【天風録・01.07】:正月の料理
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・01.07】:正月の料理
近所にある回転ずしのチェーン店は年末年始も千客万来だったようだ。麺類もあって年越しそばを食べられ、エビやイクラなど正月に縁起のよさそうなネタがそろう。子どもに不人気のおせち料理よりすしが選ばれるのかもしれない
▲お正月の食事風景は変わっていくのか。年明け早々、すしネタを巡って景気のいいニュースが聞かれた。青森・大間産クロマグロに2億700万円―。東京・豊洲の初競りで落札された。記録がある中で2番目の高値
▲競り落としたすし店グループ社長は「縁起物だから」。原価は1貫3万円だが、2貫1160円で回転ずし店に出すらしい。それでも手を伸ばせないけれど。同じ日、北海道・函館産ムラサキウニ400グラムに700万円の値が付いた。どんな人が口にするのだろう
▲インバウンド(訪日客)急増ですし店などは一層の成長が見込まれるに違いない。とはいえ、「海は変わってきているよ」。2億円のマグロを釣った漁師が語っていた言葉は気にかかる
▲すし人気もあってか魚を食べる文化は広がっているという。乱獲によって資源の枯渇が心配される魚種もある。そのうち正月だけの特別な料理になる時代が訪れはしないか。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2025年01月07日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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