路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:米朝首脳会談 ショーで終わらせるな

2019-07-03 06:10:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【社説①】:米朝首脳会談 ショーで終わらせるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:米朝首脳会談 ショーで終わらせるな 

 米大統領のツイッターをきっかけに、南北分断の象徴である板門店で急きょ、米朝首脳会談が実現した。単なる政治ショーで終わらせてはならないし、今度こそ、非核化につなげねばならない。

 北朝鮮のメディアは会談翌日の一日、「憎しみあってきた両国に、前例のない信頼を創造した」と、大々的に伝えた。

 板門店では、激しい戦闘の末、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた。六十六年前の一九五三年のことだ。国連(米国)、北朝鮮、中国の軍代表が、冷ややかな雰囲気の中、無言で署名を行った。

 当時とは対照的に、トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は明るい表情で、予想外の大胆な行動を取った。

 南北を分ける軍事境界線を警護員もつけずに二人で往来、韓国側の会談場に入り、約五十分間、膝を交えて話し合った。

 正恩氏はトランプ氏を「北朝鮮側の土を踏んだ最初の米国大統領」と持ち上げ、トランプ氏も正恩氏を「ホワイトハウスに招待する」と述べるなど、二人は信頼関係や友情を強調してみせた。

 だが世界は、驚いただけではない。今回の会談が、政治ショーで終わるのではないかとの懸念を持って見ている。

 米国側は、実務協議が七月中旬ごろにも始まると明らかにしたが、見通しは明るくない。

 一括妥結により完全な非核化を目指すトランプ氏に対し、北朝鮮側は、段階的な非核化と、経済制裁の順次解除を求めており、接点は見つかっていない。

 協議の進め方でも違いがある。トランプ氏は、「急がない」と強調する。来年の大統領選での再選を意識し、北朝鮮の挑発を抑えることを主眼に置いているからだ。

 これに対して北朝鮮は、国際社会からの制裁で経済不振に陥っていると伝えられ、制裁解除の実現を急いでいる。

 今回の会談は、相手を驚かして交渉を有利に進めるトランプ流交渉術だが、外交は国民の命に関わる。より慎重に行うべきだ。

 前回二月のハノイ会談は、中途半端な実務協議がたたり、物別れに終わった。この教訓も生かし、丁寧で、着実な調整を望みたい。

 安倍晋三首相は、拉致問題解決のため、正恩氏に「無条件会談」を再三訴えている。肯定的な反応はなく、今回も蚊帳の外に置かれた。韓国との関係を含め、戦略の練り直しが必要だ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年07月02日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:ハンセン病訴訟 家族も当事者である

2019-07-03 06:10:25 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説②】:ハンセン病訴訟 家族も当事者である

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ハンセン病訴訟 家族も当事者である 

 ハンセン病患者の「隔離政策」で本人だけでなく家族も差別されたとして、熊本地裁は国に、家族への賠償を命じた。今も偏見に苦しむ家族を救うため、国は判決を受け止め、謝罪を考えてほしい。

 ハンセン病は「らい菌」による皮膚などの感染症。遺伝せず、感染力は弱い。第二次大戦後は化学療法で完治するようになった。しかし、隔離政策はその後も維持され、一九九六年に「らい予防法」が廃止されるまで約九十年間も続いた。

 二〇〇一年、熊本地裁は「隔離政策は違憲」として患者本人への賠償責任を認めた。

 今回の判決は救済範囲を家族に広げ、五百四十一人に約三億七千六百万円の支払いを命じた。国会議員や厚生労働相に、らい予防法を早期に廃止しなかった不作為があり、差別解消の啓発・教育が不足だったとして法相と文部科学相にも責任があったと述べた。

 これまであまり注目されなかった「家族への差別被害」として、判決は「村八分」や就学・就労の拒否、結婚差別、進路など人生の選択肢の制限などを挙げた。

 さらに「家族関係の形成の阻害」も示した。家族からの聞き取り調査に奔走した東北学院大の黒坂愛衣准教授は、著書『ハンセン病家族たちの物語』で、「ハンセン病の肉親に冷たい態度や言葉で接してしまった」「療養所からの一時帰省を喜べなかった」「病気の肉親の存在を隠した」-など、家族の言葉を紹介している。

