友達と、映画「万引き家族」を見て来た。
是枝監督の「誰も知らない」は映画館で見てテレビでも見て、すごく考えてしまった。
あの映画から、時は過ぎて日本は景気が凄くいいらしい。でも、貧富の差は広がっているという。
この、「万引き家族」も社会の底辺の、本当にこんなに極貧の家族達がいるのかと思える毎日。
でも、何の血の繋がりのない子供から老人までが、家族として生活している。それぞれ、訳ありの人達が。
家族とは何だろう。特に、親の家庭内暴力と親からの虐待から逃れて家族の一員として住み着いた女の子。
言葉を出さなかった女の子が、「おにいちゃん」に毎日ついて歩いて、家の中はカオスだけど、今まで味わった事がない「家族」の触れ合いに笑顔を見せる。
入れ歯も外して老婆を演じていた樹木希林さんが急死してから、疑似家族が終焉に向かって行く。
そして、法律通りに、家族が解体して行く。
全ての罪を被って刑務所に行く妻は夫に、「あんたは、もう刑務所に入っているし罪が重くなるから、今度は私の番よ。」と。
あの女の子は、また本当の名前に戻り、家庭内暴力と虐待の家に帰された。笑顔の無い生活。
自分を見付けて連れて行ってくれた外廊下の鉄格子から、外を見つめ続ける。
そして、期待を持って伸び上がった姿に、思わず涙が込み上げて来た瞬間、突然、画面が黒くなり映画が唐突に終わった。
クレジットが流れる画面を、何か脱力感いっぱいに呆然と見つめ続けた。
あの「誰も知らない」と同じ空気が流れる映画だった。
どんな人生でも、誰もが必ず死を迎える。それまでは食べて生きて行かなけらばならない。
そして、普段気が付かない所に貧しさや家庭内行力、虐待が存在している。
日々、新聞に載っている事なのに、ただただ、ため息をつく事しか出来ない・・・。