アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

時代とピアノの発展

2016年05月30日 | ピアノ
昨日の、三台ならんでいたピアノのうち一台は、ピアノというか「フォルテピアノ」。

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金属フレームが入ってないので現代ピアノよりはるかに軽いです。弦は交差してないのでかなり「鼻長」で、持って帰っておうちに置くにはためらわれますね。(誰もくれるとはいってない)

弦が交差していないことの、響きへの影響というのは、なにせほかの仕組みも現代ピアノといろいろ異なるので直接比較しにくいですが、まぁ純粋な響きというか、やはり違う味があるように思います。

鍵盤は現代ピアノより少なく、キーの幅もやや狭いです(弾いてると「おっとぉ」ってなります)。

昨日の企画で、第二部は、それぞれのピアノの解説と、試弾でした。「濃い」お客さんが集まってるので試弾のレベルがむっちゃ高く、コンサートの演奏として聞けるレベルのものが次々と出てきて、しかもその楽器の特徴や魅力が聴いてるほうにもわかる演奏でした。

キルンベルガー調律のフォルテピアノでも、モーツァルトのバイオリンソナタの一節…現代ピアノで弾くと、明るく転調したとしか思われないシャープ三つの長調が、なぜだか胸をかきむしられるように響きになって、というのも音大生の女の子がさらりと弾いてくれました。あと、半音階が多用されるロンドイ短調も参加者の男性が弾いてくれて、これがとても、後をひくというか今も頭にこびりついて離れないんです。

モーツァルトさんは明らかに、均等割りでない調律のことが頭にあって、調によって変わる響きを意識して曲を作っていたのでしょうね。ベートーベンさんになると違う感じでしょうか。このへん、ピアノの進歩もめまぐるしいのでちょっと生まれた時代が違うか長生きするだけでも、手に触れるピアノがぜんぜん違っていたかも。

そういえば昨日の参加者の中に「産業史」がご専門という方がいて、その方のご質問「鉄鋼技術の発展とピアノの進化は深い関係にあるのではないでしょうか?」

…最初「さんぎょうし」というのが頭の中で漢字変換できませんでしたがそんなジャンルがあるのね(^^;; さすがの加藤さん(調律師)も「その視点はなかった」とうなってましたが、確かに鉄の扱いで技術の発展があり、たとえば強く張れる弦とかが作れるようになったことは、ピアノの発展にも大きく寄与したはずです。

昨日の記事に貼ったベヒ(1928製)は、鉄フレームも入ってますし今のピアノにかなり近いですが見た目の大きな違いは「ごつい!!」カクいんです。側の木が一体の曲線を描いていなくて、カドがありますよね。

ピアノの箱部分は昔も今も木ですが、ピアノの側板を曲げるにあたっては金属製の治具やネジを使うのでやっぱりそういう技術発展は必要だったはずです。最初に今のピアノのような曲がった一体成型をやったのはスタインウェイとのことです。その利点は大きな響きが得られること…

そして、ベヒの場合、一体成型じゃないことを活かして(?)低音側の板と高音側の板で木の種類を変えているのだそうです。低いほうはやわらかい木、高いほうはかたい木、より純粋な響きを志向して。

現代ベヒシュタインはすでに見慣れたピアノなんですけど、純粋な、クリアな響きを志向するところは昔のベヒを受け継いでいるといってました。

会場に並んでいたのは以上三台ですが、そのほか、入り口付近にあったローゼンベルガーも見せてくれました。


木目がたいへん美しいフォルテピアノで、でもさっきのより後の、ほとんどフォルテピアノ最終形態のような楽器だそうです。だいぶ強く弦が張られていて、たぶんこの形(金属フレームなし)の限界あたり。これはレプリカではなく本物です。

古い形で新しく作られた(レプリカ)フォルテピアノ
新しい形の古い(本物)フォルテピアノ

この音色の味わいの違いがまた、おもしろいんです。この本物フォルテピアノの、深みのある中低音域にはすっかりやられましたわ~高音域はあまり好みではありませんけど。

「好み」といえば、昨日の写真にあります「カクい」ベヒシュタインはめっちゃ私の好みでして、もちろん安心してください!! 買いませんよ。フルコンのサイズですし、貴重品ですし、買えませんけど、宝くじ当てたら舞い戻りたいかも。幸せな弾き心地でした。

そうですね、お金がうなるほどあったら、おうちにいろんな時代のピアノをおいとくといいですね(ピアノ買う前にまず広いお屋敷を建てないとね)。誰それの作曲だから、こんなピアノで弾いていたかな~といっていろいろ試せたら、ほんと楽しいと思います。って、いくら当てればいいんだ。。

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