路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【自衛隊】:明記マンガを20万部も作成「改憲」争点化ダダすべり

2019-07-03 07:15:30 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【自衛隊】:明記マンガを20万部も作成「改憲」争点化ダダすべり

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自衛隊】:明記マンガを20万部も作成「改憲」争点化ダダすべり

 「憲法のあるべき姿について議論をするのか、しないのかを問うのが、この参院選だ」――。国会閉会以降、安倍首相が参院選の争点に「改憲」を掲げることに躍起だ。

 とはいえ、大半は野党攻撃。参院で国会規則に基づく野党の予算委員会開催要求を2カ月以上も拒んだことを棚に上げ、「この1年、国会の憲法審査会は参議院ではたった3分しか開かれていない」「一部の野党は、議論にすら応じていない」とあげつらう。老後2000万円不足で火がついた“鬼門”の年金問題を隠したくて、たまらないのだろう。

 安倍首相の持論を基に自民党がまとめた、自衛隊を憲法に明記する9条改正など「改憲4項目」を説明するマンガも作成。破格の20万部も発行し、有権者に配るという。

ファンシーに改憲論議訴え(自民党の政策パンフレット「マンガでよく分かる~憲法のおはなし~自衛隊明記ってなぁに?」)

  ファンシーに改憲論議訴え(自民党の政策パンフレット「マンガでよく分かる~憲法のおはなし~自衛隊明記ってなぁに?」)

  ファンシーな画風で安倍自民の理想である「3世代家族」に、「GHQは(今の憲法を)たった『8日間』で作ったんだ」「私たちの家のルールをご近所さんが考えるようなものよね?」と“押しつけ憲法論”や、「(自衛隊が)憲法違反であるというレッテルを貼られ続けることはおかしくない?」「堂々と憲法で認めることはできないのかねぇ」と“自衛隊違憲論”などを語らせる。
 
 そして自衛隊を憲法に明記しても「私たちの生活は特に変わらないよ」と言わせるが、9条2項の交戦権否認規定の空文化との批判には答えようとしないのだ。

 「いくら安倍首相があおっても改憲機運は盛り上がりません。多くの国民が自衛隊の災害活動などに好感を持ち、その存在を違憲とは考えぬ中、拙速な憲法明記の必要性はないからです。世論調査でも参院選で重視する政策は『年金など社会保障』が断トツで、憲法改正はほぼ1桁台。老後不安の解消こそ有権者の願いです。それでも首相が自衛隊明記にこだわるのは9条2項を否定し、米国と軍事行動を共にしたいからとしか思えません。それこそトランプ大統領が過去6カ月伝えたという安保条約の“片務性”への不満を解消させたいだけではないですか」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

 改憲の争点化もダダすべり。これだけ首相が国民の意識と乖離している弊害は大きすぎる。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【栃木】立憲候補は縁もゆかりも知名度も時間もなし

2019-07-03 07:14:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【栃木】立憲候補は縁もゆかりも知名度も時間もなし

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【栃木】立憲候補は縁もゆかりも知名度も時間もなし

 ◆【栃木】(改選数1)

 ○○高橋 克法61自現

  加藤 千穂43立新

 再選を目指す自民現職の高橋は県議、高根沢町長を経て国政に進出した地元のたたき上げ。一方、野党統一候補として初出馬の加藤は函館市出身。北海道選出の荒井聰衆院議員(73)の秘書を15年務め、立憲民主党栃木県連が候補者を公募した際、荒井の知人の労働組合関係者を通じて出馬の打診があった。 

出遅れた加藤千穂氏(本人公式HP)

         出遅れた加藤千穂氏(本人公式HP)

 「高橋は福田県知事と組み、農業委員会を使うなど、これまでにない戦い方をしている。加藤も支持基盤が労働組合だけで、立憲民主と国民民主がギクシャクする中、頼れるのは市民運動団体や無党派層しかなく、取り込みに必死です」(地元関係者)

 直近3回は自民党公認候補が勝利し、栃木は自民が「安定区」として位置付けている選挙区。加藤は栃木と縁もゆかりもなく、知名度で劣る上、5月下旬に統一候補に決定したばかり。出遅れ感は否めない。

 ○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。上段は政治評論家・野上忠興氏、下段は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【滋賀】知名度勝る嘉田逃げ切るか ライブ開催二之湯防戦

2019-07-03 07:14:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【滋賀】知名度勝る嘉田逃げ切るか ライブ開催二之湯防戦

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【滋賀】知名度勝る嘉田逃げ切るか ライブ開催二之湯防戦

 ◆【滋賀】(改選数1)

 ▲▲二之湯武史42自現

 △△嘉田由紀子69無新

 
1人区で11勝以上を目指す野党にとって、絶対に落とせない選挙区だ。一方の自民は激戦区に指定している。
 

 2期目を目指す二之湯は、3年前の参院選で3期目に入った二之湯智(京都選挙区)の長男。京都府議4期目の二之湯真士が弟という政治家一家の出だ。京都に空きも勝てる選挙区もなく、隣県で政界入りした。6年前は民主党現職にダブルスコアで勝ったが、今回は大接戦必至だ。野党統一候補の嘉田は手ごわい。2014年までの2期8年にわたり、知事を務めた実績で知名度は抜群。一昨年の衆院選は統一候補として滋賀1区に立ち安倍チルドレンに約5000票差まで迫った。

2017年衆院選も出足は好調だった嘉田由紀子氏(左)、派手なスーツで国会質問の二之湯武史氏/(C)日刊ゲンダイ

  2017年衆院選も出足は好調だった嘉田由紀子氏(左)、派手なスーツで国会質問の二之湯武史氏/(C)日刊ゲンダイ

 「知名度では嘉田前知事が圧倒的。公明の推薦を受ける二之湯議員は比例区に出る公明候補と県内を回り、票固めを急いでいます。自民党の組織票に加え、力を入れるスポーツやツーリズム関係の人脈に働きかけるほか、マスコミとの懇親も積極的。投票箱が閉じられる瞬間までどう転ぶか分かりません」(地元マスコミ関係者)

 派手なスーツで国会に現れる二之湯は、やることも派手。5月中旬に守山市内でライブを初開催。タンクトップにぴたぴたジーンズのいでたちでビートルズやクイーンを熱唱したという。フェイスブックにアップされた写真を見ると、吉田栄作さながらのイケイケぶりだ。

