「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       歓迎すべきか長寿社会の到来

2010-03-11 06:41:35 | Weblog
膀胱ガン手術後の抗ガン剤の注入治療のため2週間に1回、国立の診療所に通院
している。病院はご多聞にもれず朝から患者で1杯。それもほとんどが僕と同年輩と
おぼしき後期高齢者である。”共に白髪が生えるまで”-長い人生を一緒に歩んでき
た老夫婦で、一人が車イスに乗り、一人がこれを押している姿がめだつ。

長寿社会の到来である。だけどこれを喜んでよいものかどうか。昨日、僕が病院に支
払った診療費は7230円。年金が主体の老人には、ずしりと重い金額である。後期高齢
者医療保険だが、3割自己負担だから1割の方より多い。が、実際にかかった医療費
は21990円である。国庫負担があるからこの額で済んでいるのだ。

民主党は先の選挙のマニフェストに後期高齢者医療保険制度の廃止を掲げていたが、
まったく無責任の政党である。政権をとって日本の医療の現実をみれば、とうてい高齢
者を喜ばせる代案なんかありえないのである。

大病院の今の姿は、日本の医療の現実の縮図である。新聞によれば、後期高齢者保
険に変わる代案を厚労省が試案を検討中で、これによれば、高齢者を75歳以上の現行
のままなら今の公費負担5割でも財政には影響がないという。本当に大丈夫なのか。こ
れから先、団塊世代が”後期”の老人入りすれば、少子高齢化は進むばかりである。抜
本的な医療改革をしないと”日本丸”は、沈没してしまうと思うのだが。