赤ちゃんの泣き声は、落ち着かない気持ちにする。
娘と、調布に出来た新しい商業施設の食堂階で食事をしていた。
食事も終わり、デザートを食べていたら、突然、赤ちゃんの泣き声。
火が付いたように泣き叫ぶ声。
そっちの方を見たら、背広を着た男性が座ったままで、赤ちゃんを両手を伸ばして吊り下げるように持ち上げている。
まだ、足をバタバタも出来ない、やっと首が座ったくらいの赤ちゃん。
あんな、持ち方をすれば、赤ちゃんは不安になって泣くのは当たり前。
ベビーカーが傍にあるけど、お母さんはいない。
赤ちゃんは、大声で泣き叫んでいる。
周りで食事をしているのは、女性ばかり。皆、そっちをチラチラ見ながら落ち着かない。
そこで、おせっかいの私は、「ちょっと、お手伝いに行こう」 と娘を誘ってそっちに行った。
「赤ちゃんを、こっちへ。そんな抱き方だと赤ちゃんは泣き止まないですよ。お母さんは?」「トイレです」
赤ちゃんを受け取って、後ろにいた娘に渡した。
娘は、赤ちゃんを抱きしめ、ゆっくり揺らしながら、優しく背中をトントン。
赤ちゃんは、ピタッと泣き止み、安心したように笑顔を見せる。
「あら、おりこうちゃんね」 と言うと、鼻水をたらしながら、ニコニコ。
周りのお客さんも、皆、ホッとした様子。
「わあ、凄いですね。泣き止んじゃった」 と男性。
どうも、お父さんではなさそう。お父さんなら、赤ちゃんをちゃんと抱けるもの。
そのうちに、お母さんが戻って来て、私達も席に戻った。
娘が、「本当に、お母さんは、お節介おばさんだね」と笑う。
「あら、あなただって、私に似て結構おせっかいだよ」と私も笑う。
赤ちゃんが泣いていると、本当に気になる。
赤ちゃんだけでなく、子供はいつも幸せそうにニコニコしていてほしいな。