 嘉田は朝夕の街頭演説、決起集会回りで支援を訴える。嘉田陣営の懸念材料は組織の緩みだ。

 「2年前の衆院選は優勢とみられたことでライバル陣営が引き締まり、逆転を許す苦い経験をした。同じ轍は絶対に踏めない」(選対関係者)

 決死の戦いが続く。

 ○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。上段は政治評論家・野上忠興氏、下段は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【兵庫】「常勝関西」公明の牙城を崩す立憲の美人アナ

2019-07-03 07:14:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【兵庫】「常勝関西」公明の牙城を崩す立憲の美人アナ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【兵庫】「常勝関西」公明の牙城を崩す立憲の美人アナ

 【兵庫】(改選数3)

 ○○ 加田 裕之49自新

 △△高橋 光男42公新

 ▲▲安田 真理41立新
   金田 峰生53共新
 ○○ 清水 貴之45維現

 兵庫を最重点区と位置付ける公明の高橋が大苦戦。現状では3番目のイスを立憲民主の安田と奪い合う展開だ。

 「外交官歴17年の肩書を売りに『インバウンドで兵庫を盛り上げよう』と訴えてきたが、有権者の反応はいまひとつ。石川生まれの落下傘で独身のライバル、安田さんと差別化を図るため、今後は地元生まれ、世界を見てきた子育て世代を前面に打ち出します」(高橋陣営幹部)

クラッと票を入れたくなる安田真理氏(左)、学会は苦戦の高橋光男氏支援にフル稼働/(C)日刊ゲンダイ

  クラッと票を入れたくなる安田真理氏(左)、学会は苦戦の高橋光男氏支援にフル稼働/(C)日刊ゲンダイ

 4日の公示日には山口代表が神戸で第一声を上げ、支持母体の創価学会も全国から支援者を動員する力の入れよう。支援者は皆、「非常に厳しい戦い」と連呼し、尻に火が付き、「関西圏の自民の後援会名簿まで出して欲しいと願い出た」(自民関係者)と言うほど。自民の二階幹事長も大阪市で自公共催の高橋応援会を開き、自民支持者にも支援を呼び掛け、公明に恩を売って全国的な協力を引き出すハラだ。

 その自民は鴻池祥肇元防災相が4期連続で当選を重ねたが、引退の意向を固めた昨年、死去。

 「鴻池さん本人は秘書の長男に地盤を譲る気だったけど、長男がパッとせんでね。県連はわざわざ公認候補選定の選挙を開き、県議を15年務めた加田さんを大差で選んだのです。敗れた長男は衆院の比例ブロックで救済されると聞いています」(地元政界関係者)

 加田は関連団体を回り、知名度の低さを組織で補う作戦。維新の清水は朝日放送の看板番組のキャスターを務めた知名度に加え、4月の大阪ダブル選で勝利した勢いに乗る。

 フリーアナだった安田は関西のテレビ番組に出演した経験はなく、地元では無名の存在だ。出馬表明は3月。枝野代表らのトップダウンで決まった。5月の連休後は連日朝、駅頭に立ち、名前の浸透を図ってきた。選挙区では“紅一点”として女性活躍を訴える。

 「人柄も嫌みな感じは全くないし、県連としても応援したくなる候補です。枝野代表も既に2度、地元入り。組織力はまだまだですが、有権者も手を握られたら、クラッと票を入れたくなっちゃうピカイチの女性です」(地元政界関係者)

 維新に流れる浮動票をつかまえれば、「常勝関西」をうたう公明の牙城を崩す可能性は十分ある。

 ○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。上段は政治評論家・野上忠興氏、下段は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【佐賀】現職と野党統一候補で シーソーゲームの激戦区に

2019-07-03 07:14:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【2019参院選 全選挙区「当落予想」】:  【佐賀】現職と野党統一候補で シーソーゲームの激戦区に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019参院選 全選挙区「当落予想」】:  【佐賀】現職と野党統一候補で シーソーゲームの激戦区に

 ◆【佐賀】(改選数1)

  △△山下 雄平39自現

  ▲▲犬塚 直史64国元

 2期目を狙う山下と、元参院議員(長崎選挙区)の野党統一候補・犬塚の一騎打ちだ。 

 元日経新聞記者の山下は、2013年参院選で“トリプルスコア”で初当選。「自民王国」だった佐賀だが、17年衆院選で2選挙区ともに野党が勝利し、状況が一変した。今回、自民は「激戦区」に指定している。

毎日演説を行う犬塚直史氏(本人のフェイスブックから)

      毎日演説を行う犬塚直史氏(本人のフェイスブックから)

 「佐賀には衆院選で勝った1区の原口(一博)さん、2区の大串(博志)さんのファンが多い。また、モリカケ問題、佐賀空港へのオスプレイ配備計画などで、自民への不信感を募らせている有権者も大勢います」(選対関係者)

 20万票の組織票を持つといわれるJAの政治団体「県農政協」が昨年末、自民推薦を決めるなど、自民は組織を固めてきた。

 「ところがここへ来て、老後2000万円問題が加わった。保守層の中高年も考えが変わったのではないでしょうか」(前出の選対関係者)

 ”シーソーゲーム”で、まさに激戦の様相を呈している。

 ○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。上段は政治評論家・野上忠興氏、下段は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【岩手】元復興相vs元パラ代表 知名度の差より小沢の神通力

2019-07-03 07:14:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【岩手】元復興相vs元パラ代表 知名度の差より小沢の神通力

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【岩手】元復興相vs元パラ代表 知名度の差より小沢の神通力

 ◆【岩手】(改選数1)

  ▲△平野 達男65自現

  △▲横沢 高徳47無新

 小沢王国で新旧対決――。自民現職の平野は、民主党政権時代の初代復興大臣。もともと小沢一郎衆院議員に近かったが袂を分かち、6年前は無所属で当選した。その後、2016年に自民党入りし、今回は初めて「自民」の看板で戦う。
 

