たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

星組『眩耀の谷』『Ray』-東京宝塚劇場公演千穐楽LV(3)

2020年09月22日 17時22分59秒 | 宝塚
星組『眩耀の谷』『Ray』-東京宝塚劇場公演千穐楽LV(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/2fbd6bc3d56ee9ffa21869f9371bd5a1

『眩耀の谷』、レイシン@礼真琴さんのやさしさ、あたたかさ、純粋すぎるほどに人を信じる心、己の理を信じて生きようとする真っ直ぐさ・・・『霧深きエルベのほとり』でフロリアンを生きた人なればこそと感じました。5歳になっている、管武将軍@愛月ひかるさんとの間に生まれた男の子にもう一度会いたい、周の辺境まで自分を連れて行ってほしいとすがるトウカ@舞空瞳ちゃんへのあたたかいことば「二人の間に生まれた子は周と汶(ブン)族をつなぐ希望なのだ」と。最後の、汶族の王となることを決意したレイシンが民を率いてあらたなふるさとを求める旅に出ることを告げる場面でも、希望ということばがなんどか出てきました。舞台の上で、きびしい人生を生きている役柄を通して語られる”希望”は押しつけがましくなく、そのまま素直に希望として心に沁みました。子の父である管武将軍にわが子を殺されて、一度は生きる意味を見失ったものの、いのちをつないでいくために希望を胸にレイシンと共に生きていく道を選ぶトウカ。周から逃げのびたとき目の光を失ったトウカ、舞姫だったトウカの、いのちを想う舞。ひっとんの表情と全身筋肉の引き締まった肢体から繰り出される踊りは思い出しても涙。どんなときにも希望なのだと、希望がなければ生きていけないのだと、サパとはまた違う世界観の中で背中をやさしくおしてくれたような作品でした。最後にようやくライブビューイングですが見届けることができてほんとうによかったです。

 音波みのりさんの周の宣王@華形ひかるさんに讒言する巫女役、こんな敵役を演じるの初めてかな、レイシンの部下でありながらレイシンを裏切る慶梁(けいりょう)@天寿光希さんの、レイシンの手紙を読んで目を見開いた瞬間が『鎌足』の恵尺(えしゃく)を思わせるいやらしさ。出番は多くありませんでしたが上級生がしっかりと舞台を固め、新人公演を卒業した若手の出番が増え、新しい星組が船出したことを実感しました。

 挨拶のことばを思い出せる分だけ断片的に。

 華形ひかるさんの退団挨拶、ようやくこの日が来たというべきか、ついにこの日が来てしまったというべきかで始まりました。1999年入団、自分の体を通して舞台で生きた役柄は70にもなると。10年目で演じた『銀ちゃんの恋』のヤスが転機になったという話があったと思います。21年間男役として生きた宝塚生活に一片の悔いもありませんと。涙が出そうになっているようにもみえましたが涙はありませんでした。清く、正しく、美しく、そして朗らかに、小林一三先生の言葉を胸に宝塚を、と後輩へのメッセージ。三度目のカーテンコールだったかな、幕があがったときこっちゃんと二人で立っているのかと思ったら、こっちゃん一人で立っていて、「隣にいるべきはずの方を呼んでみたいと思います」で「みつるさん~」と呼ばれると舞台へ。大劇場千穐楽の時には隣に立っていたのでこれやってみたかったと最後までお茶目。こっちゃん、「世界の彼氏の力を見せつけられました。わたしたちが恩返しするはずの舞台で最後までたくさんお世話になりました」と。最初二人で向き合っていて、客席の方を向きましょうみたいなやりとりがあったかな。大羽根は自前のソーシャルディスタンスとこっちゃん。たしかにすぐ隣に立つことはできませんもんね。

