路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【金口木舌】:待機児童対策と保育を受ける権利

2019-04-02 06:01:20 | 【待機児童問題・認可、無認可保育園・認定こども園・子育て世代、産休・育休・...

【金口木舌】:待機児童対策と保育を受ける権利

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:待機児童対策と保育を受ける権利 

 子どもたちがはだしで走り回り、リズム遊びをする西原町の「こばと保育園」に、わが子を通わせる親たちは突然の「強制退園」の宣告に戸惑った

 ▼認可外保育所だった同園は、2019年度に認可保育所「こばとゆがふ保育園」に移行した。町はそれに伴い、「町内の待機児童解消が優先」と、広域から通う園児の強制退園を示唆していた
 ▼同園は、埼玉県のさくら保育園・さくらんぼ保育園の創設者、斎藤公子さんが提唱・実践した独自の保育を取り入れる。0~6歳児の一貫保育など「斎藤公子保育」を忠実に実践するこばと保育園に魅力を感じた親たちは、保育方針が継続される新設園で卒園できるものと期待していた
 ▼かたくなに町内の待機児童優先を掲げた西原町だが、町外の園児の継続保育を認めた。預けっ放しではなく、保護者の関わりを強く求める園の方針が敬遠され、定員に空きが出たからだ
 ▼広域から子を送り迎えする親がいる一方、町内では入園を見合わせる保護者も。保育の特色や親の通勤事情を考えると、各市町村だけで親のニーズに対応できる時代ではない
 ▼県内の待機児童は18年10月の時点で3275人。県は本年度末までに待機児童ゼロを掲げるが、ハードルは高い。きょうから新年度。市町村単位で競うのではなく、県全体で「保育を受ける権利」を守ってこそ、親は安心して働ける。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年04月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【デスク日記】:平成の終わりに

2019-04-02 06:00:50 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【デスク日記】:平成の終わりに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【デスク日記】:平成の終わりに 

 平成の終わりに、半藤一利さんのベストセラー「昭和史」(戦前・戦中篇、戦後篇)をかみしめながら読んだ。昭和とは何と起伏が激しく、かつ長い時代だったのかと改めて感じる。何しろ、最初の章のタイトルに出てくるのは「赤い夕陽の満州」なのだ。

 最後の13年余りだけを生きた私個人にとっての昭和とは、幼少期を過ごした東京郊外のマンモス団地である。ノスタルジーを伴って思い起こすその光景は、まさに高度経済成長期の名残だったのだが、6年ほど前に足を向けた折には跡形もなくなっていた。昭和は遠くになりにけり。

 さて、後世に編まれる「平成史」の骨格は、大災害か、あるいはインターネットか。「昭和史」のページを閉じて今思うのは、天皇陛下が語られたように、幸いにも日本戦争がなかった時代。その歴史先人への感謝次の元号引き継ぐことが、われわれ平成世代負う責任なのかもしれない。 (小野浩志)

 =2019/04/01付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【デスク日記】 2019年04月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【提論】:【NHKの政治報道】 平野 啓一郎さん

2019-04-02 06:00:45 | 【新聞社・報道・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌・世論調査】

【提論】:【NHKの政治報道】 平野 啓一郎さん

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【提論】:【NHKの政治報道】 平野 啓一郎さん 

 ◆現政権との関係に疑義

 3月4日、参議院予算委員会の模様を伝えるNHKのニュース7を見て私は愕然(がくぜん)とした。この日は、自由党の森裕子議員が、辺野古埋め立て計画のずさんさを追及するなど重要な質疑があったが、放送では野党は一切取り上げられず、与党議員の質問に、政府が応じる場面だけが映し出されたからである。

 NHKは、5年前に、当時の会長の籾井勝人氏が「政府が『右』と言うものを『左』と言うわけにはいかない」と発言し、批判を浴びたが、最近の政治ニュースの「政府広報」化は、開き直った観さえある。

 なぜなのか?