知名度アップに奔走する横沢高徳氏(右)、「敵前逃亡」の過去…(平野達男氏)/(C)日刊ゲンダイ

  知名度アップに奔走する横沢高徳氏(右)、「敵前逃亡」の過去…(平野達男氏)/(C)日刊ゲンダイ

 小沢支持者にとっては“裏切り者”だが、参院を3期務めた平野の地元での知名度は圧倒的。自民県連は、1992年以降、27年遠のいている選挙区勝利に期待をかけている。もっとも、組織が一枚岩かというと、そうではなく、わだかまりが残っているという。

 「4年前の県知事選で平野さんが“敵前逃亡”したことを、みんな覚えている。当時はまだ無所属だったものの、自民の支援を得て立候補表明までしながら、小沢系の達増(拓也)知事に勝てないと判断すると一転、出馬を撤回。既に2連ポスターを作っていた県議などが被害を受けた。まだ平野さんに抵抗感のある人もいるでしょう」(地元関係者)

 野党統一候補の横沢は、モトクロスのライダーだった25歳の時の事故で脊椎を損傷。事故後、チェアスキーを始め、2010年のバンクーバーパラリンピックに日本代表として出場した。引退後、達増知事の後援会に入って活動する中で、政治に関心を持つようになったという。

 知名度不足を補うのは、9月に予定される知事選への4選出馬を表明済みの達増との連携。達増は「県民党」を掲げながらも、参院選と同じ枠組みである野党4党への推薦依頼に踏み込み、横沢の事務所開きでマイクも握った。

 17年衆院選の比例では野党票が自民票を10万票以上、上回っている。知名度の差はあれ、小沢の神通力が勝りそうだ。

 ○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。上段は政治評論家・野上忠興氏、下段は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【2019参院選 全選挙区「当落予想」】:【神奈川】自民と公明は楽勝ムード 残り2議席を3人が争う

2019-07-03 07:14:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【神奈川】自民と公明は楽勝ムード 残り2議席を3人が争う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019参院選 全選挙区「当落予想」】: 【神奈川】自民と公明は楽勝ムード 残り2議席を3人が争う

 ◆【神奈川県】(改選数4)

 ○○島村 大 58自現

 ○○佐々木さやか38公現

 △○牧山 弘恵54立現
 ▲▲乃木 涼介54国新
 △ 浅賀 由香39共新

 ▲△松沢 成文61維現

   相原 倫子58社新

 定数4に現職4人が出馬する。順当にいけば、4人がそのまま当選する選挙区だ。

 早くも自民党は楽勝ムード。5月18日、自民党県連が開いた決起集会は笑いが絶えなかった。県連会長が「大きな笑い声はありがたいが、選挙に勝ってからお願いしたい」と引き締めたほどだ。

(左から)演説に定評がある浅賀由香氏、佐々木さやか氏は盤石/(C)日刊ゲンダイ

  (左から)演説に定評がある浅賀由香氏、佐々木さやか氏は盤石/(C)日刊ゲンダイ

 自民候補のラクラク当選が確実視されているからか、地元選出の菅義偉官房長官(衆院・神奈川2区)は、自民候補よりも公明候補に肩入れしているのではないか、とみられているほど。5月28日、公明候補・佐々木の集会に出席し、佐々木の手を高く上げ、「なんとしても勝利させてもらいたい」と支援を呼びかけている。

 「菅さんが出席した集会の参加者は2500人。公明党の支持母体である創価学会の会員ではなく、建設、運輸の業界関係者が大半でした。つまり、自民党の集票組織です。さすがに、自民の島村陣営からは『やり過ぎだ。組織票が逃げる』と不満の声が上がっています」(地元自民党関係者)

 自民と公明の当選は、ほぼ確実だが、残り2議席は波乱が起きる可能性がある。台風の目になりそうなのが、共産党の浅賀だ。浅賀は前回2016年参院選にも立ち、49万票を獲得し、当選ラインまで3万6000票差に迫った。

 浅賀は2児の母親。もともと演説のうまさには定評があったが、落選後はプロのメークアップアーティストやスタイリストに学び、“見栄え”も良くしている。

 ◆地に落ちた松沢成文ブランド

 波乱が囁かれているのは、現職の牧山と松沢の2人が盤石ではないからだ。

地に落ちた松沢ブランド(松沢成文氏)/(C)日刊ゲンダイ

  地に落ちた松沢ブランド(松沢成文氏)/(C)日刊ゲンダイ

 「もともと神奈川県知事だった松沢は、知名度はありますが、もはや“松沢ブランド”は地に落ちています。最悪だったのは、県知事だったのに、神奈川県民を見捨てて東京都知事に“栄転”しようと画策していたことです。心ある県民はカンカンです。今回も、希望の党の代表だったのに、希望の党を捨てて維新公認になっています。信用できない、という声が飛び交っている。立憲の牧山も6年前に獲得した46万票のうち、3割は国民民主に流れるとみられています」(神奈川県政関係者)

 残り2議席を3人が争う激戦になりそうだ。

 ○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。上段は政治評論家・野上忠興氏、下段は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【安倍外交の“惨めな孤立”】:<下>米朝の歴史的瞬間にカヤの外 ■外交で再選戦略のトランプ、

2019-07-03 07:10:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【安倍外交の“惨めな孤立”】:<下>米朝の歴史的瞬間にカヤの外 ■外交で再選戦略のトランプ、日本に切る次の一手 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍外交の“惨めな孤立”】:<下>米朝の歴史的瞬間にカヤの外 ■外交で再選戦略のトランプ、日本に切る次の一手 

 ◆幹部粛清説まで流れた中、何を信じればいいのか、北朝鮮と金正恩の窮状と本音

 韓国メディアに「粛清された」と報じられた幹部が、ひょっこり公の場に姿を見せるなど、なかなか外部から実態が見えない北朝鮮。アメリカの経済制裁によって人民は飢餓に苦しんでいるという報道も流れているが、実際はどうなのか。

 

 

  北朝鮮の食糧事情が悪化している――。国連世界食糧計画と国連食糧農業機関は、今年3~4月にかけて現地調査を行い、「過去10年で最悪の食糧事情」と発表している。人口の4割にあたる1000万人が食糧不足に見舞われているという内容だ。


