都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

試衛館跡の階段

2006-09-19 | 新宿区  

 市谷柳町にある小さな階段(Google Map)を久しぶりに訪れたら、以前にはなかった標柱が立てられていて「試衛館跡」とあった。何かと思って読んでみると、近藤勇の道場である試衛館があった場所だという。あらま、こんなところだったのね。以下、標柱に書かれた説明書きを転記。

「幕末に新選組局長として知られる近藤勇の道場「試衛館」は、市ヶ谷甲良屋敷内(現市谷柳町二五番地)のこのあたりにありました。この道場で、後に新選組の主力となる土方歳三、沖田総司などが剣術の腕をみがいていました。」
試衛館跡の階段
所在地:新宿区市谷柳町25
Photo 2006.8.27

 以前は「市谷柳町の小さな神社の前にある階段」と呼んでいたのだが、これからは「試衛館跡階段」にしちゃおうと勝手に命名。ただし、試衛館があった頃にこの階段が既にあったかどうかは不明。

 由緒はさておき、なかなか味わいのある小階段である。路地の中央には御影石の敷石が敷かれているが、両側は土が露出したまま。都心では土が見えている路地や階段が少ないのでこれは貴重。段々は敷石とは異なり、砂岩や大谷石で土留めされて造られている。しかし基礎部分の土の流出によって石が傾き、かなりガタガタの状態。階段わきの大谷石の擁壁も土圧でやや膨らみ、歪んでいる。

 端正でピシッとした階段も見ていて気持ちよいが、崩れかけたような階段には、生活の営みとか、ものの哀れなどという、別の味わいがある。

大谷石の擁壁沿いにL字型に曲がる

 時間の経過を残す階段の姿、小さな神社の存在、新選組の道場だったという土地の記憶。互いに直接的な関連は無いのかもしれないが、これらが干渉し積み重なることで、歴史が感じられる場所になっている。

#階段・坂 新宿区
コメント
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