 本人を救済した〇一年判決の際、控訴を求めた官僚らに「患者の状況は悲惨だった」と、控訴断念を主張し、当時の小泉純一郎首相の決断に導いた一人である坂口力厚労相は、今回の判決を評価しており「家族にも救済が広がったのは正しい判断だ」と本紙に語った。

 黒坂准教授は前出の著書で「家族は『当事者(患者本人)の関係者』なのでは決してなく、かれら自身が『家族』という当事者」と書いている。国は今回の判決を重く受け止め、本人たちと同様に、家族たちにも謝罪を考えるべきだ。

 家族訴訟の弁護団は、今回の訴訟の意義の一つとして、「家族を差別した社会の側の責任を明らかにすること。被告は国だが、私たち社会の側も責めを問われている」と述べている。

 判決は「隔離政策」が差別の根源だとしているが、差別的な言動に走ってしまったのは社会である。家族の長く苦しい人生に思いをはせたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年07月02日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【筆洗】:『ゲゲゲの鬼太郎』などの水木しげるさんが紙芝居を描いていた時代の話である。

2019-07-03 06:10:20 | 【水産資源・海洋環境・漁業・水産加工・缶詰・調査捕鯨・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【筆洗】:『ゲゲゲの鬼太郎』などの水木しげるさんが紙芝居を描いていた時代の話である。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:『ゲゲゲの鬼太郎』などの水木しげるさんが紙芝居を描いていた時代の話である。

 ある妖怪を題材にした作品を描いていたところ、高い熱が出てきた。医者に診てもらったものの、原因がわからない▼やむなく、その妖怪の話を紙芝居にするのを断念すると熱は下がったそうである。描いていた妖怪は「化け鯨」。もとは山陰地方の言い伝えだそうで、夜になると出没する骨だけの巨大クジラだそうだ▼怪談めいた話で読者を震え上がらせようというつもりは毛頭ないが、気の小さい当コラムはその後の国際社会の「たたり」を心配し、三十一年ぶりの悲願成就と言われてもどうも心がわきたたない。昨日の商業捕鯨の再開である▼北海道釧路、山口県下関の港から捕鯨船が出港していった。関係者には、感慨無量の朝であっただろう。鯨食文化を復活させたい。鯨肉は食料自給率が低い日本にとって大切な海洋資源。その気持ちも主張も理解はできる▼震えるのは反捕鯨の国際世論である。今回の商業捕鯨再開は国際捕鯨委員会(IWC)脱退によるもの。ただでさえ捕鯨への風当たりが強い中、穏当さに欠けるやり方に日本への批判は一層強まるだろう▼商業捕鯨再開で低迷した国内の鯨肉消費を回復させたいという。そのためにも国際社会の理解を少しでも得たい。世界から叱られながら食べるのでは、その肉にハシは伸びまい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年07月02日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:7月1日(月)

2019-07-03 06:10:15 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:7月1日(月)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:7月1日(月) 

 【午前】9時58分、官邸。59分、報道各社のインタビュー。10時、外務省の秋葉剛男事務次官、金杉憲治アジア大洋州局長。15分、秋葉外務事務次官。42分、警察庁の栗生俊一長官、大石吉彦警備局長。11時45分、ベトナムのグエン・スアン・フック首相を出迎え。46分、文書交換式。54分、記念撮影。55分、フック首相とワーキングランチ。

 【午後】1時14分、フック首相を見送り。2時4分、持続可能な開発目標(SDGs)未来都市選定証授与式。3時5分、読売新聞のインタビュー。56分、高市早苗自民党衆院議員。6時42分、トルコのエルドアン大統領を出迎え。43分、記念撮影。44分、エルドアン大統領とワーキングディナー。7時55分、エルドアン大統領を見送り。8時、公邸。宿泊。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年07月02日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【自民党】:流出した参院選接戦区“情勢調査”の中身! 新潟、山形、愛媛、滋賀などで野党リードも、