 ただ、平壌市内の百貨店にはモノが並び、市民が利用する食堂も普通に営業している、という現地情報もある。

粛清説が浮上した北朝鮮の金英哲氏は健在(右はポンペオ米国務長官、2019年1月)/(C)ロイター=共同

  粛清説が浮上した北朝鮮の金英哲氏は健在(右はポンペオ米国務長官、2019年1月)/(C)ロイター=共同

 さらに、国際貿易センターによると、今年1~3月、北朝鮮が中国から輸入した「食糧」は、「たばこ」や「フルーツ」より少なかったという。しかも、小麦の輸入は40%も減っているのに、たばこやフルーツなど嗜好品の輸入は年々増えている。もし、飢餓に苦しんでいるなら、食糧の輸入を最優先するはずである。

 「平壌はショールームなので、北朝鮮経済をそのまま映しているとは言えないでしょう。地方の生活は苦しいと思います。ただ、1990年代の後半、相当数の餓死者を出し、北朝鮮が自ら“苦難の行軍”と呼んだ時のような悲惨な状況ではないようです。恐らく、金正恩が訪中するたびに中国が5万トン、10万トンと食糧を支援しているのでしょう。韓国も5万トンの食糧支援を決めています。そもそも、北朝鮮は戦時に備えて2年間分の食糧を備蓄しているともいわれています」(太刀川正樹氏=前出)

 ウォールストリート・ジャーナル紙は、「北朝鮮は制裁緩和を引き出すため、住民の苦痛が浮き彫りになるのを望んでいるということもあり得る」と、元米国務省職員のコメントを紹介している。

 「しばらく経済制裁には耐えられる」が、金正恩の本音かもしれない。

 ◆外交で再選戦略のトランプが日本に切る次の一手 

 大統領再選のために、外交で成果を上げようと戦略を練っているトランプ。この先、日本にも次々に要求を突きつけてくるのは間違いない。

 トランプが頻繁に口にしはじめているのが「日米安保」問題だ。

“日米蜜月”とは貿易交渉で大きく譲歩することか(日米首脳会談)(C)JMPA/稲葉訓也

 “日米蜜月”とは貿易交渉で大きく譲歩することか(日米首脳会談)(C)JMPA/稲葉訓也

 「日米安保条約は不平等だ。この6カ月間、安倍首相にもそれを伝えてきた。彼には、現状を変える必要があるとも言った」

 わざわざ、29日の記者会見でそう発言したトランプは、来日前、ツイッターでも「なぜ我々が他国のために無報酬で航路を守っているのか。自国の船舶を自国で守るべきだ」と、日本のタンカーは日本が守れと訴えている。

 やはり、安保問題で要求を突きつけてくるのか。国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。 

 「在日米軍の駐留経費をもっと負担しろ、日本のタンカーを米軍に守らせるならカネを出せ、といった要求を口にしてくる可能性はあると思います。日米蜜月をセールスポイントにしている安倍首相にとって、日米同盟の一体化を疑わせるような要求は一番困ることだと分かっているでしょう。でも、日米安保問題はあくまでディールの手段であって、目的は貿易だと思います。トランプ大統領が考えていることは、とにかく大統領に再選されることです。そのためには支持者が喜ぶ成果を上げる必要がある。日米安保問題は、支持者に対して強いアピールにならない。それよりも、やはり自動車と農業でしょう。どちらもトランプ大統領の支持基盤です。恐らく、秋以降、日本への要求が強まるはずです」

 もともと、安倍は、参院選が終わったら「日米貿易交渉」で大きく譲歩すると裏約束をかわしている。「日米安保」まで持ち出されたら、どこまで国益を売り渡すのかわかったものではない。 =おわり
 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月01日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍外交の“惨めな孤立”】:<中>文大統領に会おうともしなかった非礼の愚かさ 

2019-07-03 07:10:20 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【安倍外交の“惨めな孤立”】:<中>文大統領に会おうともしなかった非礼の愚かさ ■米朝の歴史的瞬間にカヤの外 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍外交の“惨めな孤立”】:<中>文大統領に会おうともしなかった非礼の愚かさ ■米朝の歴史的瞬間にカヤの外

 ◆会談をお膳立てした韓国文大統領に会おうともしなかった非礼の愚かさ  

 日韓合意に基づく慰安婦財団の解散、元徴用工賠償、レーダー照射問題などを抱える日韓関係は「戦後最悪」といわれる。それにしても、G20に参加した文在寅に対する安倍の非礼は目に余るほどだった。よもやの米朝会談のお膳立てに、安倍はじだんだを踏んでいるのではないか。

 

 

  安倍は韓国から要望された首脳会談はおろか、立ち話も拒否。初日の写真撮影で儀礼的な挨拶を交わしただけだった。G20メンバーではイタリアのコンテ首相、カナダのトルドー首相、トルコのエルドアン大統領とも安倍は会談しなかったが、コンテとトルドーとはGWの外遊中にG20成功を根回し。2日まで滞在するエルドアンには天皇会見もセットする厚遇ぶりである。

 「安倍首相の文在寅大統領に対する意図的な疎外はひどすぎる。立ち話すら応じなかったのは、あまりにも非礼です。韓国を冷遇すれば、タカ派的な支持層から歓迎されるとの計算も働いているのでしょうが、あるべき外交から踏み外している。北朝鮮と米国の対話のきっかけを最初につくったのは文在寅大統領です。拉致問題やミサイル脅威に直面する日本は関係国との緊密な連携、情報共有が欠かせない。しかし、ここまで文在寅大統領を突き放した以上、電話会談を申し入れて北朝鮮情報を探るのは難しいでしょう」(孫崎享氏=前出)


韓国の文在寅大統領(右)は金正恩(左)と談笑する余裕のふるまい(トランプ米大統領=央)/(C)ロイター

 文在寅は国内外通信社の書面インタビューで「いつでも対話のドアは開かれている。G20の機会を利用するかどうかは日本にかかっている」と秋波を送り、青瓦台も「我々は常に会談の準備ができている」とギリギリまでメッセージを発し続けていた。

 拉致問題解決に向けて「あらゆるチャンスを逃さない」という安倍の決まり文句の薄っぺらさが浮き彫りである。


       
メーワク施設でしかない(C)日刊ゲンダイ

 ◆少なくともイージス・アショアは凍結、見直しが当たり前

 「今すぐにでもホワイトハウスに招いてもいい」――。“ラブコール”を送ったトランプに、金正恩も笑顔を浮かべていた。

 もはや、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルをぶっ放す状況ではない。

 こうなると、安倍政権が「北のミサイルへの対処」を理由に導入を決定した「イージス・アショア」も、もう不要のはずである。

 そもそも、イージス・アショアは日本防衛のために導入するものではない。北のミサイル発射基地から、配備予定地の秋田市と山口・萩市の延長線上には、それぞれハワイとグアムの米軍関連施設がある。配備計画は、両施設を守るため、という見方がもっぱらだ。

