アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

塀の中の少年たち -なぜ彼らは殺人を犯したのか-

2020年09月11日 | 生活
唐突な話題で申し訳ないんですけど、アマゾンプライム入ってます? 入っていれば、無料で見られますので
「塀の中の少年たち -なぜ彼らは殺人を犯したのか-」
をお奨めします。

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(お奨めしますといっても、見るとどんよりした気持ちになることは間違いないので、現在元気な人だけにしてください)

日本では、少年の場合、殺人事件を起こしても実名は出ず、死刑や無期懲役にならず、そのうち娑婆に出てきますね。
そのことはなんとなく当たり前だと思っていますけど、それが当たり前じゃない社会があるわけです。

アメリカでは、殺人事件などの凶悪犯罪では少年でも「仮釈放なしの終身刑」になることがあるそうで、だから例えば14歳で人生あとは残り全部刑務所というのが決定したりするのです。

ずいぶん、日本とは考え方が違うものだな、と思うのですが…

話はそこで終わりではありません。

2012年に、少年を「仮釈放なしの終身刑」にするのは違憲だということに突然なったのです。じゃあ今、既に終身刑の元少年たちはどうするの、というと再審請求すると刑が見直される目が出てきたというわけです。

遺族・被害者たちにとっては寝耳に水です。それぞれ、ものすごく重いトラウマや身体的・精神的不調を抱えつつなんとかかんとか生き延びてきて、でもあの犯人は塀の中に囲われていて一生出てこない、そこだけは安心材料だと思っていたところが、出てくるかもしれないって!?

しかも、再審するにあたっては、遺族や被害者が呼び出されるんです。呼び出されるといっても断ることはいちおうできますが、でも、なるべく「出てこられたくない」と思えば被害の実態を訴えにいかないというのも思いきれず、さりとて自分の口から改めて証言をするのはそれこそまた被害に遭うかのような苦しみを伴うわけです。

このドキュメンタリーは、そういった遺族・被害者・検事などの様子や主張を淡々と描きつつ、
少年側(親・親戚・弁護士など)のインタビューもまた淡々と紹介しています。

だいたいにおいて、加害者側の過去を掘っていくとそこは、貧困はもちろん、暴力・性的虐待・薬物や、親との死別・離別などなんでもあり。この子がもし、最初からごく真っ当な環境で、子供の人権を守られた状態で育てられていたらどんな子だったんだろう? まず、人権を踏みにじられて育った子が少年のときに(つまりいろんな面で未成熟な状態で)犯罪をしたら、塀の中に隔離しておしまい、で本当にいいの?

いやよくはないかもしれないけれど、そもそも被害者の命は帰ってこないんだし、なんで犯罪者のほうだけ救済があるのか。

そうはいっても、遺族感情で扱いを決めるのではそれはリンチみたいなもので…

そうやって考えていくと、本当にどうしていいかわからなくなり、再審でどういう結論になっても納得できない気がしてしまいます。

再審では、当時犯した罪の重さが改めて検討されるほか、現在の状況(塀の外へ出した場合の危険度)も慎重に測られます。

日本では逆に、少年の場合、終身刑にはならないのでいつか出てくるし、出てくるとなったらそのときの「塀の外へ出した場合の危険度」は問われないので、そこはあちらからこちらを見れば「野蛮」ということになるかもしれません。

個人的には、危ない少年がいるときに、何かあるとすぐ殺人になってしまうところが銃社会だなと思いました。ナイフでも殺人事件は起こりますが…殺傷能力は大きく違います。結果として殺人になってしまえば、こうして犯人側も社会的に殺されてしまうわけですから、二重に厳しい話です。

それと、少年犯罪を厳罰化しても、全然抑止力になってないなと…「こうすればこうなる」みたいな考え方する子はそんな凶悪犯罪しないので。そもそも。

----- 今日のブルグミュラー 17. おしゃべり

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