 根本匠厚生労働相に不信任決議案が提出され、立憲民主党の小川淳也議員が衆議院本会議で、2時間弱にわたって、その趣旨説明を行った日のニュースウオッチ9も、その趣旨の骨子には触れず、野党がただいたずらに審議時間を浪費しているかのような悪質な編集だった。

   ---◆---

 「まさかNHKが?」と思う人は、ネットメディアのハーバービジネス・オンラインで、この報道を検証し、厳しく批判した法政大の上西充子教授の寄稿を見てほしい。

 上西教授の指摘を受けて、その後、小川議員自身が衆院総務委員会で、NHK会長、専務理事に対し、一連の経緯を問い質(ただ)している。このことの是非は議論されるべきだが、政府の介入、または政府への「忖度(そんたく)」があるのではという疑念は拭いきれない。

 NHK側は「自主的な編集判断」で、他の時間帯のニュースでは野党の主張に触れていると説明したが、視聴者は朝から晩までNHKのニュースを見ているわけではない。そんな理屈が通るなら、どこかの目立たぬ時間帯で言い訳のための報道をしておけば、重要な時間帯では何をしてもいい、ということにもなりかねない。

 多くの人が言う通り、私もNHKは全体として良質な番組を放送していると思う。ただ、ニュースの中でも政治報道だけは甚だ疑問である。

 小川議員は、総務委員会で、一体、「どういう過程で原稿が作られているか?」と問うていたが、もし本心からあれがあの趣旨弁明の最重要箇所だったと考えているのならば、その理解力には著しい問題があると言わざるを得ない。

 しかしもし、政権維持のために意図的に歪曲(わいきょく)しているとするならば、報道機関としてはその資格を欠いており、公共放送としては論外である。

   ---◆---

 番組はディレクターからアナウンサー、カメラマン、……と数多くのスタッフによって、日々制作され、放送されている。その全員が、これを素晴らしいことと信じてやっているのだろうか。彼らとて、仕事を終えて、一人でゆっくりものを考えたり、家族や友人と物事の善悪について語り合ったりする時間があるはずだが。現場に対しては、同情的な声も聞くが、内実はわからない。

 問題はNHKだけにあるのではなく、現政権とマスコミとの関係そのものだろう。報道は民主主義の基礎である。公正な情報なくして、国民はどのようにして的確な政治判断を下すことが出来るのか。

 こうした悪(あ)しき前例が、長期の政権維持の秘訣とされるならば、今後誕生するどんな政府も、報道に同じことを求めるだろう。それは、日本の未来にとって、本当に望ましいことなのか? 「自主的な編集判断」とは言うものの、その実、報道機関は既に「弱者」で、私の批判はお門違いなのだろうか?

 私には、わからないのである。ただ、一つだけハッキリしているのは、このままでは、日本がダメになるということである。

 ◆平野 啓一郎(ひらの・けいいちろう)さん=作家

平野 啓一郎(ひらの・けいいちろう)さん=作家

 【略歴】1975年、愛知県蒲郡市生まれ。2歳から福岡県立東筑高卒業まで北九州市で暮らす。京都大在学中の99年に「日蝕」で芥川賞。渡辺淳一文学賞受賞作「マチネの終わりに」は映画化され、今秋公開予定。「ある男」で読売文学賞。

 =2019/04/01付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【提論・明日へ】 2019年04月01日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:ゴラン高原 併合容認は国際秩序崩す

2019-04-02 06:00:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説】:ゴラン高原 併合容認は国際秩序崩す

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ゴラン高原 併合容認は国際秩序崩す 

 米国のトランプ大統領が、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領したゴラン高原について、イスラエルの主権を正式に承認した。

 国際社会の常識を逸脱する乱暴な方針転換だ。中東情勢を一段と不安定化させる恐れもあり、看過できない。

 ゴラン高原はイスラエル北部からシリア南部に広がる丘陵地帯で、軍事上の要衝だ。第3次中東戦争でイスラエルがシリアから大部分を占領し、81年に自国領への併合を宣言した。

 しかし、国連安全保障理事会は同年、米国も含む全会一致で併合を無効とする決議を採択した。国際社会はイスラエルに撤退を要求してきたが、イスラエルはこれを無視している。

 今回、米国のトランプ政権が従来の米国の姿勢を転換し併合を容認したことは、単に「米国がイスラエルの肩を持つ」というような次元では済まない。

 「力による領土の現状変更は認められない」というのが戦後の国際社会の大原則である。国連憲章は相手国の領土や独立に対する「武力による威嚇や武力の行使」を禁じている。

 イスラエルの「力による現状変更」を認めれば、理論上はロシアのクリミア併合も非難できないことになる。国際社会における法の秩序が失われ、世界は「強い国が好き勝手できる」という状態に陥る。旧ソ連による北方領土の占拠を「不法」として返還を求めている日本にとっても、返還要求の足場を失うことになりかねない。