 米政界とつながりが強いシンクタンク「戦略国際問題研究所」が今年5月、公表した論文で〈秋田・萩に配備されるイージス・アショアのレーダーは、米本土を脅かすミサイルをはるか前方で追跡できる能力を持っている〉と“白状”しているのだ。

 加えて、無理やり秋田市に配備するために、防衛省がズサンな調査をしていたことも次々と発覚している。こんな“無用の長物”に6000億円もの血税がつぎ込まれる恐れがあるのだから、最低でも見直し、凍結が当然だろう。

「導入を決定した当時と現在の状況は大きく変わっています。なぜ必要なのか、説明責任を果たさないまま計画を進めるのは、一度米国と交わした約束を変更することができないからでしょう。安倍政権の対米追従姿勢を如実に表しています。計画を強行することは許されません」(ジャーナリストの布施祐仁氏)

 醜悪なまでの“アメリカ・ファースト”だ。 


         つぶやき政治“全開”(トランプ米大統領のツイッターから)

 ◆「ツイッタ―で会談呼びかけ」の真偽

 それにしても、ツイッターの呼びかけで、3回目の米朝首脳会談が実現したことには、世界中が腰を抜かしている。

 <もし金委員長がこのツイッターを見ていたら、南北軍事境界線の非武装地帯で握手をして挨拶(?)をするだろう>

 G20で大阪滞在中の29日朝8時前、トランプがこうつぶやくと、世界のメディアが一斉に速報。当日午前のG20の会場で、トランプは文在寅に「私のツイッター見ましたか」「一緒に努力しましょう」と声を掛け、親指を立てるポーズを見せた。

 会談は本当にトランプの“思いつき”だったのだろうか?

 トランプと面会した金正恩は、会談冒頭で「ツイートを見て本当に驚きましたし、本当に会いたいということを、29日の午後に初めて聞きました」と話している。

 これが事実だとすれば、会談の正式な打診が北朝鮮側に伝わったのは、ツイートの後ということになる。

 一方で、トランプがG20閉幕後に訪韓し、文在寅とともに非武装地帯に行くことは事前に決まっていた。万が一として、一定の事前準備がなされていた可能性もある。

 「過去にもトランプ政権ではツイッターから物事が始まるケースがありました。つぶやきで側近を動かすのです。2016年の大統領選挙時から、トランプは専属のSNS担当を置いていて、現在は政権内のデジタル上級顧問として重用しています。世論への訴え方も計算されている」(国際ジャーナリスト・堀田佳男氏)

 大統領再選戦略の“博打”が大成功したということではある。
 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月01日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍外交の“惨めな孤立”】:<上>安倍ボー然 米朝電撃 日本切り捨て 

2019-07-03 07:10:10 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【安倍外交の“惨めな孤立”】:<上>安倍ボー然 米朝電撃 日本切り捨て ■米朝の歴史的瞬間にカヤの外 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍外交の“惨めな孤立”】:<上>安倍ボー然 米朝電撃 日本切り捨て ■米朝の歴史的瞬間にカヤの外 

 ◆この会談を専門家はどう見るか 朝鮮半島の非核化は動きだすのか 

 30日行われたトランプ大統領と金正恩委員長との3回目のトップ会談は、なにもかも異例ずくめだった。

 現職のアメリカ大統領が北朝鮮に足を踏み入れたのが初めてなら、米・韓・北のトップ3人が肩を並べて談笑するのも、南北分断後初めてのこと。そもそも、この会談自体、トランプのツイッターによって実現したのだから前代未聞である。

 韓国側から北朝鮮に入ったトランプは「軍事境界線を越え、この場にいるのは大変光栄だ」と語り、金正恩は「トランプ大統領が境界線を越えたのは、良くない過去を清算し、良い未来を開拓しようという勇断だ」と称賛してみせた。

 



 この会談が、2人にとってウィンウィンだったのは間違いない。

 「会談終了後、金正恩は満面の笑みを浮かべていました。あの表情がすべてを物語っています。トランプとの1対1の会談時間も過去2回より長かった。ポイントは、2~3週間以内に実務協議をスタートすることで合意したことです。これまで北朝鮮は、協議再開の期限を年内と区切り『時間的余裕はない』とアメリカを揺さぶっていた。米朝協議が動きだせば、経済制裁も緩和されると計算しているのでしょう。一方、大統領選を控えるトランプは、北朝鮮問題が進展していると外交成果を訴えられる。2人が会ったのは、利害が一致したからでしょう」(朝鮮半島問題に詳しいジャーナリスト・太刀川正樹氏)


             非核化は遠い(米朝首脳会談)/(C)ロイター

 ただし、北朝鮮の非核化は、そう簡単には動かないとみられている。トランプ本人も「スピードが目的ではない」と、会談後、明言している。

 元韓国国防省北朝鮮情報分析官の高永喆氏(拓大主任研究員)はこう言う。

「脱北した元高官は、北朝鮮外交の3本柱は、①核は放棄しない②核を保有していればアメリカも軍事攻撃できない③中国は北朝鮮を見捨てることはできない――だと話しています。実際、北朝鮮にとって核は、体制を維持する虎の子です。最後まで放棄することはないでしょう。リビアが大量破壊兵器計画を放棄した後、欧米から空爆されたことも知っているはずです。

 そもそも、北朝鮮の非核化は簡単じゃない。相当な時間がかかる。なにしろ、核兵器を10個以上も保有し、核の関連施設は300~400に及ぶとみられている。アメリカのハッカー博士は、完全な非核化には15年かかると予測しています」

 仮に非核化に動くとしても、北朝鮮の主張通り、時間をかけ、相応の見返りを与える「段階的核廃絶」になるのではないか。 


   国内では恐ろしいほどの情報収集力なのに(菅官房長官)/(C)共同通信社

 ◆会談実現に驚く安倍官邸の情報収集能力 

 大阪G20サミットに参加していたトランプが「金委員長に会って握手、言葉を交わす用意がある」とツイートしてからおよそ1日半。3回目の米朝会談の実現に最も目をパチクリさせたのは安倍首相ではないか。