2019-07-03 00:20:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【自民党】:流出した参院選接戦区“情勢調査”の中身! 新潟、山形、愛媛、滋賀などで野党リードも、意図的リークの可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:流出した参院選接戦区“情勢調査”の中身! 新潟、山形、愛媛、滋賀などで野党リードも、意図的リークの可能性

 通常国会が6月26日に閉会し、いよいよ7月4日公示・21日投開票の参院選が事実上始まった。与野党候補予定者ともども各選挙区で事務所開きが行われ、熱を帯びてきている。

 そんなさなかのことだ。公示目前の6月28日、「自民党重点地区情勢調査」なる調査データが永田町を駆けめぐったのだ。大手紙の政治部記者が言う。

流出した自民党の参院選接戦区情勢調査の中身! 新潟、山形、愛媛、滋賀などで野党リードも、自民党が意図的リークの可能性の画像1

 自民党がリークか!?(自民党HP)

 「与野党が接戦になっている参院選16選挙区のデータですね。わたしも見ました。用紙1枚に書かれた“原本”があって、それをテキストデータに打ち込み直したものがメールで流れたようです。自民党から流出したものとみて、ほぼ間違いないようです」

 本サイトも自民党筋からこのデータを入手した。見てみると、6月22日に行った情勢調査と書かれてあり、北海道から大分まで16選挙区の候補者名と、小数第1位までのデータが書き込まれている。なるほど、参院選の調査データに間違いなさそうだ。

 いずれも野党統一候補が自民党候補と互角の戦いを繰り広げている「1人区」(定員1)か、与野党が複数候補を立てている都市部の選挙区となっている。

 つぶさに見てみよう。たとえば、イージス・アショア配備問題で揺れ、最もホットな選挙区のひとつである、秋田。

 現職の中泉松司参院議員(自民)に野党統一候補の寺田静氏が挑む構図だ。現在秋田では、静氏の夫・寺田学衆院議員が中心になってイージス・アショア配備反対を唱え、配備を受け入れた自民党系の佐竹敬久知事を厳しく批判。勢いに押された佐竹知事は慎重姿勢を強いられており、守勢に立たされた。これが如実に影響したのだろう、調査データは以下の通り、接戦となっている。

 〈秋田〉
  中泉松司(自民)41.9
  寺田静(自民)40.0

 これと同様に接戦の構図になっている主な「1人区」を見てみると、自民と野党統一候補の戦いは以下のようになっていた。

 〈岩手〉
  平野達男(自民)37.3
  横澤高徳(野党)38.6

 〈宮城〉
  愛知治郎(自民)42.6
  石垣のり子(野党)41.2

 〈山形〉
  大沼瑞穂(自民)41.6
  芳賀道也(野党)43.5

 〈福島〉
  森雅子(自民)41.7
  水野さち子(野党)39.9

 〈新潟〉
  塚田一郎(自民)35.6
  打越さく良(野党)42.7

 〈三重〉
  吉川有美(自民)41.0
  芳野正英(野党)36.7

 〈滋賀〉
  二之湯武史(自民)42.0
  嘉田由紀子(野党)42.8

 〈愛媛〉
  らくさぶろう(自民)37.9
  永江孝子(野党)45.6

 〈大分〉
  礒崎陽輔(自民)41.5
  安達澄(野党)37.6

 トータルすると、接戦の1人区は、自民党5勝5敗の5分となるが、いずれも僅差で、途中でひっくり返ってもなんの不思議はない。はたして、この段階で、自民党がこのようなデータを流出させる狙いはどこにあるのか。自民党の選挙に詳しい古参の議員秘書が語る。

 「接戦区のデータを中心に自民党陣営の尻を叩く効果を狙っている。しかも、今回のデータは広く拡散するように仕掛けており、リードしている野党陣営に油断を与える材料にもなるだろう。今回のデータ、選挙戦に突入した途端のできごとだけに、野党側の陣営が緩みかねない。あまりありがたくないはずだ」

