アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

燃え盛る石炭がみえる、アルカン鉄道

2016年11月19日 | ピアノ
昨日は、去年に引き続き森下唯のオールアルカンに行ってきました。会場について早速、新しく出たCD「ALKAN2」をゲット。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←こんなマニアックなコンサートに足を運ぶ人がそんなに…あれ満員じゃん

今回のメインは「すべての短調による12の練習曲」より第8番~第10番ということで、なに? 曲集の一部? って感じだけど、これが…
この「第8番~第10番」がひとつの「協奏曲」の第一楽章~第三楽章に相当するつくりになっています。

前に行った調布のコンサートで聞いた協奏曲は、モーツァルトのピアノ協奏曲をアルカンがピアノ独奏版に編曲したもので、ふつう協奏曲をピアノ用に編曲するなら独奏ピアノとオケで二台でしょーそれだってなかなか音を弾ききれなかったりすると思うんだけど。それを一台に詰め込むとか頭おかしい(←いちおうほめてる)。

それが、これの場合はアルカンが最初から作った「協奏曲」だからどんなことになってるのやら…


さて前半は、「軽く」歌曲集から始まりました。歌曲集といっても元々歌だったという事実はなく、元々ピアノ独奏曲です。メンデルスゾーンの無言歌から形式を引き継いだもので、6曲ワンセット(ホ長調、イ短調、イ長調、嬰ヘ短調、ト短調)で最後が舟歌。

私がハマって弾いていたのも歌曲集の舟歌ですが、昨日のは「第三巻」なので別の舟歌が出てきました。

私が弾ける(というと言い過ぎですが弾いてみることができる)舟歌が入ってるくらいなので、歌曲集はそんなに超絶技巧じゃないのかなと思いきや、確かにメロディックで音が立て込んでないところもあるけれど、だいたい「あーこれはナイナイ」ってところが出てきて、みたいな、煮ても焼いても食えない進行がお約束です。そして舟歌は一点して「白い系」だからこそ難しいってやつ。

でも聞く分には、とてもおもしろかったなー、で、これが今日買ったCDに入ってないんですよ!!(-_-# 入れてください!! 歌曲集すき。

その次に置かれた小品「欲望」ってのは、作品番号もついていない、あまり知られていない(まぁついててもそんなに知られてないけどな)穏やかな曲でした。「欲望」というともっとぎらぎらした語感だと思うけれどもっときれいな感じなので、原題が「Desir」ってことだし「望み」「願い」くらいでよくない? と思ってプログラムノートを見ると
「タイトルは「願い」といった訳が相応しいようにも感じられるが、譜面上に「愛撫のように」と指示された箇所があることを考えると、やや「欲望」よりの想像をすることは自然なことだろう。」とある。えーー(o_o) すんなり聞いちゃった

前半の〆は「鉄道」。アルカン曲の中では一番知られた作品で、弾く人も多い(多いってほど多くないけど!!)とはいえ、森下氏ほどクリアに汽車を浮かび上がらせる人はいないと思う。

特に昨日の演奏は、ごっ、ごっ、と投げ込まれる石炭があかあかと燃えて火花が散り、しゅっしゅっしゅっしゅっすごい勢いで回転、汽車はそこまで速く走るの無理ですってば~というくらいのバックトゥザフューチャー3を彷彿とさせる疾走感。ただしアルカンの鉄道のほうは無事駅に到着したらしくて何よりです。という状景が解説不要なくらいまざまざと活写される。

そして後半はひたすら「協奏曲」。なにしろ第一楽章だけで30分という長大な曲で、これを称して練習曲とか…まぁ確かにこれ(協奏曲全曲)弾ければなんでも弾けるだろうけど。

単純に音の数ということからも、曲の長さ、あるいは一台のピアノから繰り出される音のボリューム、コーダの派手さ、ということからも、あと、その中に詰め込まれた多彩さ緻密さということからも、すべてにおいて過剰な感じで、おぃおぃこれ一台のピアノでひとりが弾くのかよ、というような(モーツァルト=アルカンのときは、森下唯とピアニートの二人羽織だったという説-笑)。それを難なく(というふうにみえる)弾ききられてしまうともはや笑うしかないというか、人はあまりにも鮮やかな技を見せられるとなぜ笑ってしまうのだろうか。

正直いって、これは予習なしで聞いてもそのアルカンの仕掛けた緻密さとかは十分に受け取れず、んー、なんかすごすぎる、という感想になってしまうのがもったいないところで、まぁCDをまたこんどゆっくり聞いてみよう。

アンコールは予想通り、白い系(エスキスの最初の曲)と超黒い系(サルタレッロ Op23)一曲ずつ。いやー、協奏曲のあとまたコレですか、若いね(^^;; お疲れ様でした。


にほんブログ村 ピアノ  ←ぽちっと応援お願いします
にほんブログ村 ヴァイオリン ←こちらでも
にほんブログ村 中高一貫教育


「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)


「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする