路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①】:日米首脳会談 世界に広がった多面的な「協働」

2024-04-17 05:01:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】

【社説①】:日米首脳会談 世界に広がった多面的な「協働」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:日米首脳会談 世界に広がった多面的な「協働」

 ◆結束して新たな秩序を作りたい◆

 冷戦後の世界が今ほど厳しい試練に直面したことはない。日米の首脳が結束し、安全保障やエネルギー、宇宙など幅広い分野で「協働」していくことで合意した意義は大きい。

 日米同盟をより強固にし、新たな国際秩序の構築に生かしていく時代に入った。

 岸田首相が米国を国賓待遇で公式訪問し、ワシントンでバイデン米大統領と会談した。

 ◆部隊運用を一体的に

 両首脳は会談で「日米同盟は前例のない高みに到達した」という認識で一致した。会談後には、日米両国がインド太平洋地域にとどまらず、世界の課題に対処する「グローバルなパートナー」と位置づける共同声明を発表した。

 今回の会談の最大の特徴は、自衛隊と米軍をより一体的に運用できるように「指揮統制」のあり方を見直す方針を決めたことだ。

 在日米軍は現在、米ハワイに司令部を置くインド太平洋軍の指揮に基づいて活動している。

 一方、日本は今年度末に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を創設する予定だ。これに合わせて、米軍は自衛隊との共同作戦を円滑に進めるため、インド太平洋軍司令部の権限の一部を在日米軍司令部に移行するという。

 台湾有事は現実味を帯びている。北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、挑発を続けている。緊急事態に日米が即応できる体制を整えなければならない。

 会談ではまた、日米でミサイルなど装備品の共同開発・生産を拡充していくことでも合意した。ウクライナへの軍事支援を続けてきた米国では、装備品の生産能力が 逼迫ひっぱく しているため、日本が生産体制を補完する意味がある。

 岸田政権はこれまで、敵のミサイル発射拠点を攻撃する反撃能力の保有を決め、米国が「矛」、日本が「盾」という従来の役割の見直しを進めてきた。

 こうした取り組みが、米軍と自衛隊の一体的な運用を可能とし、抑止力を高めることにつながるのは間違いない。今回の首脳会談での合意は、日米の新たな防衛協力の出発点となるのではないか。

 ただ、自衛隊と米軍の一体運用に向けては課題もある。

 日本の存立が脅かされる「存立危機事態」では、自衛隊は集団的自衛権を行使し、米軍の戦闘に協力できる。だが、その認定なしに米軍の戦闘を支援すれば、「武力行使の一体化」として憲法との整合性を巡る論議が必要となる。

 現実に即して問題点を整理していくことが重要だ。

 ◆安定的な供給網を確認

 首脳会談の成果は防衛分野に限らない。両首脳は、次世代エネルギーとして期待される核融合発電の技術協力を進めることで合意した。実用化すれば、安定したエネルギー源を確保し、国際社会に貢献することができるだろう。

 宇宙に関しては、米国が主導する有人月探査「アルテミス計画」で、日本人の宇宙飛行士2人を月面着陸させることを決めた。

 経済安保では、半導体やレアメタルなど重要鉱物の安定的な供給を図るため、先進7か国(G7)で協力することを確認した。

 中国は、政治的に対立する国に対し、重要鉱物などの貿易を制限して圧力をかける「経済的威圧」を繰り返している。多国間で協力し、中国への依存度を下げていく必要がある。

 国際情勢は 混沌こんとん としており、日本の外交力も試されている。

 米国は、ロシアによるウクライナ侵略や、中東の紛争への対応を強いられ、アジアの安全保障に向き合う余力は限られている。

 中国が東・南シナ海で覇権主義的な動きを強め、北朝鮮も核・ミサイル開発を続けている。日本はアジアの平和を守るため、主導的な役割を果たすべきだ。

 ◆早期停戦へ外交努力を

 日本は長年、グローバル・サウスと呼ばれる新興国・途上国の発展を支援し、各国と良好な関係を築いてきた。中東では、紛争に関与したことがなく、宗教的な対立も抱えていない。

 日本の強みを生かし、欧米と、新興国との橋渡し役を担っていきたい。イスラエルとイスラム主義組織ハマスに対して停戦を呼びかけていくことが大切だ。

 首相は会談で、日本人拉致問題の解決に向けて北朝鮮との対話や交渉に理解を求め、バイデン氏の支持を取り付けた。

 日朝首脳会談を行うとしても、それはあくまで日米韓の連携を保つことが前提だ。その原則を首相は忘れてはならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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