ふみさんの日々雑感

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文庫「繋がれた明日」

2006-03-01 21:33:37 | 映画・ドラマ・小説・マンガ
NHKの土曜日で「繋がれた明日」のドラマが始まるので買って読んだ。

未成年の隆太が、女友達にちょっかいを出している男に「彼女が迷惑しているから止めろ」と抗議に行き争いになり、たまたま護身の為に持っていたナイフで男を殺してしまう。

そして、服役して七年。仮釈放されて出てきてからの生活が描かれている。保護司が丸っきりのボランティアだという事を始めて知った。真摯に一生懸命に隆太の更生の為に仕事を探し、住む所を探し、諸々の揉め事を捌いて行くのは大変だと思った。その為、保護司は地域の名士や裕福な人が携わっている。自分だけが悪いんじゃないと思っている隆太は、そんな保護司にも心の中で反発する。

殺された人の家族や恋人は、殺人者への恨みや復讐心を癒される事は無い。犯人が刑期を終えて出て来ると、それだけで時間は又、元の殺された時空に戻って行く。

10代の殺人者は七年の時を経て、回り道をした人生をやり直そうと思う。そして、毎年、その日に被害者に花を贈っているが、罪の償いの為に送っているわけではない。今だに、自分だけが悪いんじゃないと、思っている。

殺人者には保護司という理解者がいるが、被害者の家族達には心を支えてくれる組織もボランティアもいない。母親は、どんなに不良の息子でも、死んでしまったら息子はいい子になり、そのいい子を奪った殺人者をひたすら恨む。その時から、時間が止まったように。

何とか自分の心を平成に保ち、明日に向かって3歩進んでは2歩戻る隆太を、TVはどう描いて行くのだろう。最近、ドラマを見なくなったが、NHKはいつも丁寧に真面目にドラマ作りをしている。期待して見ようと思う。
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