アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

バイオリンで出すチェロの音!?

2018年02月20日 | バイオリン
弾き方によって音色が変わるか、というのが議論にすらなるピアノと異なり、バイオリンでは疑う人なんぞいませんね。

   にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ←初心者のガリガリ音がチェロ音程の扉を開けるヒントに

もしいたら、同じ楽器(チョビくん)で同じ曲を中川先生と私が弾いてお聞かせしましょう(^^)

それはともかく、どうするとあんな素敵な音が鳴るのか、別に中川先生だって物理的に説明できるわけじゃないけど。大雑把にいうと、「弓の速度」、「弓を当てる位置」、「弓に加える圧力」の「バランス」がだいじなんだよね。

バランスというのはつまり、この三つの条件のうち二つを固定したとすれば、もう一つの条件を変えていったときに「正常な音が鳴る」のはある範囲に限られているんです。そして、弓の速度を固定したとすれば、圧力軽めなら駒からちょっと離して弾くほうにバランスポイントがあるとか、そういうことです。

初心者の出す、がりがりきーきー、というのはこのバランスを外したときに起こっているのですね。

バイオリンの音の出し方には、「ピチカート(弦をはじく)」もあります。これは比較的単純な振動というか、弦の中央がふくらんだなだらかな形を作って振動しているのが見てもわかりますし、聞いた音も比較的澄んでいるのですが、弓を引いて出すふだんのバイオリンの音色の、あのなんともいえない複雑微妙な感じとは違います。

弓を引くほうのは、摩擦で弦が引っ張られる→摩擦が耐え切れなくなって弦が滑る→また摩擦でキャプチャーされて引っ張られる、という連続で振動が作られるんですけど。

この振動というのが…ヘルムホルツさんという方が言い出したらしいですが、弦の一点をつまんでひっぱったとしたら三角というか山形ができるでしょ。そのカドが、弦の上を行ったり来たりする、というそんな振動だそうなんですが…知らんわそんなの、高校で習わんし。

ヘルムホルツ波が1つだけできる正常な「バランス」で弾いた場合は、摩擦から離れて弦が滑り出すトリガーになるのは、その波が弓との接点に到達したとき。この波の速度は決まっていて、同じ弦で鳴らせばピチカートでも弓を引いたときでも、また少々強く弾こうが弱く弾こうが音程は同じになります。これが演奏の大前提。

ま、ともかく、この振動を安定して生み出すところがまずは音色どうとか言うレベルに持ってくための基本ね。

で、そこまではまぁいいんですが(できてるとはよう言わん)、なんとこの振動のあり方をがらりと変えて、バイオリンでチェロの音域(通常の最低音のオクターブ下とか)を出せることを発見した演奏者がいるそうなんです(「ピアノの音色はタッチで変わるか」吉川茂)。そんなばかな。

木村まりさんという方がそういう曲を自作自演して、聞いた人びっくり(o_o)
木村さんが言うには、その音を出す条件はシビアで、習得は難しいが、バイオリニストに教えようと思えば教えられる、と。

大雑把にいって弓の圧が強すぎて正常な音が出ないあたりにそのポイントがあるようですが、そういうときには、弓の摩擦で弦が引っ張られるという横方向の振動だけでなく、弦を回転させる力が生まれ、ねじれ振動が発生します。

ねじれ振動の伝わる速度は「弦の材質のヤング率とポアソン比と質量に依存します」(←写していて意味がわかってないが)、ともかく弦が違えば違う弾き方をしないとその音は出ないんでさらにややこしい…

チェロの音を出してるときのバイオリン弦は(弓の圧力が高い)、折れ曲がりパルス波が来ても「滑り」が始まるトリガーとして働かず(弱すぎる)、ねじれに関係するほかのトリガーが来てようやく滑り始めるということで、正常な弾き方より振動数が低くなるということのようです。

この奏法を考案した木村さんはもちろん振動どうとかじゃなくて経験から思いついたのであって、いつでも物理やさんの研究というのは追っかけ、後付けです。後付けですが測定して解析して、何が起きているのかの「一端(あくまで一端)」は明らかになる、そのことで技術の普及というのか、上達を速くする手がかりに言葉を使う助けにはなるというものなのかなと思います。(いやもちろん、チェロ音出すより先にまともな音出せよって話だが)


にほんブログ村 ピアノ  ←ぽちっと応援お願いします
にほんブログ村 ヴァイオリン ←こちらでも
にほんブログ村 中高一貫教育


「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)


「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする