たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『FLYING SAPA-フライングサパ-』-稽古場ニュースより

2020年09月18日 18時02分52秒 | 宝塚
宙組『FLYING SAPA-フライングサパ-』日生劇場公演を観劇(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/01c3ef85cbc237698bc183a192b2c409

 わたしが日生劇場で観劇することができたのは中止期間があったからこそ。郷里から3月の赤坂ACTシアターは遠すぎたので先行抽選の申し込み自体を諦めました。日生劇場という客席の空間まるごとサパの世界と一体化していた作品。舞台装置が動くワクワク感。劇場の空間の匂いを感じながら、セットの上下にキャストがいる全体をみることができたのは本当にありがたく、幸せな時間でした。激戦の東京でよくぞ当選させてくれた友の会、宝塚は高い席から売れていくので、午前の部の一番安い席ならわりとお友だちになってくれる友の会。これからはまた土曜日の11時にへたりながらいくことになるのかなあ、今はまだわかりません。

「憎しみと過去を背負いながら人は生きていけるのか」という命題は上田久美子先生の客席への問いかけであり、社会への挑戦、サパという船に希望をのせたエピローグは先生自身の、希望を信じたいという想いをサパに託したのかなと勝手に想像しています。希望を失わなかった人だけがユダヤ人収容所から生き延びたとフランクルは『夜と霧』の中で書いています。想像の余地があるというのは楽しいものです。理系脳を使う作品なので理解できなかったという声もみかけましたが、言いたいことはシンプルだとまかキキも稽古場ニュースで言っています。夢を届けるのが宝塚、希望を失ってはいけない、普遍的な、人間の根源の問いかけと同時に先生からの熱いメッセージをわたしたちは受け取ったのかもしれません。

 オンデマンドで中止前のナウオンステージ、再開後の稽古場ニュース、梅田芸術劇場千穐楽映像など15日に配信されました。最初あまりにも情報が少なすぎてショーなのかと思ったという宙組生たち。ポスター撮影のときは公式の情報しかないまま雰囲気をつくった(真風涼帆さん)、上田久美子先生が用意してくれた銃などをみてショーではないんだということはわかった(星風まどかちゃん)。制作発表の時に無事台本が渡されたけれど、ネタバレ禁止でなにも言えない制作発表だった(芹香斗亜さん)。

7月の稽古場ニュース、司会は瀬戸花まりさん、ポレンカ唯一の放送チャンネル01のキャスターの役、ポレンカ15周年、白いかっちりとして衣装で「ポレンカ基本法にもとづいて~」とよどみなく伝える姿がお似合いでした。上級生娘役さんの存在感。

公演再開が決定してー

真:お客様と共にこの作品を劇場の空間で味わえると思うと幸せ。
芹:ネタバレ厳禁でお客様も気になったまま中止となったのでいよいよ全貌が明らかになる。

休止期間中-

真:最初の二週間ぐらいは今頃はサパの初日、何日目、もうすぐ千穐楽と気になった、ちょっと胸が苦しかった、長かった、サパが千穐楽を迎えたら急激な速度で毎日が過ぎていった、ぼうっとしてたらもう夕方。
芹:一日があっという間だった。危ない、危ない。こんなにいっぱい時間のあることが今までなかったので自分を見つめ直すこともいっぱいできた。
真:こんなに家で過ごすことが今までなかったので家の中の色々なことが気になり、そういうところから始めた。
芹:映画、ドラマ、そしてけっこう宝塚をみて初心にかえった、(自分の役作りのためという目線ではなく)単純に楽しめてすごくよかった。
真:上田久美子先生おすすめの本を読んだ。活字だけだど頭とかいろいろなところを使うのでけっこう大変、舞台とは関係ないその本を読んでもやっぱり自分は舞台が好きなんだと思った。舞台と時間とか距離をおいたことで自分を表現者としてみることができた。

再集合して-

真・芹:無事に始まった。
芹;みんな元気がパワーアップした。
真;再演に近い感覚。不思議。上田久美子先生が言われたようにいい方に働く部分と自分のものになりすぎたところの調節がすごくむずかしい。ダンスナンバーや音楽などの勢いで持っていける作品ではない、期間があいたからこそ面白くもありむずかしい。
芹;動きや台詞は体にもう入っているので惰性でやろうと思えばできてしまう。そこに緊張感が必要。前は台詞を間違えてはいけないとかの緊張感がいい意味でサパの世界と相まっていた。今はそこがむずかしい。
真;時間が決められた中で助けられているもの、せまってくるからできる部分を今あらためてやるので何で補充していくかというと、役、それぞれの個々人。
瀬:それぞれが今課題をもっているように思う。
真;(家で)一人でやるのとは違う、みんなが集まって音楽もあってやるので・・・。

オバクとノアのお互いにかっこいいところー

芹;オバクの静のイメージが強かった、最初の方アンニュイで力が抜けていてかっこいいと思った。今はめっちゃ立ち回りしてますよね。
真:そう、なんだかんだめっちゃくるんだもの。
芹:アンニュイな人がバシバシさばいている、ピストルで撃ちまくっている姿にずきゅんとくる、今気づいた。
真:再開してから気づくことはたくさんあるよね、それとは別の話だけど・・・。
真・芹:稽古が終わったあとこれってさあってなることがたくさんある。
瀬:ゆりかさん(真風涼帆さん)のロングコースの姿がめちゃくちゃかっこいい。スタイリッシュに決めているのでみなさん是非楽しみにしてほしい。

真・瀬:(精神科医の)ノアさん、あそこですよ、あそこ、ひとりでひゅーって言っている、わたしもってみなさんたぶん思う。
瀬:毎日行きます病院に、舞台に病院はでてこないけれど。
真:あーって言っていたら診てほしい。前半はいたって普通な人、人間的な優しさ、情がある人だけれどわたしがひゅうひゅう言っているところは男。はけ際にさらっと言う。おいてかれるんパターン。早くみてほしい。

作品の見どころなどー

真:知れば知るほど、見れば見るほど。自分の役はもちろん深めているけれど、時間をあけてみると他の人たちのバックボーンや時系列をさらに深堀できる。
芹:稽古場みてて、これってもしかして・・・。
真:これはこうかなと模索していたものが確信にかわった、まだまだ貪欲になれる。追究できるのは素晴らしい、早く言いたい。早くみてほしい。
芹:どこが素晴らしいのか、言えないのがもどかしい。
真・芹:知れば知るほど面白い。早く分かち合いたい。

意気込みをー

芹:公演が決まって嬉しいけれどまだまだ不安をぬぐい切れない時期、健康第一で、劇場に入ったら120パーセント楽しんで帰っていただきたい。
真:いろんな人たちの力あってこその公演と思いながら稽古にいそしんでいる。むずかしいじゃないかと想像がふくらんでいるかと思いますが、そんなにむずかしくないのでご安心ください。
いたってシンプルなテーマ。
芹:そうそう、そうそう。
真:非日常的な世界観なので柔軟な心をもって観劇していただけたら楽しんでもらえると思います。



 4カ月間、それぞれの中で温め続けられ、再集合したときにあらたな生命として創り上げられたサパの世界。舞台はキャストとわたしたち客席とで創り上げるもの。まかキキ、初日カーテンコールの大粒の涙には、ようやくお披露目できた、客席と作品世界を分かち合うことができた歓びもこめられていたのかな。

2020年9月14日(月)、日生劇場





終演後、いつもいっていたカフェでおそいランチ



帝国ホテルは秋の装い



東京宝塚劇場













ミッドタウン日比谷前