アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

響きと演奏

2017年10月31日 | ピアノ
今朝、電車の中では「なぜ猫は鏡を見ないか? 音楽と心の進化誌」(伊東乾)という本を読んでいたんだけど、この本はなにやらおもしろそうな話題がいっぱい詰まってるわりに結局何がいいたいのかさっぱりわからんという…
(文章というか本の構成が下手。自分が体験した順に、母の介護エピソードまで混ぜてごちゃごちゃ語っていてまとまりがない)

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おもしろいと思ったのは、ロマネスク寺院の音響環境とそこからの変化。ロマネスク寺院というのはよく知らないけど石積みで作った狭苦しい環境らしく、その中で声でも出したら「ぅわんぅわん」である。(風呂場状態)

残響は長い。そんなところでいくつもの音が響いたらごっちゃになってわけわからんのだけれど、「グレゴリオ聖歌」のような、ゆったりシンプルな旋律を朗誦したらばこれは異界にトリップできそうな「マインドコントロール・メディテーションソング」(伊東氏の言葉遣いによる)。

それが、十字軍やらなんやらあってイスラム文化が流入し、鉄骨と光の窓(ステンドグラス)を持つ広々高い建築が作られるようになって、でも宗教上のいきさつからその聖なる場所に意味があるから別の場所に新しい建物建てて移るってわけにはいかなくて、旧建物を包み込む感じで新しいノートルダム大聖堂を建てて、古い小さな聖堂の壁をあとから壊すような作り方がされた。

してみると、その場で同じ歌い方してもまったくもってトリップできないわけで、ここから「響く聖歌探求」が始まったというのである。

大聖堂の中は著しく不均一な響き方をするから、「ここだけは響く特異的なスポット」というのも重要だし、そのほか、よく響く音の組み合わせ(今で言う和音)も重要。いい音を見つけたらそれを記録しなきゃいけないから「ネウマ」という書法が考案され、後の五線譜システムにつながった。云々。

ここまではまぁいいんだけど、ここから「長短リズム」→「強弱リズム」の変遷の「謎」を解くとかなんとかの話になってくると、結局なんだったかわかんなかった(途中まで読んで寝オチしたしね!!)。いちおうわかった範囲で書いとくと、長短で色づけされた歌い方(or奏法)でも音をはねかえす壁がある状況ならそれは強弱として聞こえるとか…それはそうかなとも…ところで何が「謎」でどうするとその謎が解けたことになるんだか、帰りの電車でもう一度読んでみるけども。

ま、それはともかく(←強引)響き方で演奏する気持ちがぜんぜん変わるってのはふつうのことで、ピアノは比較的力強い音なんで、響かない環境でもそんなに心細くはないけど、自分にぜんぜん音が返ってこない「けちょい」ホールでバイオリン弾くともうどうしていいかわからなくなって帰りたくなっちゃうよ。これほんと

バイオリン初心者アンサンブルでパッヘルベルのカノンを同じ面子で二度演奏したことがあるんだけど、しょうもない某多目的ホールのときはぐだぐだの出来栄えで、浜離宮ホールではふんわり完璧、誰もズレなくて先生も「どうしちゃったの!!」とびっくりな出来栄えだったのは、昼にみんなで飲んだグラスワインのせいだけじゃなくて、音響の違いも大きいと思う。

ふだん、家で弾くにも練習会で弾くにも、さして広くない部屋にグランドピアノという状況で弾くけど、だからそれに一番慣れていて、まぁこんなもんだと思っちゃって違和感ないけれど、たまにホールで弾くとあれ全然違うわ、ってなるわけ。たぶんだけど、ホールの客席で聞いたときに「いい感じ」の演奏をするためにはいつも狭い部屋で弾いてたらよくないんじゃないかと思うよ。そうはいってもできることには限りがあるけれど。

響きは多すぎても少なすぎてもダメだし、多い少ないだけじゃなくてなんかあるような気がする。いくらいいピアノが置いてあっても狭い防音室だとそんなに幸せな気持ちで弾けないし。でも、狭い日本だから、狭い防音室でも比較的幸せに弾けるように、ホールの響きを想像して弾けるように、適切な壁素材かなにか工夫されたらいいと思うし、うちのリビングだって天井はぶち抜けないけど何か貼るくらいで改善できたらいいよね。

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