【金口木舌・12.17】:ピトゥ文化の歴史たどる
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.17】:ピトゥ文化の歴史たどる
「ピトゥの味を知ってイルカい?」。名護市の広報誌「市民のひろば」の12月号は、しゃれを効かせた見出しで、ピトゥ(ヒートゥ)文化を紹介している
▼ピトゥはコビレゴンドウやバンドウイルカなど小型の鯨類を指す。食文化のあった名護では時期によって大型の鯨も捕獲し、1950年代に大型鯨の解体処理場まであった
▼名護湾の追い込み漁でピトゥが捕れると、住民が学校や職場から名護湾に押し寄せたという逸話が残る。規制によって、今は市内で出回ることも少なくなった
▼これほど多様な料理になるとは思わなかった。先日、名護市内や山口県の飲食業者が開いた「鯨食推進説明会」には刺し身、ユッケ、焼き肉など多様な料理が並んだ。低温調理や血抜き技術が発達し、肉に臭みもないという。調理人は鯨肉の可能性を感じたようだ
▼日本は2019年に国際捕鯨委員会を脱退し、排他的経済水域内で商業捕鯨を再開した。国際的な議論は続くが、独特の味覚を懐かしむ声もある。広報誌は今後、ピトゥ料理を出す飲食店を紹介すると結ぶ。なぐんちゅが親しんだ食文化を学び、歴史をたどってみたい。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月17日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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