宙組『FLYING SAPA-フライングサパ-』日生劇場公演を観劇(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/01c3ef85cbc237698bc183a192b2c409
『FLYING SAPA-フライングサパ-』、人それぞれの歴史によって心に響く場面、言葉は違うと思います。そんな違いがあっていい、投げかけるのでそれぞれの受けとめ方をしてほしい。そこがまさに上田久美子先生の意図するところだったように思います。
冒頭からスポークスパーソン副官@山吹ひばりちゃんの長台詞でポルンカの非日常的な世界へと観客は誘われます。人類の全世界大戦によって妻と娘を殺された過去を持つ総統01@汝鳥伶さんが意識データ「ミンナ」を一元化管理することによって平和が保たれているポルンカ。総統01を讃え、ポルンカ15周年を祝う市民たちの「ポルンカ、ポルンカ」とダンスをする場面が不気味な揃い方をしていました。斜めになるところが揃っている振付、作品世界をうまく表現していると思いました。わたしたちが負の感情として心の中に持ってはいけない、持っていても表に出してはいけない、社会で生きていくためには自分の中でうまくコントロールしなければならないとされている怒り、憎しみ、哀しみ、弱さ・・・、そういった感情を抜き取られた人たちの統率されたダンス。姿を現すことなく声だけで存在感をみせつける総統01。総統01が発明したポルンカで人類が生きていくためのデバイス「へその緒」の緑の光も、生で観劇するとモノトーンの作品世界の中でより緑が際立ち、不気味にまぶしく目に入りました。
「ようこそポルンカへ」、観客をぐっとポルンカの世界へと引き込んでいく役目を担ったスポークスパーソン101@紫藤りゅうくん、白いスーツのかちっとした着こなし具合と半ばアンドロ度的な表情、すらりと伸びた長い足。似合いすぎていました。プログラムをみると、二幕のサパのへそを目指すオバクたち一行を襲うポルンカの兵士も兼務していて出番が多く、10カ月前まで星組生だったことがうそのような溶け込み具合でした。
総統01の地球での姿、難民ブコビッチによって母の命を奪われたイエレナ@夢白あやちゃん、過去は描かれていないけれど総統01に反旗を翻すノア@芹香斗亜さんたちレジデンスたちが滞在する違法ホテル。そのサポ粒子によって「ミンナ」の管理から逃れることができている違法ホテルに逃亡したミレナ@星風まどかちゃんと逃亡を手伝う羽目になったオバク@真風涼帆さん、しがないポルンカの公務員タルコフ@寿つかささん。二つの世界が対立する中で4年分の記憶しかなく感情が動かない、空っぽの自分に苛立つオバク、なぜさみしいのか自分でもわからないけれどさみしさの海の中にいるようなオバク。お話を整理するとこんな構図だったでしょうか。ズービン@優希しおんくんが、生の舞台でみると身軽でより身体能力が高いことに感嘆しましたが、ズービンという名前、先日精神保健福祉用語辞典をめくっていたら、アメリカの精神科医ズービンという名前があり、上田久美子先生こんな文献も読んだりしながら作品世界を創り上げたのかしらと勝手に思いめぐらしました。
オンデマンド配信で視聴したナウオンステージより、スポークスパーソン101@紫藤りゅうくん、
「人間の普遍的なものが描かれている」
「まことしなやかに少しいびつであることを真実であるかのように伝える役目、客席が?って感じてもらえるような違和感をなにひとつ疑いなく言うのがむずかしい。」
「言っている内容が難しいので最初自分は何を言っているのだろうと思いながら稽古していた。」
「最初大パニックになりながら読んでいた、最近は自分もポルンカよりになってきた、これが普通なんだと」
「上田久美子先生からある種脚本家と一心同体であったほしいと言われた、お客さんに対して問いかける、ちょっと挑戦的である、作品のテーマに対してお客さんが?どうなんだろうって考えてもらえるようにやらないと、ただうさんくさいだけになってしまうとおかしいことになるので、ほんとにそこで生きてるんですよ、こういう世界なんですよと伝えたい」
真風さん「あんな長文をただ台本を読んでますだけじゃなく言っているのがすごい、先にひとりだけ台本もらってたんじゃないかと本読みのときに思った」
キキちゃん「ぴったりだなと思った」
なるほどなるほど、サパの世界深い、面白い。時間のゆるされるかぎりにおいてサパ語り続いてしまうかも。梅田芸術劇場千穐楽ライブビューイングの時に?ってなったイエレナの子ども、お父さんはサーシャ?ノア先生?どっちって思ったのですが、ノア先生ですね。まだまだいろいろ気がついていないことがありそうでキリがないのですが・・・。
花組時代のキキちゃんのスカイステージトークもオンデマンド配信で視聴していたら、星組時代の『オーシャンズ11』新人公演でダニー:真風さん、ラスティ;キキちゃん、ダニーとラスティの銀橋での場面、本番ではそんなことなかったと思うけど稽古場では噛む時も呼吸があっていたという話。宙組『オーシャンズ11』でダニーとラスティとして再びバディを組む未来が訪れることはまだわかっていなかったときのトーク。2011年の新人公演が2019年の宙組で生きたし、サパ初日の二人のあふれる涙、「泣いちゃってるの~」っていう感じで顔を見合わせながら互いにトントンっていたわり合う関係につながっていったのかと思うと感慨深い。一期違い、音楽学校のことが最近話題になっていますがうその信頼関係でこの舞台を創り上げることはできなかったと思うので、人にはわからない分かち合うものが二人にはあるのだと信じます。
宙組に異動してからのキキちゃん、英真なおきさんとのトークで、花組の『オーシャンズ11』でライナス、新人公演でダニー、そんなことがあるのかと思った、まだあるかもしれないよと英真なおきさん。
