アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

認知症になっても残るアンサンブル能力

2018年12月30日 | ピアノ
昨日は私の両親と一緒にごはんを食べに行ったんだけど、その前に実家に寄って父の歌を…というか、母のピアノを聞いた。

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母は認知症が進んで来て、いよいよ日常生活上のこともままならないんだけど、父が歌いたいから伴奏をしてほしい、というたてつけでリクエストして練習させたので、聞きに来てほしいと父に頼まれたのだ。

母は元々、音大のピアノ科を出ていわゆる街のピアノの先生をやっていた人だ。若いころは「いくらでも指が回る」タイプだったらしいがそのころのイメージは私にはわからない(卒業試験ではショパンのバラード二番を弾いたとのこと)。

ショパンのバラード二番をどう弾いたかはわからないが、そこから先、趣味としてでもいいからずっとピアノを弾いていたならなんでも弾けただろうけど、私の記憶にある時代は必要に応じて伴奏をするくらいのことしかしていなかった。でも、伴奏はちょくちょくしていた。発表会をすれば子供たちの歌とか、いろいろあるわけで。


実家のマンションに到着すると、オートロックなのでまず呼び出してマンション玄関のロック解除してもらわないといけない。でも何度鳴らしても反応がなく、スマホで父に連絡するとちょっと外に出ているがすぐ戻るという。しかし中に母はいるはずなんだけど…

父が戻って来て、家に入ったところ、母は「ピンポンが鳴ったので開けてみると誰もいない、っていうのが二回あったのよ(注: 私たちが呼び鈴鳴らしたのは二度どころではないが)」とか言っている。どうも、マンション玄関のロックを開けなければいけないことを忘れてしまったらしい(前は開けてくれたので進んだということだ)。

父が用意した曲は三曲。母は、「みなさんそんなの聞きたくないわよ。そんな無理やり聞かせなくても」などと口ではごちゃごちゃ言っていたが、わりと素直に弾き始めた。

弾き方(タッチ)はやや頼りない感じだけれど、旋律+伴奏をちゃんと弾いて歌と合わせていて、音を間違えても、ちょっとわからなくなっても、重要な音を弾いてつないで歌と合わせていく。(←これ、私がなかなかできないでいるやつ…)

繰り返しがありとかなしとか、そういう打ち合わせた内容を覚えておくことはできないらしく、父が指で次ココ、というのを示しているが、ちゃんと楽譜を見て指定のポイントからつないでいく。

みんなで拍手をすると、照れくさそうでもありうれしそうでもあり。

そのあと、私はFirst Loveを弾いてよしぞうがちょっと歌った(歌う用の伴奏じゃないので歌いにくい)。母が私のピアノを久方ぶりに聞いてどう思ったかはわからなかったけど。


母がピアノを弾くのを聞いたのは何年ぶりか??

しっかり伴奏ができる、ということと、ピアノを弾くこと以外の母の様子のギャップが大きいのだが、これが「昔取った杵柄」というものだろうか。

と思っていたのだけれど、あとになって父から聞いたところによると、この伴奏は「この一か月の練習の成果」なのだそうだ。

リハビリに、指を動かすのがよいと聞いて、父が伴奏を頼んでみたんだけれど、最初は旋律をなんとか弾く程度でぜんぜん伴奏にならなかったのだそうだ。それを、毎日まいにち誘って弾いてもらって、そしたらだんだん手が動き出して、でもシャープとかフラットとかぐちゃぐちゃだったのが、それもだんだん慣れてきて、伴奏が弾けるようになったとか(o_o)

認知症が相当進んでも、アンサンブル能力が残っていることもびっくりだけど、それどころか、(ずっと弾かないでいたから)いっぺんできなくなっていたことが、毎日練習したことで戻るんだ!! 10分前のことも覚えていられないのに!!


私は、ポケたあといったいピアノが弾けるのだろうか? 母と違ってピアノは趣味なので、誰にいわれなくても弾くからある程度維持されているものだろうか? それとも「若いころ」の蓄積がないので抜けてしまうのだろうか?


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コメント (2)
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