 米国によるイスラエルのゴラン高原主権容認は、それほど国際社会への悪影響が大きい。

 さらに、中東情勢を悪化させる危険もはらむ。アラブ諸国は一様にトランプ政権の決定を非難している。米国はこれまでイスラエルとパレスチナの仲介役として中東和平の推進を目指してきたが、ここまで露骨にイスラエルに肩入れすれば、仲介役としての信頼を失う。

 トランプ政権にとって今回の決定は、総選挙で苦戦が予想されるイスラエルのネタニヤフ首相を側面支援するとともに、自らの再選を見据え、親イスラエル感情の強い米国内のキリスト教福音派からの支持を集める狙いがあるとみられる。

 しかし、選挙でのアピールのために国際秩序の根底を崩すような外交政策を取るのは、不見識と言うほかはない。

 日本政府は今のところ「併合は認めないという立場に変更はない」との姿勢だ。何かと米国追従が多い日本政府だが、この件では追従してはならない。近く予定される日米首脳会談で、安倍晋三首相がトランプ大統領に翻意を促すべきである。

 =2019/04/01付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2019年04月01日  10:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【春秋】:4月1日…

2019-04-02 06:00:35 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【春秋】:4月1日…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【春秋】:4月1日… 

 4月1日。きょうから新年度。新社会人の皆さん、ようこそ私たちの仲間に。人手不足が言われる売り手市場とあって、就職するまでは甘い言葉をたくさん掛けられたことでしょう

 ▼でもね。働いてお金を得ることは本来、生やさしいことではありません。夏目漱石は言ったそうです。「浮世はウンウン働くものに候」。そう。実社会はウンウンうなることの連続です。ウキウキでは決してありません

 ▼1人暮らしを始めた方もいるでしょう。不安や心細さにはもう慣れたでしょうか。それを差し引いても自由な生活の楽しくて、気ままなこと。自分で責任の取れる範囲でどうぞ羽を広げてください

 ▼でもね。娘が好きだったアイドルをテレビで見ただけで、あなたのことを思い涙腺が崩壊するお父さんもいます。息子の好物だった野菜を刻むたび、あなたの姿が思い出されてホロリとなってしまうお母さんもいるのですよ

 ▼この社会。楽しい日ばかりではありません。つらいことも必ずあります。そんな時はしっかりと落ち込んで、そこから乗り越えていく力を付けてください。良い意味での忘れる力、も忘れずに備えましょう

 ▼最後に、音楽家でエッセイストの森ミドリさんの一文を。母親から届いた便りの中にあったそうです。「元気にかまけて身体を損なうことを心配します。健康こそ財産」。この春、子どもたちを送り出した親御さんみんなの願いです。

 =2019/04/01付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【春秋】  2019年04月01日  10:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【時代ななめ読み】:今年はどんなウソをつく?

2019-04-02 06:00:30 | 【新聞社・報道・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌・世論調査】

【時代ななめ読み】:今年はどんなウソをつく?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【時代ななめ読み】:今年はどんなウソをつく? 

 2001年4月1日、東京新聞の特報面を開いた読者はあっと驚いた。

 「双子の長寿姉妹『きんさんぎんさん』は、実は三つ子だった」

 「末の妹『どう』さんはブラジルに移住していた」

 紙面には「どうさんの生涯」をたどる長い記事に、開襟シャツ姿の老婦人の写真も添えられていた。

 よく見ると記事の下に「お断り 今日は4月1日、エープリルフール」と記載しており、エープリルフールにちなんだ冗談記事と察しがつく。しかし、当日から東京新聞には読者からの電話、手紙が殺到した。ほとんどがだまされたことへの抗議、お叱りだったという。この紙面の完成度が高かった証しだろう。

 これほどの風当たりであれば1回でやめそうなものだが、この年以来、東京新聞のエープリルフール紙面は定着した。毎年4月1日の特報面(見開き)を冗談記事で埋め尽くす。抗議を招く一方で、楽しみにしている読者も多いらしい。

   ◇    ◇

 東京新聞は、本紙の友好紙・中日新聞の東京本社が関東地方で発行している新聞だ。同紙の特報部が担当する特報面は普段、政治、経済、社会現象をタイムリーに取り上げている。切り口はバリバリの硬派だ。

 その特報面でなぜ冗談記事を載せ続けるのか。友好紙の気安さもあり、ふらふらと東京新聞に行き田原牧・特報部長に話を聞く。

 -新聞で冗談をやれば「不謹慎」と言われるでしょうに、なぜ毎年これを?

