たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『この地球で私が生きる場所』より-「心の振り子が揺れるたび、詩ができる」

2022年01月02日 12時51分29秒 | 本あれこれ


「22歳、出国。26歳、オランダへ-モーレンカンプ富田ふゆこさん、詩人・日本語教師

 自分の目で世界を見てみたいと、家出をするように国を出た。22歳、横浜を出港してアメリカに着くのに二週間かかった。世界は実に広いと思った。

 大西洋は飛行機で渡ったが、日本からはどんどん遠く、寒い北国のオランダに帰化することとなって、心は何年も日本とオランダの間を振り子のように揺れた。だれかに分かってもらいたいと一生懸命、歌を書いた。異文化の溝(みぞ)、人間同士の溝は実に深いと思った。

 いつ頃だったろうか、時計が振り子だけしゃないんだと気が付き始めたのは、いったりきたりする振り子を抱き込んで、昼も夜もコチコチ動いていたあの柱時計。あの中はいったいどうなっているのだろうと。それからは分かりたい一心で書いた。書いている自分はさっさと書いていて、「どうしようどうしよう」と言っている方の自分がそれを読んで感心する。「なぜ」と問おうものなら、今度は愛する人々が、宗教や哲学や心理学の本なんかをポコンと机の上に置いてくれる。

 異邦人としての半生は実にさみしかった。今ではそれが自分自身のありように起因するということがわかる。外国で生きていくため、心の傷をかばうため、知らず知らず自分の周りに築き上げた頑固な砦。心が何かから切り離されているから孤独なのであろう。日本とオランダをつなごう、己と人とをつなごうとしても、天と己がつながっていなければ、そして己と、己の内なる世界がつながっていなければ、いつまでも振り子は不規則に揺れるばかりか。

 私の時計は今やっとコチコチと規則的に動き始めたようだ。振り子が揺れなくてはしょせん現世の時計も動かない。毎日かすかに響きあって起こるものごと。ちゃんと落ち着くところに落ち着くものごと。逢うべくしてめぐり会う人々、どんどん複雑になっていく喜怒哀楽。振り子がひとつ揺れる度に詩がひとつできる。

 白と黒としか見えなかったような私の目。世界は大きくも小さくもなさそうだ。耳を澄ませばどんな妙なる音色が聞こえてくることだろう。この爆弾と悲鳴のとどろく世界に。

 国を出でし時とまってしまった我が時計巻いても巻いても22歳
 窓口で法律用語を調べつつ日本国籍破棄を告げけり
 異国(ことくに)の母の童話に娘が画(か)きしさし絵の涙の大きかりける
 菩提樹の光も影も我が裡(うち)に定まりて今秋立ちぬらし
 花はつむためにあり人は泣くために逢うとつぶやきてうれしも

 雪降らす天には天の事始め
 手の中に団栗(どんぐり)という故国あり
 蘭英の辞書ほころびて霜の夜」

宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』-ぽっぷあっぷタイムより

2022年01月02日 00時58分18秒 | 宝塚
宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』-ナウオンステージより(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/0a029a4da53421b34694db765587f8ff

 オンデマンド配信中の宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』のぽっぷあっぷTime、配信が終了するので気になるところを、自己満足の備忘録(敬称略)。

『シャーロック・ホームズ』の役作りについて-

紫藤りゅう(J・モリアーティ大佐)
「モリアーティ教授のお兄さん、悪い組織の長、芹香さん演じるモリアーティ教授の狂気に満ちた感じが手助けになった、ああいう弟だからこそこういうお兄さんができあがった。二人でモリアーティ兄弟だとみてもらえるようにしたい。兄弟愛が深い、弟が大好きというよりはどこか深いところでつながっている、弟に依存している、歪んだ愛みたいなのがでたらいいなと思う」

凛城きら(ホームズのお兄さん、マイクロフト・ホームズ)
「弟に負けないかそれ以上に推理力がある、兄弟共に頭脳明晰である、同じような癖のある部分と違う部分もあるというところが表現できたらいいなと思う。真風さんありきで考える。原作ファンが世界中にいらっしゃるので違いすぎてもよくないと思う。仲いい感じではない。喧嘩っぽいシーンが多い、気兼ねなく言える感じが出せたらいいなと思う」

寿つかさ
「稽古場の最初にこちらは悪い人ですというわかりやすい先生の説明があった、そこに徹したい。事件の発端、最初にしでかしてしまう」

留依蒔世(スコットランドヤードのグレグスン警部)
「レストレード警部の部下、愉快なトリオ、愉快なのは袖だけ、ホームズがいつも事件を解決してしまっているがホームズよりもイギリスに対する愛は強い」