 ◆東京はじめ、自民党が複数候補を立てた選挙区の調査結果と流出の狙い 

 さらに、今回のデータ流出には、もう一つ“深い狙い”もあるらしい。定数6の東京選挙区を引き合いに出してみよう。調査データは下記の通りだ。

 〈東京〉 定数6 
  丸川珠代(自民)17.8
  吉良佳子(共産)12.2
  山口那津男(公明)11.3 
  武見敬三(自民)9.5 
  山本太郎(諸派)9.0
  塩村文夏(立憲)7.5 
  山岸一生(立憲)5.8
  音喜多駿(維新)4.9 
  水野素子(国民)1.5

 「現状では、自民党は一応、2議席を確保できているが、4位以下は接戦。とくに、次点の7位にいる立憲候補の朝日新聞元政治部記者・山岸一生氏は出馬宣言したばかりで知名度が低いが、長妻昭氏らが後援会を仕切って、猛追している。勢いのある立憲の塩村文夏氏や山本太郎氏が当選圏内の上位に入ってくると、自民・武見氏が圏外に押し出される可能性がある。そこで、データを流すことで、都内の自民票を独り占めしている丸川珠代氏の陣営に“武見さんに票を分けて”とシグナルを送っているんだよ」(前出・古参議員秘書)

 その他の「複数人区」情勢も同様の理由で流されたようだ。北海道では共産の畠山氏に追い上げられている岩本氏に高橋氏の票を、広島では、野党候補の森本氏の後塵を拝し、次点に沈んでいる河井氏に、溝手氏の票を分配するよう誘導する意図があるのだという。

 〈北海道〉 定数3  
  高橋はるみ(自民)33.8
  勝部賢志(立憲)22.8 
  岩本剛人(自民)11.5 
  畠山和也(共産)10.2
  原谷那美(国民)4.9

 〈広島〉 定数2  
  溝手顕正(自民)33.9 
  森本真治(国民)21.7
  河井案里(自民)17.1

 ◆選挙前にフェイクデータを意図的に流すようになった自民党 

 いずれにしても、このデータは現時点の情勢が“たまたま流出してしまった”わけでなく、自民党の手練れの選挙対策プロパーが、手の内を見せながら情勢をコントロールしようと意図的に流したとみて間違いないだろう。

 しかも、最近の自民党は、こうした情勢調査の結果をそのまま出すのでなく、目的に合わせてデータを改ざんしているのでないかという疑惑もある。大手紙の政治部デスクの話。

「一番ひどかったのは、翁長雄志知事の死去に伴う昨年9月の沖縄県知事選だったね。翁長陣営の後継指名を受けた玉城デニー氏の前評判は高く、自民党系候補の佐喜真淳・前宜野湾市長では歯が立たないことは歴然としていた。実際、11ポイント以上の差で玉城氏が勝っているしね。ところが、知事選告示前の8月に、自民党の情勢調査が流れたんだ。それもほとんど差がなく、接戦と読めるデータだった。戦意喪失に陥りかけた沖縄の自民陣営を諦めさせないための奇策だったんだ」

 前出の古参議員秘書によれば、こうした近頃のデータ流出の背景には、党内きっての選挙対策プロパーだったたたき上げの自民党事務局長が引退した影響があるという。

「前任の自民党事務局長時代の情勢調査は、わりあい客観的で、外に出ることもあまりなかったんだが、事務局長が変わる少し前から、政治利用やデータの操作などが露骨に行われるようになった」(前出・古参議員秘書)

 そういう意味では、今回の情勢調査もどこまで正確に実態を反映しているかはわからない。ただし、ひとつだけ言えるのは、大規模な情勢調査を行い、そのデータをメディアにリークすることのできる政党は自民党しかいないということだ。すでにこの時点で、自民党が圧倒的に有利なのである。(編集部) 

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【政治・選挙・参院選】  2019年07月01日  11:41:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【外交】:トランプ・金正恩会談で大恥! 安倍首相は会談開催も知らなかった…「蚊帳の外」は