 「お上(権力者)の単純化が極まり、それに反抗する方も単純化している。論議が(0か1かの)デジタル化し、小学校低学年レベルの論争になっている。しかし、ユーモアとかペーソスとかは『複雑系』でないと作れない。『不謹慎だ』と思いつつ、にやにやするのが人の世というもの。そうした(精神の)健康を保つため、あえて『不謹慎』をやる意味がある」

 -ネタの選択とか、結構難しそうですね。

 「世の中が『毎日がエープリルフール』になっている。統計不正とか、あり得ないことが起きる。例えば『徴兵制が明日から施行されることになりました』という冗談記事を書いても、シャレにならない。シャレにならない世の中で、シャレを作るのは大変ですよ」

   ◇    ◇

 東京新聞のこれまでのエープリルフール記事は-「東京湾で大油田発見」(03年)「低速増殖炉『みろく』ウラ原子力村の野望」(12年)「ゆるキャラお断りの街」(16年)-など。載せなかったのは東日本大震災直後となった11年の1度だけ。開始時よりも「フィクションです」というお断りの数を増やしている。

 明日は4月1日だ。東京新聞が今年は何をネタにしてくるか。楽しみである。

 私は常々、日本の新聞に一番不足しているのはユーモアだと考えている。「不謹慎」に異常なまでに不寛容になっている現在の風潮の中で、確信犯的に冗談をやり続ける特報部の姿勢はなかなか頼もしい。

 田原さんに聞いた。

 -もし戦争が始まっても、エープリルフールの記事やりますか。

 「やりたいですね。実際にやれるかどうかは分からないけど、そういう時こそやらないと」

 そうこなくちゃあ。 (特別論説委員)

 =2019/03/31付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【時代ななめ読み】 2019年03月31日  10:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:十八親和銀行 地域活性化のモデル示せ

2019-04-02 06:00:25 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説】:十八親和銀行 地域活性化のモデル示せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:十八親和銀行 地域活性化のモデル示せ 

 地方銀行経営の道しるべとなるか。日銀のマイナス金利政策が続き銀行の経営環境が厳しさを増す中、関心を集めた経営統合がついに日の目を見る。

 長崎県の地銀、親和銀行(佐世保市)を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)が4月1日に経営統合し、1年半後の2020年10月に両行が合併して十八親和銀行が誕生する。地元長崎でのシェアは圧倒的で、存在感はグループの福岡銀行、熊本銀行のそれを上回る。規模拡大や経営効率化で得る力を企業の支援や産業育成につなげ、地銀本来の役割である地域経済の活性化に資するモデルを示してほしい。

 ここまでの道のりは長かった。FFGと十八銀行が経営統合で基本合意したのは16年2月。17年4月の統合を目指したが、2度の延期を強いられた。公正取引委員会の審査が異例の長期に及んだためだ。

 十八銀行と親和銀行は激しく競争してきたライバルだ。それが一つになれば、競争がなくなり、顧客の中小企業の不利益につながると懸念された。1千億円弱の貸出債権を他の金融機関に譲渡するなどの対策を講じることで、公取委の理解を得た。

 長崎県は多くの離島を抱え、人口減少が急ピッチで進む。このまま競争を続ければ銀行を維持できなくなるとの危機感が今回の統合の背景にある。

 人口の減少は長崎に限らない。金融庁は、長崎、佐賀、大分、宮崎など全国23県では、1行が市場を独占しても本業の収益では営業経費を賄えないとの試算結果を公表している。

 全国の地銀106行の18年3月期決算を金融庁が分析したところ、過半数の54行が本業で赤字だった。低金利の長期化と資金需要の減少で預金と貸し出しの金利差である「利ざや」が縮小し、店舗や現金自動預払機(ATM)などの維持が重荷になっている。政府が旗を振るキャッシュレス化で、QRコードを使った新たな決済手段が浸透してきた。地銀の持続可能なビジネスモデルは何か、模索が続く中、異業種の参入で銀行の存立基盤は揺らいでいる。