遥羽らら(ホームズの下宿先の女主人、ハドスン夫人)
「毎日楽しい、こんなにも自由な芝居を最後にできる(のが嬉しい)。いろいろな人が入って来るので最後にいろいろな人と絡める。イレギュラーズたちの子がすごく可愛い。いつも怒っているけれど基本優しい」

瑠風輝(犯罪シンジケートの暗号の天才、ポーロック)
「二面性を持った役なので、なかなかネタバレができなかった、いろいろな方と絡む、一石二鳥みたいになっている。元国家公務員、最近ルイさん演じるグレブスン警部と警察学校で同期だったという設定を考えた。しばりがない自由な役なので日々いろいろとしまくっている」

『デリシュー』-

紫藤りゅう
「王妃のお茶会の場面、稽古場からみんな面白すぎて笑いが止まらなかったのが舞台にきて扮装するとさらにみんなとんでもなさすぎて(面白い)。貴婦人のみなさんも可愛い。マカロン伯爵はみんなから狙われている、王妃様はちょっときびしい」

瑠風輝
「カンカンの場面がいちばん好き、舞台に出ている時は苦しさを感じない、袖にはけたときが大変」

遥羽らら
「キャンディーケーンの場面がいちばん好き、キキさんと踊らせてもらって大変だけれど後半みんなで声出してる」

留依蒔世
「チョコレートケーキの場面が一番好き、難しいけれど歌いがいがある、今回たくさん歌わせてもらっている」

退団するららちゃんのとっておきエピソード-

紫藤りゅう
「カンカンのY字バランスのところで組んで踊っている、みんながぴょんぴょんと回転するところでなんだかよくわからない言葉を発してくれる、日によってフォーとか言いながら回ってくれてすごく可愛い。ラストでこうして少しでも絡めて嬉しい」

凛城きら
「ららちゃんといえばキャラクターとしての豚ちゃんが好きで可愛い。LINEで自分と同じスタンプを買っていた」

寿つかさ
「お父さん役をなんどかやっているので娘のような存在ですごく可愛い。身体能力が高い、運動会もだけどアナスタシアのフィナーレナンバーの花道でららちゃんが足を片方真っすぐ、左足は曲げてカンフーの飛び蹴りみたいになっていた、リフトの前にあの衣装で、わたしの目の高さぐらいを飛んでいた、(組んでいた男役さんと)二人で飛び乗る練習していたとき父のようにがんばれと見守っていた、見えないところで一生懸命取り組む姿も可愛い。今回もららちゃんの魅力がたくさんみれる公演になっているのでみなさま応援しながらみてあげてください」

ルイマキセくんとるかぜくん、新人公演の主演をしたときそれぞれららちゃんのヒロインと組んだという話。

瑠風輝
「笑ってしまうほどの天然キャラ、10年間一緒の同期生、上級生からも愛されて可愛い、エピソードありすぎて語れないのでここでとめておきます」

留依蒔世
「エピソードしかない」

番組の最後に花束をもらったららちゃん
「まだまだ実感がなくて幸せな毎日なのでかなしさはない、楽しさの方が勝っている、それがすごく幸せだなと感じる日々、残りの公演もみなさまと楽しく過ごせたらなと思います。最後までどうぞよろしくお願いします」

 9月26日の東京宝塚劇場千穐楽で退団したららちゃん、その後どうしているのかなと気になっていたら、花音舞さんのインスタグラムに登場、キキちゃん主演の『プロミセス・プロミセス』を観劇、一緒に食事したお写真も。元気そうで安心しました。東京に引っ越してきたのかな。花音舞さんの30日夜のインスタライブが楽しすぎました。こんなに面白い方だとは知りませんでした、そして、ものすごくタフ。如月連さんのYouTube配信をみたときにも思いましたが、これぐらいタフでないと宝塚の舞台に十数年立ち続けることはできないのだと納得しました。

花音舞さんのインスタグラムのアーカイブ、いつも笑顔で過ごそうって。
https://www.instagram.com/maikanon__official/channel/

『ホームズ』『デリシュー』、まだまだ気づいていないところがありますが、とにかく楽しかった。





『プロミセス・プロミセス』のナウオンステージが配信された、残念ながら著作権で舞台映像はなくポスター画像だけど嬉しや。何十回も見ちゃうかな、時代背景を勉強したであろうキキちゃん、しどりゅうの話がなかなか深い。