「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         毒入りギョーザと上海万博

2010-03-29 06:49:01 | Weblog
中国産毒入りギョーザ事件の容疑者を拘束したと中国政府が日本に伝えてきた。僕は
これを知って、やはり犯人は中国人だったではないかいう思いよりも、事件発覚から2年
も経った今、この時期になってこれを発表すのか、中国側の意図に疑念を抱いた。何故
なのだろうかー。

2008年1月、神戸や千葉で中国産の冷凍ギョーザを食べた日本人10人が食中毒を起
こした。当時、これに対して中国の公安(警察)幹部は、毒物は日本国内で混入されたと
疑いを持ち、逆に日本の警察が捜査に非協力だと批判していた。その年の5月、事件は
未解決の中で福田赳夫・胡錦涛・日中首脳会談が行われ「戦略的互恵関係」が発表にな
った。そして8月には無事北京五輪も閉幕した。毒入りギョーザ事件は、その間どこかへ
いってしまっていた。

鳩山内閣に替わっても「戦略的互恵関係」は維持され、昨年秋には小澤一郎幹事長が百数
十人の"子分”を引き連れて北京詣でをした。そして、この5月から10月まで上海で國際万
博が行われる。中国は万博に7000万人の入場者を期待し、日本も「心の和,技の和」をテー
マに世界最大級のパビリオンを建設する。

開催まで1か月近くに迫ったのに日本国内の万博に対する人気と盛り上がりは今一つのよう
だ。忘れっぽい日本人でも毒入りギョーザは忘れていない。中国にとっては今が「戦略的互恵
関係維持」にはチャンスと判断したのかも知れない。岡田克也外相も容疑者の拘束を歓迎して
いる。でも「戦略互恵関係」が果たして万博にも機能するかどうか。