 そうでなければ、橋渡しをした韓国の文在寅大統領に対する安倍の冷遇はあり得ない。外務省幹部は日本テレビの取材に「米朝面会の準備はまったく進んでいないと思う。あまり気にしなくていい」と前日まで甘い見通しを口にしていたというから、安倍官邸の情報収集能力が知れるというものだ。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏は言う。

「米朝会談実現に向けたシグナルはそこかしこに表れていた。そもそも、トランプ大統領が訪韓中にDMZ(非武装地帯)を視察する可能性は取り沙汰されていましたし、G20では文在寅大統領に対して非常に友好的なジェスチャーを繰り返していました」

 今月に入り、北朝鮮情勢は目まぐるしく動いていた。トランプと金正恩は「美しい手紙」のやりとりで“信頼関係”を確認。北朝鮮の後見人である中国の習近平国家主席が平壌を訪れ、文在寅は国内外の通信社による書面インタビューで「朝鮮半島平和プロセスはすでにかなり進展した。米朝交渉の再開を通じて次の段階に進むだろう」との見通しを示していた。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「G20で注視された米中首脳会談でトランプ大統領が制裁関税の第4弾を先送りしたのは、より見栄えのする米朝会談の見通しが立ったからではないのか。官邸を仕切る経産省も、外務省も情勢を見誤ったとしか言いようがありません」

 きのう開かれた党首討論会に出席した安倍は「最後は、私が金正恩朝鮮労働党委員長と向き合って解決しなければならないと決意している」と、いつものセリフを言うのが精いっぱい。トランプとの「緊密な連携」が聞いて呆れる。 


       ネット討論でも吠えるだけ(安倍首相)/(C)日刊ゲンダイ 

 ◆改めて見せつけられた「外交の安倍」という虚像 

 参院選対策で慣例を破ってG7前に押し込んだG20で各国首脳と肩を並べ、安倍が得意満面の主役気取りだったのも束の間。米朝会談という歴史的瞬間はカヤの外だったのだから赤っ恥だ。

 これでいよいよ鮮明になったのが、「拉致の安倍」「外交の安倍」の惨めな正体である。

 北朝鮮を巡る6カ国協議の当事国のうち、いまだに金正恩と会えていないのは安倍ひとり。5月になって慌てて「日朝首脳会談の無条件実施」に方針を百八十度転換したものの、北朝鮮からは「われわれへの敵視政策は何も変わっていない。安倍一味はずうずうしい」と蹴散らされ、相手にもされない。にもかかわらず、きのうも「トランプ大統領から私の考え方を金正恩氏に伝えてもらい、習近平国家主席も問題解決に大変協力してくれている」と強弁する厚かましさである。

「安倍首相はトランプ大統領とトモダチだとか、ゴルフ仲間だとか誇っていますが、外交に生かせていないことが浮き彫りになった。北朝鮮の友好国である中ロは頻繁に首脳会談を開いていますし、習近平主席もプーチン大統領も米朝会談の実現を把握していて、知らぬは安倍首相だけだったのではないか。地球儀俯瞰外交は、文字通り俯瞰するだけなのがハッキリしました」(角谷浩一氏=前出)

 中国包囲網にしろ、北方領土返還にしろ、安倍外交が上げた成果はひとつもない。トランプと金正恩の再会も指をくわえて眺めるだけ。脅威を煽り、吠えるだけで実は何もしてこなかった愚かな感情的外交の総括が絶対に必要である。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2019年07月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【参院選】:争点(4)原発・エネルギー 推進かゼロ目標か

2019-07-03 06:17:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:争点(4)原発・エネルギー 推進かゼロ目標か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:争点(4)原発・エネルギー 推進かゼロ目標か 

 「原発は、人権をないがしろにしないと成り立たないものということが、被害者になってよく分かった」

 東京電力福島第一原発事故後、福島から東京へ避難した鴨下祐也さん(50)は、そう声を絞り出した。

 二〇一一年三月十二日未明、福島県いわき市の自宅を離れた。避難所や親族宅など四カ所を転々とし、ようやく都内の国家公務員宿舎に入居できた。今も妻と息子二人の四人で暮らす。

 勤め先の福島工業高専(いわき市)の再開に伴い、いったんは一人で戻った。だが、放射能汚染の危険性を訴える鴨下さんのような教員は孤立し、次々と退職。鴨下さんも一二年十月に辞めた。大学の非常勤講師を務めながら、なんとか生計を立てている。

 国はいわき市には避難指示を出さず、一家は「自主避難者」とされた。避難所では、避難指示が出た区域の避難者からは「けぇれ(帰れ)!」と怒鳴られたこともあった。

 自主避難者へのほぼ唯一の公的支援だった災害救助法に基づく住宅提供は一七年三月に打ち切りに。早期の退去を求める文書が配達証明で定期的に届く。鴨下さんは「放射能汚染が残っている以上、自宅には戻れない」と打ち切りの見直しを求めている。

 本社加盟の日本世論調査会が二月に行った全国面接世論調査では、福島のような深刻な事故が起こる可能性について85・7%が「心配が残る」と回答した。

 安倍政権は海外で原発を新設する「原発輸出」を成長戦略の柱に位置付けてきた。米国、ベトナム、英国などで次々と新設計画は頓挫したが、世耕弘成経済産業相は原発輸出を進める方針に「変更はない」としている。国内でも、福島事故後に設けられた新規制基準に適合し、再稼働したのは計九基。鴨下さんは「福島の廃炉も賠償も終わらないのに、再び原発を動かすなんてありえない」と憤る。

 昨年七月に閣議決定したエネルギー基本計画は「再エネの主力電源化」をうたった。だが、三〇年度の数値目標は従来の22~24%に据え置き。原発比率も20~22%と肩を並べ、再エネ普及への本気度は乏しい。

 政府は本年度予算で、新原子炉の技術開発の補助金に六・五億円を充てた。これまで「原発の新増設は国内では必要ない」と説明してきたが、将来の新増設に向け、「原子力ムラ」が実質的に準備を始めた形だ。

