ふみさんの日々雑感

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“ことば”と “言葉”

2011-04-15 07:31:24 | Weblog
“ことば”と“言葉”も失うような、この考えられないほどの大災害。

テレビで新聞で雑誌で、沢山の“ことば”と“言葉”が溢れた。

政財界のトップの人達から何回も発せられた“未曾有”という言葉の空しさ。未来に向けて頑張ろうとは思えないような乱暴な“ことば”達。

そして、甲子園球場から、長居競技場から発せられた、真摯な心に染みいる“ことば”。

そして、私達には届いてこない心揺さぶれる“無言のことば”。

今月号の文芸春秋は今回の大災害の特集だった。沢山の人々の沢山の“言葉”が溢れていた。

その中で、「無名戦士たちの記録」 には涙が溢れた。

大地震の直後から、直ぐに動き出した復興へ向けての現場の人達。

右往左往し、見当外れの指示の怒声の政治家達と違い、自分達のやるべき事を黙々と夜も眠らず限界を超えて職務を全うしていた現場の人達。

大災害が起こった時に、まず、どこから何から時系列にそってやるべき事を分かっていて実行して行く現場の人達。

麻生幾氏のレポートを読んで、日本は日本人は捨てたものではない、絶対に復興する、もしかしたらもっと良い日本になるかもしれない、と思った。

彼らの事を絶対に忘れたはいけないと思う。

戦後から経済大国になったのも、考えてみれば黙々と働き続けた無名の現場の人達の働きがあったからだ。

今回ほど、“ことば”と“言葉”を考えた事はない。

そして、もう一つ。巻頭の写真集。

東北を切り取った写真の数々に涙が溢れた。

そこに広がるのは、地獄のような荒涼とした風景でも、何回も繰り返されたような爆撃よりも酷い瓦礫の連なりなど一枚も無い!

一ページ一ページめくるたびに現れる風景は、もう二度と見る事のかなわない日本の原風景。

人々の生が満ち満ちている町や村や港、緑滴る美しい緑と川、働く人々、海沿いをノンビリと走る列車、生命豊かな海の中、そして、眠そうにまどろむ猫達…。

失われてしまった、大切な日常。何よりも無情の声なき“ことば”。




そして、今、私は、自分の“ことば”と“言葉”を無くしている。

入院している夫の未来が無くなろうとしている。

だから、当分の間、言葉を紡げない。

しばらくこのブログはお休みする。







コメント
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