 当面の基盤強化策として、経営統合が一つの選択肢で、同じ県内の競合行もその相手候補になるのは確かだろう。九州だけでなく大半の都道府県で、複数の地銀が本店を構えている。合併や再編を考えない経営者はいないのではないか。

 FFGと十八銀行は、統合で「地域経済活性化と企業価値向上の同時実現」を目指すとしてきた。それを長崎で、九州で、具体的な結果として示すことが両者に課せられた使命である。

 =2019/03/31付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2019年03月31日  10:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【春秋】:数学者で作家の藤原正彦さんは英国の大学で研究生活をしていたころ初対面の人に聞かれた…

2019-04-02 06:00:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【春秋】:数学者で作家の藤原正彦さんは英国の大学で研究生活をしていたころ初対面の人に聞かれた…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【春秋】:数学者で作家の藤原正彦さんは英国の大学で研究生活をしていたころ初対面の人に聞かれた… 

 数学者で作家の藤原正彦さんは英国の大学で研究生活をしていたころ初対面の人に聞かれた。「夏目漱石の『こころ』の中の先生の自殺と、三島由紀夫の自殺とは何か関係があるのか」

 ▼そういう例はまれだろうが、日本人としての教養を身につけていないとまずい場面が、海外ではビジネス面でも珍しくない。英語がペラペラでも内容が薄い人は国際人とはいえない、と藤原さん

 ▼平成のベストセラー本の一つになった「国家の品格」(新潮新書、2005年)の中でいろいろ書いている。全国の小学校の9割以上で英語を教えるようになったことにも触れている

 ▼話は飛ぶが、日本の国の外形は昭和から平成にかけてマネー至上主義で崩れ、他者への思いやりが薄れるなど古来の心の形もおかしくなった

 ▼国の姿形でいえば、劇作家の野田秀樹さんが本紙夕刊コラム「ゴーマンイング・マイウェイ!」で国会言葉風景を斬っていた。失言を重ねて人を傷つけたりする閣僚たち。「知性が欠如」した言葉の数々。「どういう言葉学ぶと、ああいう言葉湧いて出るのか」と

 ▼自国語の風景をつくり直したほうがいいのかもしれない。藤原さんは「英語はたどたどしくていい。内容が全て。それにはまず国語」と言う。そして歴史文化も身につけさせるのが「遠回りでも国際人育成最も良い方法」とも。次の時代にも持っていきたい考え方の一つだ。

 =2019/03/31付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【春秋】  2019年03月31日  10:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【あなたの特命取材班】:「令和」どう? 「大和言葉しっくり」「戦前に戻らぬよう」

2019-04-02 06:00:16 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【あなたの特命取材班】:「令和」どう? 「大和言葉しっくり」「戦前に戻らぬよう」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【あなたの特命取材班】:「令和」どう? 「大和言葉しっくり」「戦前に戻らぬよう」 

 「令和」をどう受け止める-。あなたの特命取材班が、無料通信アプリLINE(ライン)でつながるフォロワー(通信員)約7500人に聞くと、全国の100人以上から声が寄せられた。

 皇位継承前の元号発表は憲政史上初めて。佐賀市の自営業男性(39)は発表を「まさに時代が変わったと思える一瞬だった」と振り返った。各地で新聞の号外に人が群がり、インターネットでは賛否の書き込みが相次いだ。長崎県大村市の主婦(49)は「自由に言論できる時代だからこそ、賛否の声が上がるのだと思う」と今の世相を捉えた。

 令和の出典は万葉集で、国書からの採用は確認できる限り初めて。家族と福岡県太宰府市を訪れた同県うきは市の女性(62)は「大和言葉は元号にしっくりくる」。同県糸島市のパート女性(53)は「新しい日本にふさわしい」と喜んだ。

 一方、「令」の文字に「命ずる」イメージを抱く人も。同県久留米市の男性会社員(40)は「号令や命令を連想させ怖い」。大阪市の40代会社経営の男性は「上から目線で、従わせる印象が強い」と語った。

 「和」に「昭和」を連想する人もいた。「昭和生まれとしてうれしい」(福岡県太宰府市の54歳パート女性)と好意的な受け止めの一方で、「昭和から戦争をイメージしてしまう。戦前に戻らないことを祈る」(福岡市の男性公務員)と冷ややかに見る人もいた。

