半年ぶりに時計塔がお目見え
Photo 2007.3.12
外壁のタイル貼り替えと耐震補強等の工事のため、足場で覆われ見えなくなっていた大隈講堂が、再び姿を現した。内部の改修作業はまだ行われていて、今秋の創立125周年記念日に間に合うよう、9月に改修が完了するそうだ。
大隈講堂は、1927年(昭和2年)に建設されてから約80年になる。長い年月の経過で、外壁のスクラッチタイルなどがやはり傷んでいたそうで、今回の改修では、以前のものと同様のタイルを新たに焼いて貼り替えが行われたという。また、軒先などのテラコッタも新しく作り直して、破損したものと交換したりしたそうだ。
半年ぶりに見る大隈講堂だが、なんだか少し白っぽくなったようだ。以前のタイルはかなり経年変化をしており、黒ずんでいたので、新しいタイルは明るくてちょっと変な感じ。古びて落ち着いた風合いだった外観は、改修が施されてリニューアルしたのだが、ややきれいになり過ぎた感じで、ちょっと安っぽく見えてしまう。塔の先端部分のコンクリートも、洗浄されたのか、白さが増したような気がする。ただタイルの検討は、2000年頃から数年かけて行われており、いい加減にやったからこうなったわけではない。タイルとタイルの間の目地の色合いについても、検討が行われていたようだ。
改修する際には、竣工当初の状況にするか、経年変化した現状のイメージを守るかがしばしば問題になる。現状のイメージでタイルを貼ると、今後100年経ったとき、もっと黒ずんでしまって、オリジナルとは全然異なってしまう。そうならないように、ここで一度、竣工当初の色合いに戻したということなのではないかと思う。確かに、古めかしい外観の風合いは懐かしいのだが、真新しくなってきれいになった大隈講堂が、今後、何年もかけて再び馴染んでいくのを見守りたい。
改修前の様子 Photo 2006.1.19
外観の印象は、日光の当たり具合にも大きく左右される。昨年冬の写真は、西日があたっているため、全体が黄色く輝き、色合いがかなり異なっている(デジカメのホワイトバランスや露出の影響もあるようだが・・・)。また、記憶というものは、しばしば曖昧なもの。再会した当初はちょっと驚くが、しばらくしたら慣れるんじゃないのかと思う。
というわけで、今秋リニューアルが完了する大隈講堂もまたよろしく。
大隈講堂時計塔足場解体時の様子(2007.03.12)
(「早稲田大学芸術学校 空間映像科」のBlog)
そうか、あの塔のてっぺんって、こういう大きさだったんだな。作業の人が入るとスケールがよく分かる。これ印象的な写真だなぁ。
大隈講堂改修工事について(早稲田大学News / 2006年4月19日)
早稲田大学大隈講堂 その1(2006.01.21 入口付近など)
早稲田大学大隈講堂 その2(2006.01.24 大講堂・貴賓室)
早稲田大学大隈講堂 その3(2006.01.25 階段室と時計塔内部)
早稲田大学大隈講堂 その4(2006.02.16 内部の様子など)
早稲田大学大隈講堂 その5(2006.08.08 改修工事始まる)
関連記事 > 早稲田大学・大隈講堂へのコメント
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