たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2023年『ルーヴル美術館展-愛を描く-』より-「かんぬき」

2024年01月03日 19時36分03秒 | 美術館めぐり

ジャン=オノレ・フラゴナール

《かんぬき》

1777-1778年頃

油彩/カンヴァス

絵画部門

「左手に若い女性を抱き、右手でドアのかんぬきをかけようとしている男。画家得意のテーマ”劇的な愛の場面”だが、以前の作品には見られない明暗を重視した表現法は、1773~74年の第2回ヨーロッパ旅行中に鑑賞し、感銘を受けた17世紀オランダの画家レンブラントの影響を物語る。

 フラゴナールは、”ロココの世紀”の最後を飾った画家である。30歳ほど年上のシャルダンやブーシェに指示し、軽やかな色彩と速筆による躍動感溢れる構図で、生命力に満ちた名画を数多く世に送り出した『ギマール嬢の肖像』など幻想的肖像画シリーズや、『かんぬき』がその代表作だ。しかし、このころのブルボン王朝はすでに斜陽期にあった。1756年に始まった7年戦争などで国は疲弊し、ロココの流行も下火となっていた。男女の忍び逢いという、ロココ特有の官能的な題材で描かれた『かんぬき』でも、色彩より明暗の効果が重視され、人物の動きも直線的で、冷たい仕上りを見せている。革命前夜に描かれた『かんぬき』こそ、ロココ最後の輝きでもあった。」

(『週刊世界の美術館-ルーヴル美術館②』より)

 

 

 


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