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/01c3ef85cbc237698bc183a192b2c409
『FLYING SAPA-フライングサパ-』、人それぞれの歴史によって心に響く場面、言葉は違うと思います。そんな違いがあっていい、投げかけるのでそれぞれの受けとめ方をしてほしい。そこがまさに上田久美子先生の意図するところだったように思います。
冒頭からスポークスパーソン副官@山吹ひばりちゃんの長台詞でポルンカの非日常的な世界へと観客は誘われます。人類の全世界大戦によって妻と娘を殺された過去を持つ総統01@汝鳥伶さんが意識データ「ミンナ」を一元化管理することによって平和が保たれているポルンカ。総統01を讃え、ポルンカ15周年を祝う市民たちの「ポルンカ、ポルンカ」とダンスをする場面が不気味な揃い方をしていました。斜めになるところが揃っている振付、作品世界をうまく表現していると思いました。わたしたちが負の感情として心の中に持ってはいけない、持っていても表に出してはいけない、社会で生きていくためには自分の中でうまくコントロールしなければならないとされている怒り、憎しみ、哀しみ、弱さ・・・、そういった感情を抜き取られた人たちの統率されたダンス。姿を現すことなく声だけで存在感をみせつける総統01。総統01が発明したポルンカで人類が生きていくためのデバイス「へその緒」の緑の光も、生で観劇するとモノトーンの作品世界の中でより緑が際立ち、不気味にまぶしく目に入りました。
「ようこそポルンカへ」、観客をぐっとポルンカの世界へと引き込んでいく役目を担ったスポークスパーソン101@紫藤りゅうくん、白いスーツのかちっとした着こなし具合と半ばアンドロ度的な表情、すらりと伸びた長い足。似合いすぎていました。プログラムをみると、二幕のサパのへそを目指すオバクたち一行を襲うポルンカの兵士も兼務していて出番が多く、10カ月前まで星組生だったことがうそのような溶け込み具合でした。
総統01の地球での姿、難民ブコビッチによって母の命を奪われたイエレナ@夢白あやちゃん、過去は描かれていないけれど総統01に反旗を翻すノア@芹香斗亜さんたちレジデンスたちが滞在する違法ホテル。そのサポ粒子によって「ミンナ」の管理から逃れることができている違法ホテルに逃亡したミレナ@星風まどかちゃんと逃亡を手伝う羽目になったオバク@真風涼帆さん、しがないポルンカの公務員タルコフ@寿つかささん。二つの世界が対立する中で4年分の記憶しかなく感情が動かない、空っぽの自分に苛立つオバク、なぜさみしいのか自分でもわからないけれどさみしさの海の中にいるようなオバク。お話を整理するとこんな構図だったでしょうか。ズービン@優希しおんくんが、生の舞台でみると身軽でより身体能力が高いことに感嘆しましたが、ズービンという名前、先日精神保健福祉用語辞典をめくっていたら、アメリカの精神科医ズービンという名前があり、上田久美子先生こんな文献も読んだりしながら作品世界を創り上げたのかしらと勝手に思いめぐらしました。
オンデマンド配信で視聴したナウオンステージより、スポークスパーソン101@紫藤りゅうくん、
「人間の普遍的なものが描かれている」
「まことしなやかに少しいびつであることを真実であるかのように伝える役目、客席が?って感じてもらえるような違和感をなにひとつ疑いなく言うのがむずかしい。」
「言っている内容が難しいので最初自分は何を言っているのだろうと思いながら稽古していた。」
「最初大パニックになりながら読んでいた、最近は自分もポルンカよりになってきた、これが普通なんだと」
「上田久美子先生からある種脚本家と一心同体であったほしいと言われた、お客さんに対して問いかける、ちょっと挑戦的である、作品のテーマに対してお客さんが?どうなんだろうって考えてもらえるようにやらないと、ただうさんくさいだけになってしまうとおかしいことになるので、ほんとにそこで生きてるんですよ、こういう世界なんですよと伝えたい」
真風さん「あんな長文をただ台本を読んでますだけじゃなく言っているのがすごい、先にひとりだけ台本もらってたんじゃないかと本読みのときに思った」
キキちゃん「ぴったりだなと思った」
なるほどなるほど、サパの世界深い、面白い。時間のゆるされるかぎりにおいてサパ語り続いてしまうかも。梅田芸術劇場千穐楽ライブビューイングの時に?ってなったイエレナの子ども、お父さんはサーシャ?ノア先生?どっちって思ったのですが、ノア先生ですね。まだまだいろいろ気がついていないことがありそうでキリがないのですが・・・。
花組時代のキキちゃんのスカイステージトークもオンデマンド配信で視聴していたら、星組時代の『オーシャンズ11』新人公演でダニー:真風さん、ラスティ;キキちゃん、ダニーとラスティの銀橋での場面、本番ではそんなことなかったと思うけど稽古場では噛む時も呼吸があっていたという話。宙組『オーシャンズ11』でダニーとラスティとして再びバディを組む未来が訪れることはまだわかっていなかったときのトーク。2011年の新人公演が2019年の宙組で生きたし、サパ初日の二人のあふれる涙、「泣いちゃってるの~」っていう感じで顔を見合わせながら互いにトントンっていたわり合う関係につながっていったのかと思うと感慨深い。一期違い、音楽学校のことが最近話題になっていますがうその信頼関係でこの舞台を創り上げることはできなかったと思うので、人にはわからない分かち合うものが二人にはあるのだと信じます。
宙組に異動してからのキキちゃん、英真なおきさんとのトークで、花組の『オーシャンズ11』でライナス、新人公演でダニー、そんなことがあるのかと思った、まだあるかもしれないよと英真なおきさん。