アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

サブハーモニクス奏法の曲を聞いてみると

2018年02月21日 | バイオリン
というわけで、昨日の話の続き…となれば当然実際に聞いてみたいわけで

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コメントいただきました、動画教えてくれてありがと:
木村 まり「サブハーモニクス奏法とインタラクティブ奏法 明日のバイオリン伝統を模索する」
(14:05くらいから曲「ジェミニ」の演奏があります)

…いやはや。聞いてみて、思ったよりずっとちゃんと音楽でしたよ。


大学のとき、フルート同好会にいた関係で、現代音楽に触れる機会がありました。どうしてフルートだと現代音楽かっていうと、フルートはピアノやバイオリンほど曲がないんで(爆)どうしてもそういうところに流れていっちゃう(人もいる)んですね。私はまぁつき合いというか。

現代音楽でやってる、それぞれの楽器の(通常思われている)限界を超えてどうのこうの、というのはよくあるんですが、成功する場合もあり、やらかしただけという場合もあり、そんなこんなでいろいろあって淘汰されていって「明日の伝統」が作られていくんだろうからいいんだけど。

フルートでいうと、勢いよく音をたててキーをバタッと閉じる音を使う曲なんてのもあった。まぁ、そりゃたいていの楽器はどうにかして叩けば打楽器になる(ほんとか?)。前にバイオリン四本のコンサートを聞きに行ったら、胴を叩く音を使っていたものね。でもあんまりいいと思わなかったけどね(バイオリンは神レベルにうまい人でも、叩くのはうまくないってこともある)。

でもそういうことじゃなくて、本来の方法で楽器を鳴らすけれどちょっと変える。という方向でいうと、フルートだと「倍音」使う方法…本来の指使いである音を出すのではなくて、下の音のキーを押さえて倍音で出す。あるいは、循環呼吸で吹く(私はできません)。

これはいずれも、フルートにない音域ではなくて、音色が普段と違うことによって、緊張感とか、不思議感とかを出すことが多かったです(倍音を使えば、高いほうなら音域にない音も使えるということはあるかもしれない)。

バイオリンのサブハーモニクス奏法は、そういった意味合いも持ちながら、バイオリンという楽器で出せない低音を使う魅力というのもけっこう大きい効果なんですね。

なんとなく、本来の音程のオクターブ下が出るのかなと思ったのですがそれだけではなくて、左手を変えずに二度、三度、五度、オクターブと自在に実演していてすごすぎる木村さん(o_o)
#どよめく芸大生たち

でも実際に聞いてみると、これは確かに初心者の出すギーギー音に由来していると感じられるんです。あのたぐいの音ですよまさに。けれど、木村さんは精進を重ねて、できる範囲で濁りをとり、安定性を限界まで高め、サブハーモニクスを生かした曲を作曲し音楽としてこの音を使えるように研究と練習を重ねてきたんですね。

上の講義の中で、誕生秘話について話していました。学生時代、トリッキーな練習方法をいくつか習ったうちに(たとえば、弓を逆に持って弾くとか)、超高音が安定して出ないときの練習方法というのがあって。

E線のハイポジの音をキレイに出そうと思うとき、あえて音をつぶして、というか、ぎぎぃ~、とオクターブ下の音を出す練習(!)というのを教わったというのです。それが安定して出せればふつうに弾くのがきれいにいくよという、ほんとですかねコレ??

ともかく、これがヒントになって、じゃあG線をいっぱい使う曲でもっときれいに弾きたいと悩んだとき、オクターブ下の音を出す練習をしてみたらどうだろうか。という思いつきがすべての始まり。あ、これで、バイオリンの音域にない音が出せるじゃないかと。最初はそれこそ、しずかちゃん的響きしか出ないんですが、それを徐々にrefineしていって今のような奏法につながったとのことで…

聴衆は芸大生のようで、「みなさんもやってみて」「ただし家族のいないところで(心配するから)」と勧めています(笑)


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