アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ピアニストの表現、個性ってソコ!?

2016年05月03日 | ピアノ
昨日放映された、「プロフェッショナル 仕事の流儀」に牛田くんが出てたので見た。

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牛田くんといえば12歳くらいのときのテレビ出演を見て、愛くるしい笑顔と独特なしゃべり、それとめっちゃ大人っぽい「エディット・ピアフを讃えて」演奏とのギャッフ萌えが印象に残っているのですが、その後買ってみたCD(リストとか入ってるやつ)はどうもピンとこなくて、それからウォッチしてなかったの。

彼ももう16歳高校生ですか~ということで、「どんな演奏するようになったのかな?」という興味があった。

しかし、演奏をまとめて聞けるように放映してくれる番組じゃないわけで(そりゃそうだ)

番組編集のあざとさというか、切り取り方がもぅもぅもぅ…
それでなんか見終わってモヤモヤ。まぁ聞いてくださいよ。

彼を長年指導してきた金子勝子先生は、「正しい演奏より、自分なりの表現」ということを言ってきたそうで、それはもちろんそうですね。彼でなくては、という部分がなかったら誰もわざわざチケット買ってコンサートに行かないわけですから。

で、クラシックピアニストの場合、演奏の個性とか表現とかがどこに出るのかって話です。

楽譜に書いてあることを尊重するのは大前提で、それに牛田くんが修造のインタビューに答えていっていたように
「奇をてらうのはダメで、それはたぶんお客様が聞いていても楽しくない」
んですね。

あくまでも、ピアニストの感性というものに100%沿って、自然に表現されてこそ、聴いてる側の心に届く。

そこまでは納得です…

じゃ、単に楽譜どおり正確な演奏と、ピアニストなりの表現を盛り込んだ演奏と何が違うのかという、実演

まず「ふつうに」弾く(「月の光」のひとふし)

それから「表現を入れて」弾く(同じ個所)

修造くんが、「今の何が違うんですか?? すごく違って聞こえる!!」

その「表現を入れた」演奏というのは、とある内声を強調したものだったのですが、ピアノにもクラシックにも別に詳しくはないと思われる修造さんや視聴者の皆様にもわかるように、それは実際の演奏としてはありえないくらい強く弾かれていました。

当たり前ですが牛田くんが自分なりの演奏、表現を考えるときに、どこの内声を強調するかということ「だけ」考えているというはずはないのですが、たぶん番組制作側が理解して、番組への記述として盛り込もうとしたのがそれだけだったのね。

だから、牛田くんが移動中の電車の中で楽譜を見ながら、強調しようとする内声をあれこれ考えてマーキングをつけるところを撮影してたり、牛田くんコメントとして「こういう(ある内声を強調するような)弾き方は賛否が分かれるんだけれども」でも自分は自分なりの表現を追究したい、というふうにしゃべらせたりと、

ピアノ演奏の表現(個性)というのは、どの旋律を見出して強調するかということなのね

みたいな印象を与える番組となっとりました。モヤモヤする~


それと、牛田くんがショパコンを弾く演奏会でリハのとき、会場の音の響きを気にして「細かいところが埋もれてしまう」

それで、その夜に弾き方を調整して(一音ずつ高いところから叩きおろすような弾き方)本番に臨んだというところが映されていたんです。

その弾き方はミスタッチの危険が増えるけれど、でもリスクを取ってもやるべきことをやり遂げる、みたいなーーあー書いててむずむずするけどーー若人の挑戦、っぽい美談ぽい取り上げ方してて、でも見た感じも聞いた感じも無理してる叩き弾きで別にちっともよくなかったわ。会場で聞いてた人がどう聞こえたか知らないけど…


それで、結局今の牛田くんが何考えてどういう演奏してるかちっともわからんじゃないの~と不完全燃焼になり、やはりNHKの番組なんぞに頼らず、CDを買うか演奏会に行くしかないわね。と…あれ?? なんかしてやられてる??(^^;;

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コメント (4)
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