2019-07-03 00:20:40 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【外交】:トランプ・金正恩会談で大恥! 安倍首相は会談開催も知らなかった…「蚊帳の外」は韓国でなく日本

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外交】:トランプ・金正恩会談で大恥! 安倍首相は会談開催も知らなかった…「蚊帳の外」は韓国でなく日本 

 これぞ安倍外交の真髄と言っていいだろう。大阪で開かれたG20のことじゃない。トランプ大統領と北朝鮮・金正恩委員長の電撃会談のことだ。ふだんあれだけ、「トランプ大統領と完全に一致している」とその絆の強さを語り、日朝首脳会談については「私自身が金正恩委員長と向き合う」などと大見得を切っていたのに、安倍首相はトランプの北朝鮮外交で完全に“蚊帳の外”に置かれてしまったのだ。

 しかも、トランプ大統領が今回、北朝鮮外交で強力なタッグを組んだのは、安倍首相が関係修復を拒否し、安倍応援団メディアが「トランプから嫌われ、国際社会で孤立」などと攻撃している韓国の文在寅大統領だった。

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                  韓国政府公式サイトより

 大阪でのG20後、トランプ大統領と文大統領は韓国・ソウルで会談後、ヘリコプターでパンムンジョム(板門店)へ向かい、トランプ大統領は軍事境界線で金委員長と電撃再会。しかも、境界線を超え現職のアメリカ大統領として初めて北朝鮮側に足を踏み入れた。さらに、金委員長とともに韓国側に戻り、文大統領と3人で、韓国側施設「自由の家」へ移動し、シンガポールハノイに続き、3回目の米朝首脳会談が行われ、その後文大統領も加わり米中韓3カ国会談まで行われた。

 非核化・朝鮮半島和平に向けどれほど進展に繋がるかはもちろん未知数だが、米朝の交渉チームの協議再開が決まるなど、ハノイでの米朝会談決裂以降の停滞していた北朝鮮情勢に一定の動きがあったことは間違いなく、少なくとも当面北朝鮮を孤立化させ暴発に追い込まないためには、大きな意味があっただろう。

 しかし、問題は日本政府と安倍首相だ。会談になんのコミットもできなかったばかりか、会談をやること自体を知らされていなかったのである。
 
 トランプ大統領が板門店を訪れ北朝鮮問題に動きがあるという噂は数日前から流れており、29日にはトランプがツイッターで〈日本を離れ文在寅大統領とともに韓国に向かう。その間に、もし金正恩委員長がこのツイートを見たら、軍事境界線・DMZ(非武装地帯)で会って、握手して、ハロー(?)って言うよ〉と投稿していた。しかし、それでも日本の官邸や外務省はとりあわず、取材にも「ありえない」と言い続けていた。

 外務省が会談を知ったのは、ニュースがとびこんできた後だったという情報もある。実際、第一報直後、NHKの取材に対し外務省幹部が「事前にアメリカ側から連絡はなく、情報の確認に追われている。アメリカ大使館や国務省にも問い合わせているが、詳細は不明」と答えている。

 いや、それどころじゃない。会談が終わった17時すぎの段階でも、外務省幹部は「まだ映像を見ただけで詳しい情報は入ってきていないが、まさにトランプ外交という感じだ」という新人記者のような感想を述べるだけだった。さらに、19時の段階で、NHKニュースが報じた外務省幹部のコメントは「アメリカから今回の会談についてまだ報告は受けていない」「まずは電話会談で把握したい」などというものだった。

 河野太郎外相も、“何も知らない間抜け”ぶりをさらした。会談に向け事態が進行している30日午前、河野外相が何をやっていたかというと、ツイッターにG20の会議風景を撮った“思い出写真”を次々アップして、「タローを探せ。」なるお遊びツイートに興じることだった。

 会談の数時間後に、ようやく記者団の取材に応じたものの、拉致問題が扱われたのかなど会談内容について問われると、「会談内容についていま日本側から申し上げることは差し控えたい」とコメントするのみ。「差し控えたい」って、何も知らされてないから、語ることができなかっただけだと思うが……。