 令和はローマ字の1文字表記は「R」となる。北九州市の女性会社員(43)は「令和18年は『R18』。成人向け映画などをイメージしてしまうのでは」と懸念した。

 =2019/04/02付 西日本新聞朝刊=

 ◆あなたの特命取材班 

 西日本新聞は、暮らしの疑問から地域の困り事、行政や企業の不正告発まで、情報提供や要望に応え、調査報道で課題解決を目指す「あなたの特命取材班」を創設しました。「知りたいこと」を取材し、正確に深く報じる「ジャーナリズム・オンデマンド」に挑みます。

 知りたいことや困っていることについて、ご要望や情報をお寄せください。ツイッターやフェイスブックの文中に「#あなたの特命取材班 」を入れて発信してください。LINEの友だち登録で取材班と直接やりとりもできます。

 元稿:西日本新聞社 主要ニュース 社会 【話題・あなたの特命取材班・新元号】 2019年04月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【皇室】:典拠序文は大宰府ゆかり 新元号「令和」

2019-04-02 06:00:12 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【皇室】:典拠序文は大宰府ゆかり 新元号「令和」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【皇室】:典拠序文は大宰府ゆかり 新元号「令和」 

 新元号「令和」の出典となった万葉集の一節は、730(天平2)年に大宰府の大伴旅人の邸宅で催された「梅花(ばいか)の宴(えん)」で詠まれた32首の序文。宴では、対馬や鹿児島など九州各地から集められた官僚たち計32人が、「梅」をテーマに1人1首歌を詠んだ。

 歌は万葉仮名で序文は漢文。作者は旅人や山上憶良などと推測されている。宴の開かれた前年、時の左大臣が自死に追い込まれる「長屋王の変」が発生。「政変が起きたため、九州の引き締めを図り各地の官僚を集めたのだろう」と福岡女学院大の東茂美教授(日中比較文学)は解説する。緊張した政策議論が行われ、その後に催されたのが梅花の宴だった。

 令和は、序文にある「令月」と「風和」から取られた。東教授は「『令』は『好(よ)い』という意味。平成は大災害で多くの命が奪われた。不幸な時代を超え『好い和』という穏やかな時代になってほしいという願いが込められているのではないか」と話す。

 =2019/04/02付 西日本新聞朝刊=

元稿:西日本新聞社 主要ニュース 文化 【話題・新元号】 2019年04月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【皇室】:中国の漢詩「仲春令月、時和気清」 新元号出典序文に影響「確実」 専門家

2019-04-02 06:00:09 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【皇室】:中国の漢詩「仲春令月、時和気清」 新元号出典序文に影響「確実」 専門家

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【皇室】:中国の漢詩「仲春令月、時和気清」 新元号出典序文に影響「確実」 専門家 

 新元号「令和」は、完全に中国の影響から脱して作られた元号というわけではない。出典の「初春令月、気淑風和」とよく似た文が、中国の蕭統(しょうとう)(501~531)が編集した詩文集「文選」にある。張衡(ちょうこう)(78~139)作の「帰田賦」に出てくる「仲春令月、時和気清(仲春の令月、時和し気清(す)む)」だ。九州大の静永健教授(中国文学)は「序文の基といって間違いない」と語る。

 静永教授によると、過去の優れた文章をまねることは、古代の中国や日本では当たり前だった。「帰田賦」もそれ以前に書かれていた文を参考にしているという。「文選」自体は日本でも7世紀終わりには伝わっていたと考えられ、内容をそらんじることは当時の知識人の常識だった。静永教授は「梅花の宴に出た大伴旅人も山上憶良も知っていたはず」と推察した上で、「『風』というオリジナルの部分もあり、原典を万葉集とするならそれでいい」と話す。

 中国の文人間では野外で宴会をし、詩を詠むことも好まれた。書の傑作として知られる王羲之(おうぎし)(303~361)の「蘭亭序」も郊外での宴で詠んだ詩を集めた詩集の序文。氣賀澤保規・明治大元教授(中国古代史)は「中国の文人の好みは遣唐使が持ち帰ったり朝鮮半島経由で伝わったりした」と語る。梅の花見をして詩を詠む中国の文人の遊びを日本の知識人がまねて催したと考えられる。

 =2019/04/02付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 主要ニュース 文化 【話題・新元号】 2019年04月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【皇室】:「中国古典に同じ文字」「関係切り離せない」 「微博」に書き込み相次ぐ 

