ステイホーム生活もすっかり板につき、3月以降は一度も会社に行ってない。
←シロアリはなぜ白い? (答えは記事末尾)
仕事は別にリモートでまったく問題ないし、通勤がないのは誠に快適だ。
しかし、通勤時間が丸ごと浮いたと思うのは早計で、そのとき「歩く」というのがかろうじて健康を支えていたわけで、その分くらいは歩かないとほんとに体がおかしくなる。今はせっせと散歩している。
ではその残り、元々満員電車に揺られていた時間は浮いたはず。それはもう、満員電車に乗らなくて済めばそれに越したことはないのだけど、それがなくなってどうなったかというと
…本を読む時間がなくなった。
家にいれば本を読む以外にいくらでもやることがある(ピアノ弾いたりとか)。
で、本を(以前に比べると)ほとんど読まずに半年ほど過ぎて、いくらなんでもこれは人としてどうだろうかと思い始めた。「読む時間」を固定で設定したほうがいいのか、それとも成り行きに任せても続くのかわからないが、とりあえず今日は休日でもあったので本を読んだ。
* * *
シロアリ-女王様,その手がありましたか! (岩波科学ライブラリー)
特に私の趣味の本ではない(たまたま娘が図書館から借りてきてあったのを読んだら、おもしろくて止まらなくなった)。
シロアリって…「アリ」ってついてるけどアリに似てるわけじゃない。ざっくり言えば、シロアリはゴキブリに近く、アリはハチに近い。つまり、前者は不完全変態、後者は完全変態、仕事してるアリはみんな成虫だけどもシロアリは幼虫のままちゃんと「ワーカー」になる。
そうすると、現在「ワーカー」だけど後に「女王」になったり、「兵アリ」になったりというようなことがあるのがおもしろいところで、数のバランスからその分化が塩梅されたりする(その調節の仕組みも、卵の数やらフェロモンやらいろいろあって面白いのだが割愛)。
日本にいるシロアリの研究はなかなか難しくて(以下、シロアリといえばヤマトシロアリを指す)、近年まであまり進んでいなかったそうだ。何が難しいかというと、ワーカーは簡単に見つかるけど、奥深くにいる女王と王がなかなか見つからない。見つからないとシロアリ生活の肝心なところがわからない。この本の著者は、何がすごいっていろいろすごいんだけど特に変わっている素晴らしいのが、長年の経験で培ったカンでもって不思議と高率で女王のありかを探り当てるということだ。(シロアリ研究以外に役に立たない超スキル)
そうやって「王室」を探り当てると、不思議なことに、ほとんどの成熟したコロニーではコロニー創生時の王が引き続きそのポジションにあり、しかし女王はそのコロニーで新しく生まれた個体に置き換わっている。圧倒的に寿命が違うらしいのだ。これはなぜ?
ふつうに考えると、新女王たちは創生女王と創生王の子孫なのだろうということになるけれど、そうすると納得のいかないことがある。そうすると、オス側は創生王のまま…そしてメス側は創生女王と創生王の遺伝子半々持っているとする…この交配は近親婚であり、たぶん生存に不利だ。
それだけではない。結局、子孫たちは、創生女王の遺伝子より、創生王のほうの遺伝子を多く受け継ぐことになる。でも羽アリ(旧コロニーから独立していく個体)はずっとメスのほうが多いのだ。王のほうの遺伝子が余計残るというなら、逆じゃないのか??
そこで遺伝子検査をしてみると、新女王たちはまったく創生王の遺伝子を持っていないことがわかった。新女王は創生女王が単為生殖で産んだ子たち(分身!?)だったのだ。
コロニーが成長して大きくなると、卵はたくさん産まなくてはいけないが、創生女王がそのまま巨大化すると、移動できなくなって困る。そこで、単為生殖で分身いっぱーい、そちらを優先的に女王にさせて(そのための仕組みもちゃんとある)いくのだ。ちなみに、創生王は何十年も生きてひたすらがんばる。
あれ? 単為生殖?? じゃ、オスいらなくない? と思ったアナタ、いい線いってます。羽アリは地上に降りると羽を落とし、歩いて巣作りの場所を探すけれど、一匹だとすぐ天敵に食われちゃうので、二匹ペアを作って移動することが多い。オス・メスなら好都合だけど、手近にいなければオス・オスでもメス・メスでもタンデム組んで移動する。
オス・メスはベストですが、メス・メスでもコロニーを作れる(当たり前だけどオス・オスはNG)。なんとメス単独でも(出会いがなければやむなく)コロニーを始められる。メス・メスで作ったコロニーはオス・メスコロニーと同じくらいの100日後生存率を持っているけど、メス単独だとわりとすぐ病気になって死んでしまう。シロアリの生活は微生物との闘い(と共生)なので、成虫同士がグルーミングできないと衛生状態が保てないので。
まだまだキリがないけど、あとは本で読んでね!!
ただ、写真見るのも嫌な人は閲覧注意です。私は写真なら大丈夫、でもリアルじゃ絶対お会いしたくありません。
Q: シロアリはなぜ白い?