 ◆文在寅大統領との会談を拒否し、対北朝鮮外交へのコミットの機会をふいに 

 しかしもっとも間抜けだったのはやはり安倍首相だ。G20サミットでは、韓国の文在寅大統領が日韓首脳会談に意欲を見せたのに、安倍首相は徴用工裁判問題を理由に拒否。議長国としてはありえないネトウヨ的行動に出たわけだが、文大統領は前述したように、今回、トランプ大統領と板門店に同行し、金委員長と会い、電撃米朝会談のキーマンになった。ようするに安倍首相はネトウヨ脳で対北朝鮮外交へのコミットのチャンスをふいにしてしまったのだ。

 いずれにしても、安倍首相と日本政府は、事前も、会談が終わってからも、何にも知らされていなかったということは間違いない。

 しかし、だとしたら、いったい安倍首相のこれまでのあの勇ましい言動はなんだったのか。

 たとえば安倍首相は5月19日の「全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!国民大集会」でこう宣言していた。

 「私自身が金正恩委員長と直接向き合わなければならないと、こう決意をいたしております。条件を付けずに金正恩委員長と会って、そして率直にまた虚心坦懐に話をしたいと考えています。」
 「拉致問題は安倍内閣で解決する」

 また、5月28日の日米首脳会談後の共同記者会見でも、こう胸を張っていた。

 「最新の情勢を踏まえ、方針の綿密なすり合わせをした。日米の立場は完全に一致している。拉致問題の一日も早い解決に向け、次は私自身が条件をつけずに金正恩朝鮮労働党委員長と会い、率直に虚心坦懐に話をしたい。トランプ大統領からも「全面的に支持する」「あらゆる支援を惜しまない」との力強い支持をいただいた」

 それが、たったひとり蚊帳の外状態。ようするに、これまでの安倍首相の発言はすべてインチキ、中身のない“やってる感演出”にすぎなかったというわけである。

 ◆「日米連携で北朝鮮外交」「韓国は蚊帳の外」と報じてきた安倍応援団メディアも大恥

  インチキがばれたのは、安倍サマやることはなんでも正しいと叫ぶ安倍応援団メディアも同じだ。何しろ、連中はこの間、日米が連携して対北朝鮮交渉を行い、韓国がいかに蚊帳の外に置かれているかを喧伝してきたのだ。

 たとえば、5月、安倍首相が北朝鮮との交渉について「前提条件なし」と方針転換を表明した際、御用記者のNHK岩田明子記者はこのように解説していた。

 「今回の発言は、根本的な方針を変えたのではなく、『今後は北朝鮮外交で日本が一歩踏み込む』という姿勢を示したということではないでしょうか。この対北朝鮮外交の姿勢については、実は安倍総理大臣は、2月の米朝首脳会談後のトランプ大統領との電話会談や、先月(4月)にワシントンで行った日米首脳会談で、『今まで以上に日本が積極的な役割を果たしたい』と伝えていました」

 また、「夕刊フジ」は4月の米韓首脳会談の際、「『実質2分』見限られた文大統領 米は裏切り許さず…『いい加減にしろ』文氏を恫喝」と言うタイトルの記事を出し、〈文氏がどのような誘い水をかけようと、トランプ氏には3回目の米朝首脳会談を行うメリットはない。〉〈米国が、韓国を見放しつつあるのは明らかである。〉などと断定ていた。

 さらに、フジテレビ系のFNNはつい3日前、28日に「韓国の外交孤立浮き彫りに」と題し、最近の韓国はアメリカとも北朝鮮ともギクシャクしていると分析、北朝鮮外務省のアメリカ担当局長「韓国との水面下のやり取りは「一つもない」と完全否定」という談話を紹介、「韓国の努力を「お節介」と切って捨て、仲介を頼むことは「絶対に無い」と突き放した」などと報じていた。

 他にも安倍応援団メディアは、「安倍首相とトランプ大統領の協力を得て、いよいよ拉致が動く」「日米の強固な絆で、韓国の存在はどんどん薄くなっている」などと書き立ててきた。その結果がこの有様なのである。