2019-04-02 06:00:06 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【皇室】:「中国古典に同じ文字」「関係切り離せない」 「微博」に書き込み相次ぐ 新元号「令和」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【皇室】:「中国古典に同じ文字」「関係切り離せない」 「微博」に書き込み相次ぐ 新元号「令和」 

 【北京・川原田健雄】中国でも1日、日本の新元号の発表直後に現地メディアが速報し、関心の高さを示した。短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では「中国の古典からも『令和』は取れる」といった書き込みが相次いだ。

 中国外務省の耿爽副報道局長は1日の定例記者会見で「引き続き中日関係を安定的に発展させるよう後押しする」と強調。新元号が中国の古典を典拠としなかった点については「日本の内政であり、論評は控えたい」と述べるにとどめた。

 共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は「中国の痕跡は消せない」との記事を掲載。万葉集自体が中国古典の影響を受けていると指摘した。

 「令和」の典拠となった万葉集の一節は後漢時代の詩文「帰田賦」によく似た表現がある。このため微博では「もっと早い時期に中国では同じ言葉があった」「英文字の元号に変えない限り、中国との関係は切り離せない」といった投稿が相次いだ。

 また昭和の中国語の発音が「招核」(核兵器を招く)と同じで、令和の発音が「臨核」(核兵器に臨む)とよく似ていることから「招核の後にまた臨核、縁起のいいものではない」という書き込みも見られた。

 =2019/04/02付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 主要ニュース アジア・世界 【アジア・中国・話題・新元号】 2019年04月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【皇室】:新元号は大宰府が由来、驚き 関係者「とてもうれしい」

2019-04-02 06:00:03 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【皇室】:新元号は大宰府が由来、驚き 関係者「とてもうれしい」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【皇室】:新元号は大宰府が由来、驚き 関係者「とてもうれしい」 

 西都大宰府(現在の福岡県太宰府市)で詠まれたとされる万葉集の歌の序文から新元号が決まった1日、地元の関係者からは驚きと喜びの声が相次いだ。

 「令和と聞いてすぐに万葉集からと分かりました。思わず拍手ですよ」。梅花の宴の再現活動に取り組む「大宰府万葉会」の松尾セイ子代表(80)は表情を崩した。会は毎年2月、古代衣装で万葉集の歌を朗詠する宴を太宰府天満宮の近くで開くほか、万葉講座や歌碑巡りを開催している。新元号が日本古典から採用される可能性があると聞いて「万葉集から選んで」と願っていたという。「新しい天皇陛下にもぜひ太宰府を訪れていただきたいです」と期待を口にした。

新元号ゆかりの地となった大宰府の政庁跡=3月15日(本社ヘリから)

 新元号ゆかりの地となった大宰府の政庁跡=3月15日(本社ヘリから)

 「序文が作られた当時、梅は海外から伝わった珍しくて高貴な花だった」と語るのは「太宰府発見塾」の森弘子塾長(72)。森さんによると中国では学問や文化のシンボルともされており、梅の花を和歌の題材にするのは「中国と日本の文化の融合だった」。序文は言葉や文体、リズムの美しさも特徴的でほれ込んだという。「日本の文化と海外の文化が融合して序文のように美しい世の中になってほしい…そんな願いが込められているのでは」と新しい時代の繁栄に思いを寄せた。

 この日、第40代宮司に就任した太宰府天満宮の西高辻信宏宮司(38)は「驚きとともに、とてもうれしい」と言葉を弾ませた。梅は天満宮の祭神・菅原道真公が愛した花。本殿前には、菅公を慕って一夜で京から飛んできたと伝えられる「飛梅」もある。8年後の「1125年式年大祭」に向け、本殿も約70年ぶりに屋根の全面ふき替えなど大改修を予定。「いいスタートが切れました」と喜びもひとしおの様子だった。

 =2019/04/02付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 主要ニュース 社会 【話題・新元号】 2019年04月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【統一地方選・県議選候補者アンケート】:(上)オスプレイ配備賛成7割 自民、統一見解で回答

2019-04-02 06:00:00 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー・米兵犯罪】

【統一地方選・県議選候補者アンケート】:(上)オスプレイ配備賛成7割 自民、統一見解で回答

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【統一地方選・県議選候補者アンケート】:(上)オスプレイ配備賛成7割 自民、統一見解で回答 

