「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     老人福祉は児童福祉より充実しているか?

2010-03-26 06:42:11 | Weblog
先日テレビを見ていたら子ども手当てを審議する会合で民主党推薦の参考人(大学
教授)が"わが国の児童福祉はこれまで老人福祉に比べて遅れていた。だから子ど
も手当ての支給は当然だ”といった意味の発言をしていた。これを聞いて僕は一瞬
耳を疑った。日本の老人福祉はそんなに充実しているのだろうかー。

つぃ先日も札幌の「グループ・ホーム」で認知症の老人7人が深夜の火事で焼死し昨
年3月にも群馬県渋川市で同じような不幸な老人13人が亡くなっている。どちらも犠
牲者は、身寄りのない生活保護の受給者が多かった。あるNPOの調査によると、今
日本全国には特別養護老人ホームに入所希望の老人が40万人もいるという。

子ども手当てとならんで高校の無料化も実施され、拉致問題も解決していない北朝鮮
の息のかかる学校まで無料化を検討しているという。一方では、戦争時代を生きてき
た老人たちが老人ホームにも入れないというのに、僕ら老人の目には大盤ぶるまいと
しか映らない。

わが国の義務教育が中学3年まで無料化されたのは、戦後の昭和22年である。戦前
は小学6年までで、その上の教育は有料で、ほとんどの子どもは、経済上の理由から
高等小学校2年までで、中等学校(中学校、高等女学校)進学できるのは、限られた裕
福の家庭だけだった。

今の老人福祉はたしかに戦前に比較すれば、格段よくなっている。昔は身寄りのない老
人は養老院へ送られ貧弱な施設で不幸な一生を終えた。しかし、それはごく限られてい
て大半の老人は家族に見守られて自宅で亡くなった。今はたしかにいろんな名前で福祉
は一見、充実しているように見えるが実態は違う。政権公約だった後期高齢者医療制度
の即時撤廃は、どこへいってしまったのか。