 ◆どんどんバレる安倍首相の外交失敗、トランプにもプーチンにも 

 もっとも、安倍首相は、この期に及んでなお、必死でインチキをふりまいて対面を取り繕っている。

 本日30日夜、参院選に向け行われた「ニコ生」での党首討論でも拉致問題解決に向け日朝会談は実現するのかという国民からの質問に、安倍首相はこう答えた。

 「今日も米朝首脳会談がございました。トランプ大統領からも私の考え方を金正恩に伝えていただき、また習近平主席もこの問題においてたいへんな協力をしていただいております。被害者のご家族もだんだんお年を召され、時間が残ってないという気持ちで、私もあらゆるチャンスを逃さない決意で、この問題全面解決に向けて全力を尽くしていきたいと思っております。最後は金正恩委員長と向き合って解決しなければいけない、そう思っております」

 ただ、伝言お願いしたのを手柄話のように語ったうえ、なんと厚顔にも「あらゆるチャンスを逃さない決意」と述べたのだ。G20での日韓首脳会談を韓国側からの呼びかけを無視して見送り、せっかくのこの大チャンスを逃したばかりでよくそんなことが言えたものではないか。

 安倍応援団メディアもこの安倍首相の失態をごまかそうと必死だ。NHKは30日夜の『これでわかった!世界のいま』で、国際部の記者が「トランプ大統領が幻想を振りまいているだけで、核合意は進まない」と日朝首脳会談の意義を否定。

 産経新聞にいたっては今回の米朝首脳会談を受けてなお、〈文在寅政権の対北融和政策は行き詰まり、北朝鮮側からも「仲介役」であることを否定された。国際社会で相手にされない韓国では“韓国孤立論”という言葉さえ普通に飛び交っていた。〉と文大統領ディスを展開した後、会談についても〈歴史的な場面を見せる効果はあるものの「成果」は別のものだ。これまで米朝と南北は「平和のための握手」(文氏)とその光景の発信を繰り返してきたが、目立った成果はない。〉とこきおろすなど、涙ぐましいまでの、“無理やり”記事を掲載している。

 もっとも、こうした手法はそろそろ限界にきているかもしれない

 あれだけトランプ大統領に言いなりになって、国益をすべて差し出してきたのに、対北朝鮮外交で外されただけでなく、「日米安保条約を見直せ」と要求され、数カ月前には参院選までに北方領土2島返還に道筋をつけると息巻いていたが、昨日の日露首脳会談では全く進展なし、ロシアにもお金をむしりとられただけだったことが明らかになった。

 安倍応援団メディアの協力を得て、“外交の安倍”をアピール安倍首相だったが、それがインチキであることがどんどんばれてきているのだ。参院選向けアピールのためにG20の日程を前倒しまでした安倍首相だったが、このG20が“終わりの始まり”になるかもしれない。(編集部) 

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【国際問題・戦争】  2019年07月01日  07:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

 

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【2019年07月01日 今日は?】:巨人王貞治が「1本足打法」初披露

2019-07-03 00:00:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2019年07月01日 今日は?】:巨人王貞治が「1本足打法」初披露

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019年07月01日 今日は?】:巨人王貞治が「1本足打法」初披露

 ◆7月1日=今日はどんな日 

  プロ野球の巨人王貞治が川崎球場での大洋戦で「1本足打法」初披露(1962)

 ◆出来事

  ▼安倍内閣が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定(2014)▼バングラデシュのダッカで武装グループが飲食店襲撃。日本人7人含む人質20人死亡(2016)

 ◆誕生日

  ▼明石家さんま(55年=芸人)▼香山リカ(60年=精神科医)▼江頭2:50(65年=芸人)▼関口知宏(72年=俳優)▼神山智洋(93年=ジャニーズWEST)▼岡本杏理(94年=モデル)▼相楽咲花(95年=モデル)▼岡本夏美(98年=モデル) 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2019年07月01日  00:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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