【HUNTER・08.28】:“どう見てもクロ” ― 斎藤兵庫県知事を待ち受ける百条委質疑
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・08.28】:“どう見てもクロ” ― 斎藤兵庫県知事を待ち受ける百条委質疑
兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラなどを内部告発され炎上している問題を巡り8月23日、兵庫県議会が設置した「文書問題特別委員会」(百条委員会)で、県職員に実施したアンケート調査の「中間報告」集計結果が公表された。辞職を否定している斎藤氏だが、どう見ても「クロ」だ。
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約4,500件の回答の中で「記名」で回答した人が333人おり、うち百条委員会への証言などで「協力する」とした人は231人にものぼった。
アンケートの対象となったのは、亡くなった元西播磨県民局長が内部告発した7つの内容。その中には、斎藤知事のパワハラなどについて決定的なものが含まれていた。
・《「知事レクの際に気に入らないことがあると机を叩いて激怒する」関連 令和5年4月11日に知事レク(定例記者会見の項目説明)に陪席した際、レク開始早々に知事は「聞いてない」と発言、持っていたペンを机上に放り投げ、場の空気が凍り付きました》
・《神戸市内のフィールドパビリオン候補地(●●●)を視察した際、知事がエレベーターに乗ろうとすると目の前でエレベーターの扉が閉まり、乗り損ねたことに激怒して、エレベーター前にいた県職員に、施設の職員も見ている前で「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と大声で怒鳴りつけた》
などと、実際に県職員が斎藤知事のパワハラに遭遇した模様が詳細に記されている。
《目撃、経験等により実際に知っている人から聞いた》《人づてに聞いた》という項目では、
・《公用車で移動中予定時刻に遅れそうになると、公用車の運転員席を蹴ったり、タブレットを投げつけたりすると聞いた。(告発文が報道されて以降、控えているそうだ)》
・《知事が知らなかった行事(部長が対応)がテレビニュースで取り上げられているのを見て激怒したと聞いた。知事は自分がマスコミに取り上げられないと激怒》
・《(斎藤知事が知事室から)お帰りの際はエレベーターを待つ、途中階で止まると叱責されるため、秘書課総出で各フロアにてエレベーターが6階1階となる(知事以外が乗らない)よう奔走している》
・《公用車内で知事が激怒し、前方座席を蹴った》
・《「(俺は)知事やぞ」と言って怒っていたということを、実際にその場にいた人から聞いた》
アンケート調査が公表された同じ日、百条委員会で証言した県職員は「斎藤知事が片山副知事に、文具を投げつけて怒った」と語ったことを竹内英明県議(ひょうご県民連合)が記者会見で明かした。別の自民党県議は次のように話す。
「パワハラが百条委員会で認められても、斎藤知事は絶対に辞めない。クビをとるには内部告発された2021年の県知事選で県職員に選挙を手伝わせたこと。阪神とオリックスの優勝パレードで県から金融機関に補助金増額をさせてクラウドファンディングに寄付を強要したこと。政治資金パーティーで県職員にパーティー券を売らせたことなどという、刑事事件になるものが立証されないと居座るはずだ」
つまり、公職選挙法違反、地方公務員法違反、贈収賄、強要罪などが明確にならない限り、来年7月の兵庫県知事選までは続投するというのだ。
アンケート調査では、公職選挙法違反について、
・《齋藤氏が姫路総合庁舎に選挙演説に来られるので7級以上の職員は参加するよう事前に話がありました。当時、私の上司であった●●●●●●も7級だったので、8時半から9時までの15分程度の時間ではありましたが、出席されました。選挙目前、2021年7月13~15日のいずれかだったと記憶しています》
・《選挙期間中最終日、齋藤知事の選挙カー付近で(県職員幹部と思われる)●●●●●がスーツを着て、齋藤陣営と懇意にしている様子を目撃した。写真も持っている》
・《斎藤候補が姫路総合庁舎に来た際、当時の●●●●●●●●●●●●(県職員とみられる)の指示で、動員がかかり、所長級の幹部が全員、出迎えた》
と県職員を選挙のために動員していた生々しい経験談が記述されていた。
また、優勝パレードの寄付のため、補助金をつけてキックバックされるという公金横領、業務上横領に問われかねない内部告発については、
・《優勝パレードへの寄付金が不足しているため、信用金庫等などの中小企業への補助金を増額して、その増額分を寄付してもらうという税金の環流が行われ、寄付金の目標額を達成》
・《パレードを担当した職員から逮捕者が出るときいています》
と不正を語るものがあった。
県職員が斎藤知事の政治資金パーティーのパーティー券を販売していたという件については、
・《昨年度に開催された政治資金パーティーに関しては、片山(当時)副知事が、令和4年3月、令和5年3月県の部長級局長級を退職したOB(齋藤知事就任後の退職者)のうち、各部2、3人ずつをピックアップし、各部の関係団体にパーティー券を斡旋するように指示したそうです。全10人強のOBがそれぞれの部の関係団体にパーティー券購入を依頼し、各団体を●●●●●●●●●につないだようです。前述のOBたちは、概ね62、3歳で、そのほとんどが、現在も、県の密接関連公社理事長等役員をしています。そのうち一人から聞きました》
・《政治資金パーティーへの参加を働きかけるよう幹部職員に指示した》
・《(県職員OBの一人が)片山副知事の指示もあり、斉藤元彦後援会の事務局を事実上任される立場にあった》
・《県の中小企業対策の中核を担う公的団体で、県内企業や金融機関に影響力を持つ●●●●●●の幹部が、組織的にパーティー券の斡旋を主導している》
・《片山副知事が発起人になって、知事の政治資金パーティーの案内をしているのは文書で見た》
と斎藤知事 ― 片山副知事のラインで、県職員やOBがパーティー券の販売で動いていたという疑いが濃厚になってきた。
選挙の手伝い、動員や優勝パレード、パーティー券については「密室」での指示命令系統とみられ、パワハラなどと違い、表面化しにくい。それでもアンケート調査では、複数の疑惑を示す回答があった。
パワハラ目撃証言をはじめ、県職員のアンケートや証言はとても重い。これまで斎藤知事は「必要な指導」として認めなかったが、アンケート調査や百条委員会での証言から指導する資格がないことが証明された。辞任を完全否定し、「県職員との信頼を取り戻し、県政を前に進める」などと繰り返し語ってきた斎藤知事だが、県政は「大渋滞」だ。
8月30日の百条委員会には、斎藤知事本人や側近の県職員が証言する予定となっている。「斎藤知事のせいで、百条委員会という厳しい場に県職員が呼ばれて苦しんでいる。斎藤知事が辞めれば、みんな本当のことを言えるのに」と、心ある県職員は嘆く。
「刑事的な事件になりそうなものを側近の県職員が正直に答えるかどうかが注目だが、斎藤知事も圧力はきついと感じていることが23日の質疑でも感じる。斎藤知事の証人は1日では終わらない。複数回聞くことになるのではないか。百条委員会での虚偽証言は、刑事告発の対象になる。ここで斎藤知事を崩せれば、捜査機関も動かざるを得ない。自動的にXデーも迫ってくるはずだ」(前出・自民党の県議)
8月30日が百条委員会の「天王山」になることは間違いない。斎藤知事が「ウソ八百」を語らないことを願うばかりだ。
元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治体・兵庫県・前西播磨県民局長W氏が斎藤元彦知事のパワハラ、公職選挙法違反、贈収賄などの疑惑を内部告発した問題】 2024年08月28日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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