 五月現在、福島県から県外への避難者は全国で三万人超。鴨下さんには、来年の東京五輪・パラリンピックが「復興五輪」と位置付けられることに「見せかけの復興をアピールされても」とむなしさを感じる。

 原発を維持・推進するのか、ゼロへとかじを切るのか。参院選では福島の教訓を踏まえたエネルギーの将来像が問われている。 (伊藤弘喜)=おわり

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【選挙・参院選】  2019年07月03日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【参院選】:争点(3)外交 対米優先か見直しか

2019-07-03 06:17:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:争点(3)外交 対米優先か見直しか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:争点(3)外交 対米優先か見直しか 

 「日本が攻撃されたら米国は戦わなくてはならない。米国が攻撃されても日本は戦わなくていい」

 トランプ米大統領は六月二十九日、二十カ国・地域首脳会議(G20サミット)終了後の記者会見で、日米安全保障条約について「不公平だ」と公言した。破棄は否定したものの、「この六カ月、安倍晋三首相にも言ってきた」と不満をぶちまけた。

 このわずか一時間前、首相はサミット閉幕を受けた記者会見で「世界は結束できる、そう信じて議長役を務めた」と胸を張っていた。トランプ氏の発言は、首相と十二回の会談を重ねても、対等な関係に近づけない日米同盟の本質を世界にさらす結果になった。

写真

 安倍政権六年半の外交は軸足を常に日米同盟強化に置いてきた。ちょうど五年前の二〇一四年七月一日には、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を閣議決定。米国を武力で守れるようにした上で、日米防衛協力指針(ガイドライン)を改定し、自衛隊による米軍支援の範囲を世界規模に拡大。これらを法的に裏付ける安全保障関連法を成立させた。

 米国から最新鋭ステルス戦闘機F35や、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」など高額兵器の購入も決定した。米国が金額や納期を決める「対外有償軍事援助(FMS)」で買うため、米国の「言い値」を受け入れざるを得ず、予算は急増。二〇一九年度はFMSによる購入費用が七千億円強に上り、防衛費五兆二千五百億円とともに過去最多となった。

 米国第一主義を掲げ、対日貿易赤字削減に躍起なトランプ氏は、安倍政権が高額兵器を大量購入しても、なお安全保障というカードをちらつかせ、貿易交渉での譲歩を日本に迫る。

 令和初の国賓として五月に来日した際の日米首脳会談では、貿易交渉妥結は参院後に先送りされたが、トランプ氏は六月二十八日の大阪での会談でも「貿易、軍事、多くの防衛装備品の購入について話す」と首相を揺さぶった。

 環太平洋連携協定(TPP)にも、首相は当時のオバマ米政権の推進姿勢に合わせ、農業団体などの反発を押し切って参加した。だが、トランプ氏はTPPから離脱。首相ははしごを外された形になった。

 他の重要な外交案件を巡る停滞も目立つ。

 首相は昨年十一月の日ロ首脳会談で、北方四島の一括返還の旗を事実上降ろしたが、プーチン大統領は歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)両島に米軍が駐留する可能性に言及し、二島引き渡しにも難色を示している。

 首相が最重要課題に位置付ける北朝鮮による日本人拉致問題も進展しない。首相は今年五月、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と前提条件なしに会談する考えを明らかにしたが、北朝鮮は「ずうずうしい」と反発。実現の道筋は描けない。

 首相が「盤石」と主張するものの実態は米国に揺さぶられる対米優先路線の継続か。その見直しか。参院選は日本外交の立ち位置を考える好機でもある。 (上野実輝彦)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【選挙・参院選】  2019年07月03日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【参院選】:争点(2)くらしと年金 成長路線か分配重視か

2019-07-03 06:17:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:争点(2)くらしと年金 成長路線か分配重視か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:争点(2)くらしと年金 成長路線か分配重視か 

 「このまま起きられなくなったときに備え、大事な人に死を伝えるメールを送信予約しました」

 東京都練馬区のアパートに住む日雇い労働者の藤野雅己さん(50)は穏やかな表情のまま、こう語った。

 藤野さんは体調を崩して、以前の職場を退職。ここ数年は、平日は不定期でビル施工管理などの大工仕事、週末は引っ越し業で働く。月収は平均約十三万円。貯金もなく、仕事がいつもらえるか分からない不安から、働ける時は働けるだけ働く。 

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 三月は珍しく約七十万円稼いだ。工事現場で徹夜で働き、マンガ喫茶で二時間ほど仮眠して引っ越し作業、夕方は別の工事現場へ向かう過密スケジュール。「死を伝えるメール」はその月のある夜に用意した。

 翌朝無事に目覚め、メールは送らずにすんだ。だが今の苦しい生活から抜け出す展望はない。「年金も保険料を払えずにもらえないし、リアルに考えるのは孤独死です」。塗料の剥げた古いガラケーを片手につぶやいた。

 「企業がもうかれば雇用は改善し、給料は増え、消費が盛んになって景気が回復する」。安倍晋三首相は経済政策「アベノミクス」で大企業の業績を後押しし、賃金上昇を目指す。

 確かに、企業の内部留保は急激に増えた。最低賃金も少しは上がった。一方、非正規労働者の比率は上昇、低所得で苦しむ人は多い。今月の共同通信世論調査で、景気が「悪くなっている」としたのが33・2%で、「良くなっている」(8・1%)の四倍に達した。

 藤野さんも「底辺にいる僕らに富の滴はこぼれ落ちてこない。富裕層がすべて吸い取っている」。

 老後に夫婦で二千万円の蓄えが必要とした金融庁報告書を機に、国民に年金への不安が広がる。首相は年金制度の充実のためにも成長が欠かせないと訴えるが、藤野さんは「安倍政権は私たちの暮らしの現実が見えていない」と感じる。

 政府が今月二十一日に閣議決定した「骨太の方針」には、三十代半ばから四十代半ばの就職氷河期世代について、採用企業への助成金を拡充するなどの支援策が盛り込まれた。

 だが、その世代に当たる東京都杉並区の女性(38)は冷めている。複数の上場企業で派遣や契約社員をしてきたが、賃金は働きに見合わず、今は失業中。「上司の判断で、生活の基盤がいきなり途絶える。こんな世代を救う策があるのか」と首をかしげる。

