【外交】:岸田首相のキーウ訪問画策と名前あがる…在ウクライナ大使は鈴木宗男氏の“天敵”だった
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外交】:岸田首相のキーウ訪問画策と名前あがる…在ウクライナ大使は鈴木宗男氏の“天敵”だった
「(ロシアの)侵略から1年を前に、ウクライナへの連帯を示す動きとして敬意を表する」
バイデン米大統領がウクライナの首都キーウを電撃訪問したことについて、21日の会見でこう語った松野博一官房長官だったが、取り沙汰されている岸田文雄首相のキーウ訪問については、「現地の安全対策など諸般の情勢を踏まえて検討を行っているが、現時点では何も決まっていない」と慎重姿勢を崩さなかった。
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岸田首相(右)は本当にウクライナ訪問をする必要があるのか(左は、鈴木宗男氏)/(C)日刊ゲンダイ
NATO(北大西洋条約機構)加盟国である米国はともかく、日本は今回のウクライナとロシアの戦争について“当事者”でも近隣周辺国でもない。そんな中で岸田首相がキーウを電撃訪問すればロシアを今以上に刺激するのは間違いないのだから、当然だろう。
北方領土問題も抱える日本としては、ウクライナとロシアの停戦交渉の「仲裁役」を担う可能性はあるとしても、自ら戦禍に首を突っ込むような軽々な行動は厳に慎むべき……誰が考えても分かる簡単な理屈なのに、一体、誰が岸田首相のウクライナ訪問を促しているのかと思っていたら、元外交官で作家の佐藤優氏が1月28日付「琉球新報」のコラム<ウチナー評論>でこう書いていた。
「現在、日本外務省の一部勢力(特に在ウクライナ大使の松田邦紀氏)が、岸田文雄首相のウクライナ訪問を画策している」
松田大使とはどのような人物なのか。外務省欧州局ロシア課長などを経てウクライナ特命全権大使に就いたようだが、現参議院懲罰委員会委員長の鈴木宗男氏(日本維新の会)の“天敵”でもあったらしい。なぜなら、宗男氏が過去に政府の姿勢を鋭く追及した質問主意書に、たびたび登場する名前だからだ。
例えば宗男氏は2006年、【裏金組織「ルーブル委員会」についての外務省ロシア課長の認識に関する第三回質問主意書】を提出している。
「ルーブル委員会」とは、旧ソ連時代の1989年頃まで、在モスクワ日本国大使館に存在していたとされている「裏金組織」のことだ。大使館員の私用車をルーブルで売却し、外貨に換金していたといい、2009年11月に鳩山内閣(当時)の政府答弁書では、「『ルーブル委員会』という正式な組織の存在が確認されたわけではないが、両替が規制されていたソヴィエト社会主義共和国連邦時代の特殊な制度の下で、在モスクワ日本国大使館の一部の館員間でルーブルと外貨を必要に迫られて融通し合ったとの事実があったことが確認された」とある。
宗男氏はこの「裏金組織」を当時の松田課長(現ウクライナ特命全権大使)がどう認識していたのかと繰り返し追及。さらに2009年7月には【外務省におけるタクシー券の使用等に関する再質問主意書】と題し、松田氏らのタクシー券に使用状況につても厳しく問いただしているのだ。
宗男氏といえば、ウクライナに侵攻するロシアに対して「非難しても収まらない」などと繰り返し、ネット上で、<ロシア寄りの発言ばかりの政治家>との声が出ている。一方の松田氏は「岸田首相のウクライナ訪問を画策」——。
果たして真実、真相は何なのか。言えることは、とにかく冷静になることだろう。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・岸田政権】 2023年02月22日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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