路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②】:クマ被害対策 駆除の必要性に理解広げたい

2024-02-26 05:01:40 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【社説②】:クマ被害対策 駆除の必要性に理解広げたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:クマ被害対策 駆除の必要性に理解広げたい

 人的被害が増えている以上、人里近くに出没する危険なクマを駆除し、生息数を管理するのは妥当な対策だろう。国や都道府県は実効性ある仕組みを構築しなければならない。

 調査や捕獲を計画的に行って個体数を管理する「指定管理鳥獣」に、北海道のヒグマと本州のツキノワグマを追加することが決まった。現在は、ニホンジカとイノシシが指定されている。

 環境省の専門家会議が、クマを追加する方針案を了承した。

 今年度のクマによる人的被害は1月末現在で218人と過去最多となり、うち6人が死亡している。市街地に出没する「アーバンベア」も社会問題化している。

 これまではクマの保護に軸足を置く政策だったが、被害の続発で駆除を中心とする生息数の管理に転換する必要性が高まった。

 対応に苦慮してきた都道府県も、国が立場を明確にしたことで、今後は駆除に取り組みやすくなるのではないか。

 指定後は、都道府県がハンターに払う日当を国の交付金で賄えるようになる見込みだ。これまでは財源が乏しく、人手が十分に確保できないこともあったという。

 駆除に対して抵抗感を抱く人も少なくない。自治体やハンターが、「クマがかわいそうだ」などと批判を浴びる風潮は根強い。

 しかし、駆除されるクマの大半は、人里に侵入して人や農作物に危害を与える「問題個体」と呼ばれるものだ。住民の生活と命を守るため、駆除が必要な場合もある。そのことについて、社会全体で理解を深めていきたい。

 重要なのは、クマの個体数を正確に把握することだ。今回の指定によって都道府県の生息数調査にも国の交付金が出る。

 過去には過剰な捕獲で個体数が減ったこともあった。九州のツキノワグマは絶滅し、四国でもその可能性が危惧されている。こうした事態を繰り返さないよう、調査の回数や方法を全国で統一し、精度を上げてもらいたい。

 クマによる被害が増加している原因には、過疎化や高齢化による地域社会の衰退や、耕作放棄地の増加といった構造的な変化も挙げられるだろう。

 かつてはクマのすむ奥山と人里の間に里山があり、住民が下草を刈って見通しを良くしていたが、人口減で荒廃し、クマが近づきやすくなっている。

 国や自治体は、里山を再生する取り組みを強化し、クマと共生できる環境を整える必要がある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月26日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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