 年金支給額も増えず、予定通り十月から消費税率が10%に上がれば生活はより厳しくなる。成長重視か、国民への分配を厚くするのか。参院選は私たちのくらしのあり方を問う。 (石川智規)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【選挙・参院選】  2019年06月28日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【参院選】:争点(1)憲法 改憲加速か歯止めか

2019-07-03 06:17:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:争点(1)憲法 改憲加速か歯止めか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:争点(1)憲法 改憲加速か歯止めか 

 通常国会が二十六日閉幕し、与野党は第二十五回参院選に事実上突入した。政府は臨時閣議を開き、参院選を「七月四日公示、二十一日投票」とする日程を決めた。即日開票する。選挙区と比例代表合わせて三百二十四人が立候補を予定している。 

                              ◇

 「あの判決は、法律に従って裁判をやっただけのこと。良心の問題だ」

 一九七三年、札幌地裁の「長沼ナイキ基地訴訟」一審判決で、「自衛隊は憲法九条違反」との判決を裁判長として下した弁護士の福島重雄さん(88)=富山市=は、そう振り返る。 

自衛隊の憲法明記案を「9条本来の条項とつじつまが合わない」と語る福島重雄さん=富山市で

写真

 北海道長沼町での航空自衛隊の地対空ミサイル「ナイキJ」基地建設計画に対し、原告の住民が、自衛隊は違憲などと訴えた訴訟。判決は「自衛隊は九条二項が保持を禁じる『陸海空軍』という『戦力』に該当する」と判示。さらに、有事の際に基地は最初の攻撃目標になるため、憲法前文の「平和のうちに生存する権利」(平和的生存権)が侵害される可能性があるとした。

 二審の札幌高裁、最高裁は住民の訴えを認めず、基地は建設された。福島さんはその後、家裁などを転々とし、「冷や飯」を食わされ続ける形に。それでも、自らの判決について「現行憲法である限り、結論は同じ」と主張は揺るがない。

 憲法に忠実な司法人生を貫いてきた福島さんから見て納得しがたいのが、安倍晋三首相の改憲論だ。

 首相は第二次安倍政権発足後、憲法解釈を変更し、他国を武力で守る集団的自衛権行使を容認。安全保障関連法も成立させ、地球規模で米軍を後方支援できるようにした。自衛隊の活動を違憲の疑いが濃い範囲にまで広げた上で、今、自衛隊違憲論をなくすという理由で自衛隊の存在を書く改憲を主張している。

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 福島さんは「違憲状態を先行させ、後になって『憲法に合わない』と言う。最初から憲法を守る気がないのではないか」と疑問視。九条二項を残し、自衛隊を明記する自民党案も「九条本来の条項とつじつまが合わない」と批判する。

 首相は政権発足直後は、改憲発議の要件を衆参両院議員の「三分の二」から「過半数」に緩める九六条改憲を目指していた。中身を問わず、在任中に改憲を実現したい思いが強い。今回の参院選でも、二〇二〇年の新憲法施行を念頭に「早期の憲法改正」を掲げ、国会の憲法審査会での議論に前向きかどうかを判断基準に挙げた。

 参院選の結果、改憲勢力が三分の二以上の議席を維持すれば、議論に前向きな政党が支持されたとして、批判を押し切って改憲原案を国会に提出するなど、来年の新憲法施行に向けてギアを上げる可能性が高い。三分の二をわずかに下回る程度の結果でも、選挙後、改憲に理解を示す野党議員を個別に抱き込み、三分の二の回復を目指すとみられる。

 逆に、改憲勢力が三分の二を大きく下回れば、首相の改憲戦略には確実に歯止めがかかる。有権者は、そのいずれを選ぶのか。七月二十一日に答えが出る。 (村上一樹、写真も)

                               ◇ 

 七月四日公示、二十一日投開票の参院選は、憲法、くらしと年金、外交、原発・エネルギーが主要争点。森友・加計問題に代表される政治の在り方も問われる。私たちは何を選択するのか、争点ごとに考える。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【選挙・夏の参院選】  2019年06月27日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【参院選】:首相、明言を避ける 9条改憲時の自衛隊任務範囲

2019-07-03 06:17:00 | 【憲法問題「護憲・改憲・違憲論争・緊急事態条項・九条の改正、自主憲法制定論議他】

【参院選】:首相、明言を避ける 9条改憲時の自衛隊任務範囲

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:首相、明言を避ける 9条改憲時の自衛隊任務範囲 

 安倍晋三首相(自民党総裁)は三十日夜、インターネット動画中継サイト「ニコニコ動画」番組で、憲法九条に自衛隊を明記する自民党案について、自衛隊の任務や権限が変わるかどうか問われ、明言を避けた。「私は党の議論に参加していない。国会の憲法審査会で議論してほしい」と求めた。

 参院選の公示を前に、与野党の六党首が参加した初の討論会で語った。首相は自ら提案した九条への自衛隊明記案について、自衛隊の任務や権限は変わらないと答弁している。国民民主党の玉木雄一郎代表は、自民党の改憲条文案でも、同じように自衛隊の任務や権限は拡大しないのか聞いたが、首相は「厳密な解釈をしなければいけない。私が言ったことと全く同じだと言い切ることはできない」とした。

 憲法解釈の変更と安全保障関連法の施行で、自衛隊は他国を武力で守る集団的自衛権の行使をはじめ、世界中で米軍を支援できるようになった。共産党の志位和夫委員長は「(自衛隊を明記すると)九条二項が死文化し、海外で無制限の武力行使が可能になる。こうした方向は断固反対だ」と明言した。

 改憲論議を巡っては、自民、公明、日本維新の会の改憲三党が憲法審査会での議論を求めたのに対して、立憲民主、国民、共産の野党三党は議論する環境にない、などと主張した。

 首相は「条文を示して国民的議論を深めるのは私たちの責任。前に進むのか、全く進まないのかを問うのが参院選だ」と指摘。公明党の山口那津男代表は「議論が進んでいないのは残念」と語った。維新の松井一郎代表も「改憲発議する中身について議論する形をつくってほしい」と求めた。

 立民の枝野幸男代表は、投票の利便性を高める国民投票法改正について「CM規制が大きな争点。審議拒否しているのは与党だ」と反論した。

 社民党の又市征治党首は体調不良により欠席した。 (清水俊介、中根政人、山口哲人)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【選挙・参院選・憲法改正論議】  2019年07月01日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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