 7日に投開票される県議選(定数38)の立候補者45人(無投票当選者11人を含む)を対象に、西日本新聞社は県政課題などについてアンケートした。陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画を山口祥義知事が昨年8月に受け入れる表明をしたことについて、約7割の32人が賛成し、約2割の8人が反対した。

オスプレイ配備賛成7割 自民、統一見解で回答 県議選候補者アンケート(上)
 
 自民現職25人と無所属現職1人はオスプレイ関連の質問3項目で「賛成」「反対」などの選択肢から回答を選ばず、「自民党県議団の統一見解」を示した。

 受け入れ賛成の内訳は、自民現職・新人27人▽公明現職2人▽無所属現職・新人3人。反対は、国民民主現職・新人2人▽共産現職2人▽社民現職1人▽無所属元職・新人3人。

 国民民主現職と無所属現職・新人の4人は「どちらでもない」とし、無所属元職1人は回答を控えた。

 賛成の理由を自由記述で尋ねたところ「国防のため」「自衛隊基地負担の軽減は必要」などと回答。反対の理由は「佐賀空港は自衛隊と共用しないという約束がある」「地元漁業者の反対姿勢は明確」などが挙げられた。

 オスプレイの機体が安全と思うかを聞いたところ、自民党県議団の統一見解は「安全性に関する防衛省の説明は不合理な点はないと県が確認している」と説明。公明や無所属の4人が「安全」と答え、国民民主、共産、社民、無所属の7人が「安全と思わない」と答えた。

   ◇   ◇

 自民党県議団の統一見解(※自民現職25人と佐賀市区の無所属現職1人)

 国防の重要性を鑑み、漁業者や県民の理解のもとに受け入れる立場。機体の安全性に関する防衛省の説明は、不合理な点はないと県が確認している。引き続き、漁業者や県民が納得するための補償や振興策とあわせて、地元住民や漁業者、県民が懸念する点について鋭意確認していく

 =2019/04/02付 西日本新聞朝刊=

 元稿:西日本新聞社 主要ニュース 政治 【選挙・統一地方選】 2019年04月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:新元号に「令和」 国民本位で情報開示を

2019-04-02 05:05:55 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【社説①】:新元号に「令和」 国民本位で情報開示を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:新元号に「令和」 国民本位で情報開示を 

 新しい元号が「令和(れいわ)」に決まった。皇太子さまが即位する5月1日に改元する。

 出典は日本最古の歌集「万葉集」で、中国の古典でなく国書から採用したのは初めてという。

 元号制を巡っては、いまもさまざまな意見がある。

 改元を一つの区切りととらえ、新しい時代に期待を込める人も少なくなかろう。

 それを踏まえれば、新元号の決定に、国民が関わる余地がなく、一貫して政府主導で進められたことには疑問が残る。選考過程にも、不透明な部分が目立った。

 元号法は、皇位継承があった場合に改元するとのみ規定し、手続きの詳細は内閣に委ねている。

 それだけに、政府による丁寧な情報開示が不可欠だ。

 政府は新元号の考案者などを明らかにせず、有識者懇談会や衆参両院正副議長からの意見聴取の具体的な内容も公表していない。

 元号を「密室」で決め、情報を管理する態度は、権力者による「時の支配」という元号の古いイメージを想起させかねない。

 政府は、元号を平成に改めた際の過程を記録した公文書の公開も先送りにしている。

 改元の前に公開すれば、何らかの支障が生じかねないと判断したようだが、公文書は国民の公共財である。速やかに公開し、検証材料とするのが筋だ。

 政府は、今回の改元についてパブリックコメント(意見公募)の対象外とした。

 天皇の死去による代替わりではなく、改元までに国民の意見を聞き、議論を深める時間的な余裕があったはずだ。「国民不在」と批判されても仕方あるまい。

 新元号は当初、国民生活への配慮から2018年半ばにも公表、19年1月1日や4月1日の改元といった日程案も取りざたされたが、立ち消えになった。

 早期の公表を望まない保守派への目配りがあったともされる。国民生活への影響よりも、そんなことに重きを置いたのだろうか。

 共同通信社の最近の世論調査によると、生活や仕事で元号と西暦の両方を使いたいと答えた人は約40%で、西暦使用は35%、元号は24%だった。

 社会のいたるところで西暦の使用が広がっている半面、公文書などではいまも元号だけが使われている事例が少なくない。

 国民の利便性や国際化の流れに照らせば、西暦と元号の併用を進めるべきだろう。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年04月02日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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