺人未遂と放火の罪で起訴された。三井住友信託銀行の管理職だった社員はインサイダー取引をしていた疑いが判明し、懲戒解雇されている。

 自分の欲望のために、信頼を裏切る行動をとるとは言語道断だ。信頼こそが、金融機関の生命線である。そのことを、すべての業界関係者が改めて肝に銘じてほしい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年12月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.23】:三菱UFJ銀行 職業倫理の劣化が目に余る

2024-12-23 05:00:50 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説①・12.23】:三菱UFJ銀行 職業倫理の劣化が目に余る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.23】:三菱UFJ銀行 職業倫理の劣化が目に余る

 顧客の大切な資産を預かる銀行で、行員が盗みを働くことなどあってはならない。職業倫理の荒廃は深刻である。金融業界の信頼性も根底から問われよう。 

 三菱UFJ銀行は、行員が貸金庫から契約者の現金などを盗んでいた問題で16日に初の記者会見を開いた。半沢淳一頭取は「信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものだ」と謝罪した。

 問題が発覚したのは10月末である。この40歳代の女性行員は、11月14日付で懲戒解雇された。

 貸金庫は、有価証券や預金通帳、貴重品などを有償で預かるサービスで、銀行への信頼が基盤である。行員が、その資産を盗むなど、信頼を根本から崩壊させる。

 利用者の心配も大きい。問題発覚から会見までに1か月半もかかるなど、説明が遅すぎる。刑事告発の有無を明らかにしないのも疑問だ。顧客の不安に 真摯 しんし に向き合っているとは到底言えない。

 経営陣は、被害者への補償などの対応を最優先に進めたために対外的な説明が遅れたというが、身内の犯行という重大性に対する認識が甘すぎるのではないか。

 問題の行員は、2020年4月から今年10月にかけ、在籍した東京都内の計3支店で貸金庫から契約者の現金や貴金属を盗んだという。被害者は約60人で被害総額は時価十数億円とみられている。

 行員は、貸金庫の鍵の管理を任され、無断で解錠できる立場にあった。契約者への対応もほぼ1人で行っていたという。あまりにもずさんな管理体制である。

 金融庁は、三菱UFJ銀に報告を求めた。調査を尽くし、厳正に対処してもらいたい。

 金融界では、最近、耳を疑うような犯罪行為が続発している。

 野村証券の元社員は11月に強盗殺人未遂罪などで起訴された。顧客だった高齢の女性宅を訪れ、睡眠薬を飲ませて現金を奪った上、自宅に放火して殺害しようとした罪に問われている。

 三菱UFJ銀と野村証券は、それぞれ業界トップの企業だ。率先して範を示していく立場にある。憂慮すべき事態だ。

 政府は、個人資産の運用を促す政策を推進しているが、これでは国民が安心して金融機関に資産運用を任せることなどできない。

 今年に入って、三井住友信託銀行の管理職によるインサイダー取引や、野村証券での相場操縦なども発覚している。金融業界を挙げて、職業倫理の徹底的な教育を進めていく必要がある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.18】:金融業界不祥事 信頼を失う深刻な事態だ

2024-12-22 06:10:10 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説・12.18】:金融業界不祥事 信頼を失う深刻な事態だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.18】:金融業界不祥事 信頼を失う深刻な事態だ 

 信用を足元から揺るがす深刻な事態だ。各金融機関は原因究明と再発防止に力を尽くし、信頼回復に努めなければならない。

 三菱UFJ銀行の行員が、東京都内にある練馬支店と玉川支店の貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んでいたことが発覚した。

 2020年4月から24年10月までの約4年半で約60人が被害に遭い、金額は時価で十数億円に上るという。顧客からの指摘で判明したが、他に数十人から盗まれた可能性があるとの申告があり、被害はさらに拡大する恐れがある。

 被害者は、信用する銀行で行員に貴重品を盗まれるとは想像もしていなかっただろう。

 16日に記者会見した同行の半沢淳一頭取は「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす」と述べたが、全くその通りだ。

 同行によると、行員は40代の店頭業務責任者の女性で、懲戒解雇された。銀行で保管する予備の合鍵を悪用して窃盗を繰り返し、盗んだ資金は投資に使っていたという。単独犯とみられている。