 この公演を最後に星組組長から専科へ異動した万里柚美さんの挨拶、東京公演が始まってから新型コロナウイルスの陽性判定者が一名出たことにより中止となり楽しみにしていたお客様には申し訳ありませんと謝罪のことば。感染者とは言わなかったところが個人的にはとても大事だと思いました。あくまでも検査で陽性が確認されたということ。悔しさが滲みでているようにもわたしは感じました。わたし中止でチケットが幻になった一人ですが、謝らないでと思いました。紫ともちゃんと同期、宝塚から離れていた頃、100周年記念でスマスマに出演されたとき組長なのだと知り、麻路さきさんがまだ若手だった頃からずっと星組にいらっしゃることに感動しかありませんでした。美の化身、ライブビューイングをみるようになってから、毎回手元を全くみることなく今後のスケジュール日程を紹介する千穐楽の姿も感動でした。星組は華形ひかるさんの第二のふるさと、組長として最後に華形ひかるさんを送り出すことができてほんとうに幸せだと。

 こっちゃん、柚美さんは星組の守護神、そして母親、今回三度目の息子役、台湾公演、モーツアルトとの二作はバカ息子で心配かけた、ようやく母親想いの息子になることができた、たくさんたくさん叱っていただいた、育てていただいたと涙、涙。

 この公演は全国の映画館、台湾、香港、そしてライブ配信でも中継されていますと言った時、ライブ配信っていうところで慣れていないからか、こっちゃんの目がいちだんと大きくなってようにみえました。みなさん、みてますか~とカメラに向かって手をふり、台湾、香港のみなさん、紅さんの言葉をお借りしてVeryシェイシェイ。カーテンコールは四度ぐらいあったかな。劇場の客席は静かにスタンディングオベーション、舞台装置のトラブルで中断していた間画面に映る客席もほんとうに静かでした。サパの日生劇場客席もプラミアムコンサートの帝国劇場客席もこの日の映画館もほんとうに静か、係員の姿はあってもほとんど声を発しないし、静かなんですよね、ほんとうに。

 この日が迎えられないかもしれないと不安になることもあったとこっちゃん、この作品がみなさまの心の残ることを祈っています、そして最後にみなさまの健康をお祈りしていますと涙。千穐楽まで長かったでしょうね。無事に幕をおろすことができてほんとうによかったです。

 ショー、『Ray- 光の光線-』、映像演出で映し出された瞳はこっちゃんの瞳だとか。文字通り、体重をほとんど感じさせることなく舞うように踊る舞空瞳ちゃんとのディスタンスはさらに二人の可能性の広がりを予感させるショーでした。

 言葉は全て脳内変換されたニュアンス、細かくはまだまだありますが記憶のあるうちに書いておきたいことはひととおり書けたかな。

日比谷シャンテには新しくなった宝塚ホテルの広告も。
遠くなったので全く目途はありませんがこの世にいる間に一度はゆっくり泊まりたい。

 

 昨日は敬老の日で、今日は秋分の日なんですね、26年前妹を見送ったのはまだ暑い秋分の日だったような気がするし、10年前父を見送ったのもこの連休だったのですが、祝日が年によって変わるようになり、不謹慎だと怒られるかもしれませんが頭の中で整理がつかなくなってきました。25年前には一周忌があったはずでわたしも参列したはず、母の遺品の中には家でやるために準備した品々を書いたノートがありましたが、何も思い出すことができません。他のことは克明に思い出せるのに一周忌のことだけ完全に記憶喪失。サパの記憶を消去する装置がなくても、あまりにもきつい記憶を人は忘れることができるようになっているのか、全く記憶にありません。今わたしにできることは自分のいのちをつないでいくこと、体がどこまで体がついていくのか不安ですが踏み出していくこと、この機会を逃したらもうあとはない。それだけです。

 30日望海風斗さんのコンサートで東京宝塚劇場、当選するとは思わなかった、終演後はゆっくりできない。日比谷シャンテのキャトルレーヴの買い物、早目にいってすませねば。その前にかなり冷房で体が冷え切っているので一度スパでゆっくりあったまりたい。その前に準備いろいろ・・・。