A: 紫外線に当たらないならいらない。メラニンだってタダじゃない。日に当たるシロアリは黒い。
---- 今日の2ページ: リスト「愛の夢」第三番(1)
2ページずつ譜読みしていくシリーズ(なのか?)
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仕事は別にリモートでまったく問題ないし、通勤がないのは誠に快適だ。
しかし、通勤時間が丸ごと浮いたと思うのは早計で、そのとき「歩く」というのがかろうじて健康を支えていたわけで、その分くらいは歩かないとほんとに体がおかしくなる。今はせっせと散歩している。
ではその残り、元々満員電車に揺られていた時間は浮いたはず。それはもう、満員電車に乗らなくて済めばそれに越したことはないのだけど、それがなくなってどうなったかというと
…本を読む時間がなくなった。
家にいれば本を読む以外にいくらでもやることがある(ピアノ弾いたりとか)。
で、本を(以前に比べると)ほとんど読まずに半年ほど過ぎて、いくらなんでもこれは人としてどうだろうかと思い始めた。「読む時間」を固定で設定したほうがいいのか、それとも成り行きに任せても続くのかわからないが、とりあえず今日は休日でもあったので本を読んだ。
* * *
シロアリ-女王様,その手がありましたか! (岩波科学ライブラリー)
特に私の趣味の本ではない(たまたま娘が図書館から借りてきてあったのを読んだら、おもしろくて止まらなくなった)。
シロアリって…「アリ」ってついてるけどアリに似てるわけじゃない。ざっくり言えば、シロアリはゴキブリに近く、アリはハチに近い。つまり、前者は不完全変態、後者は完全変態、仕事してるアリはみんな成虫だけどもシロアリは幼虫のままちゃんと「ワーカー」になる。
そうすると、現在「ワーカー」だけど後に「女王」になったり、「兵アリ」になったりというようなことがあるのがおもしろいところで、数のバランスからその分化が塩梅されたりする(その調節の仕組みも、卵の数やらフェロモンやらいろいろあって面白いのだが割愛)。
日本にいるシロアリの研究はなかなか難しくて(以下、シロアリといえばヤマトシロアリを指す)、近年まであまり進んでいなかったそうだ。何が難しいかというと、ワーカーは簡単に見つかるけど、奥深くにいる女王と王がなかなか見つからない。見つからないとシロアリ生活の肝心なところがわからない。この本の著者は、何がすごいっていろいろすごいんだけど特に
そうやって「王室」を探り当てると、不思議なことに、ほとんどの成熟したコロニーではコロニー創生時の王が引き続きそのポジションにあり、しかし女王はそのコロニーで新しく生まれた個体に置き換わっている。圧倒的に寿命が違うらしいのだ。これはなぜ?
ふつうに考えると、新女王たちは創生女王と創生王の子孫なのだろうということになるけれど、そうすると納得のいかないことがある。そうすると、オス側は創生王のまま…そしてメス側は創生女王と創生王の遺伝子半々持っているとする…この交配は近親婚であり、たぶん生存に不利だ。
それだけではない。結局、子孫たちは、創生女王の遺伝子より、創生王のほうの遺伝子を多く受け継ぐことになる。でも羽アリ(旧コロニーから独立していく個体)はずっとメスのほうが多いのだ。王のほうの遺伝子が余計残るというなら、逆じゃないのか??
そこで遺伝子検査をしてみると、新女王たちはまったく創生王の遺伝子を持っていないことがわかった。新女王は創生女王が単為生殖で産んだ子たち(分身!?)だったのだ。
コロニーが成長して大きくなると、卵はたくさん産まなくてはいけないが、創生女王がそのまま巨大化すると、移動できなくなって困る。そこで、単為生殖で分身いっぱーい、そちらを優先的に女王にさせて(そのための仕組みもちゃんとある)いくのだ。ちなみに、創生王は何十年も生きてひたすらがんばる。
あれ? 単為生殖?? じゃ、オスいらなくない? と思ったアナタ、いい線いってます。羽アリは地上に降りると羽を落とし、歩いて巣作りの場所を探すけれど、一匹だとすぐ天敵に食われちゃうので、二匹ペアを作って移動することが多い。オス・メスなら好都合だけど、手近にいなければオス・オスでもメス・メスでもタンデム組んで移動する。
オス・メスはベストですが、メス・メスでもコロニーを作れる(当たり前だけどオス・オスはNG)。なんとメス単独でも(出会いがなければやむなく)コロニーを始められる。メス・メスで作ったコロニーはオス・メスコロニーと同じくらいの100日後生存率を持っているけど、メス単独だとわりとすぐ病気になって死んでしまう。シロアリの生活は微生物との闘い(と共生)なので、成虫同士がグルーミングできないと衛生状態が保てないので。
まだまだキリがないけど、あとは本で読んでね!!
ただ、写真見るのも嫌な人は閲覧注意です。私は写真なら大丈夫、でもリアルじゃ絶対お会いしたくありません。
Q: シロアリはなぜ白い?
A: 紫外線に当たらないならいらない。メラニンだってタダじゃない。日に当たるシロアリは黒い。
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