 問題は4年半もの間、銀行がどうして行員の犯行に気付かなかったのかということだ。

 半沢頭取は「貸金庫でこれまで(同様の)不祥事がなく、リスク認識が低かった」と語った。管理体制やチェック体制が甘かったのは間違いない。徹底的に調査し、問題点を洗い出す必要がある。

 金融庁は銀行法に基づく報告徴求命令を出した。同行は今後、合鍵を本部で一括管理するなどの対応を取るというが、確実な再発防止策を講じなければならない。

 気がかりなのは最近、金融業界で不祥事が相次いでいることだ。

 野村証券では、広島支店の社員の男が7月に顧客の80代夫婦宅で妻に睡眠作用のある薬物を服用させた上、現金約1800万円を盗み放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂と放火の罪で起訴される事件があった。

 同社は社員を懲戒解雇し、今後は営業担当者が顧客宅を訪問する際に上司が同席したり、訪問前後に上司が顧客に電話を入れたりするなどの再発防止策を発表した。

 他にも金融庁と東京証券取引所ではインサイダー取引疑惑が浮上している。

 県内でも16日、上越市の保険代理店に所属していた女性販売員が保険証券を偽造し、23人から約8千万円を不正に受け取っていた疑いがあると、損害保険ジャパンが発表した。

 安心して取引できる金融機関であるためには、従業員一人一人の法令遵守意識が何より大事だということを経営陣は改めて胸に刻んでほしい。

 不祥事が起きた際の丁寧な説明が遅れ、信用をさらに低下させるケースが見られる。トップの素早い対応が危機管理の要諦であることも再確認してもらいたい。

信用を足元から揺るがす深刻な事態だ。各金融機関は原因究明と再発防止に力を尽くし、信頼回復に努めなければならない。

 三菱UFJ銀行の行員が、東京都内にある練馬支店と玉川支店の貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んでいたことが発覚した。

 2020年4月から24年10月までの約4年半で約60人が被害に遭い、金額は時価で十数億円に上るという。顧客からの指摘で判明したが、他に数十人から盗まれた可能性があるとの申告があり、被害はさらに拡大する恐れがある。

 被害者は、信用する銀行で行員に貴重品を盗まれるとは想像もしていなかっただろう。

 16日に記者会見した同行の半沢淳一頭取は「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす」と述べたが、全くその通りだ。

 同行によると、行員は40代の店頭業務責任者の女性で、懲戒解雇された。銀行で保管する予備の合鍵を悪用して窃盗を繰り返し、盗んだ資金は投資に使っていたという。単独犯とみられている。

 問題は4年半もの間、銀行がどうして行員の犯行に気付かなかったのかということだ。

 半沢頭取は「貸金庫でこれまで(同様の)不祥事がなく、リスク認識が低かった」と語った。管理体制やチェック体制が甘かったのは間違いない。徹底的に調査し、問題点を洗い出す必要がある。

 金融庁は銀行法に基づく報告徴求命令を出した。同行は今後、合鍵を本部で一括管理するなどの対応を取るというが、確実な再発防止策を講じなければならない。

 気がかりなのは最近、金融業界で不祥事が相次いでいることだ。

 野村証券では、広島支店の社員の男が7月に顧客の80代夫婦宅で妻に睡眠作用のある薬物を服用させた上、現金約1800万円を盗み放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂と放火の罪で起訴される事件があった。

 同社は社員を懲戒解雇し、今後は営業担当者が顧客宅を訪問する際に上司が同席したり、訪問前後に上司が顧客に電話を入れたりするなどの再発防止策を発表した。

 他にも金融庁と東京証券取引所ではインサイダー取引疑惑が浮上している。

 県内でも16日、上越市の保険代理店に所属していた女性販売員が保険証券を偽造し、23人から約8千万円を不正に受け取っていた疑いがあると、損害保険ジャパンが発表した。

 安心して取引できる金融機関であるためには、従業員一人一人の法令遵守意識が何より大事だということを経営陣は改めて胸に刻んでほしい。

 不祥事が起きた際の丁寧な説明が遅れ、信用をさらに低下させるケースが見られる。トップの素早い対応が危機管理の要諦であることも再確認してもらいたい。

 元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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