「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         台湾旅行記(2) 敬老愛心の人たち

2010-11-09 05:57:39 | Weblog
今回の台湾の旅で僕らが感激したのは、かっては日本人皆が持っていた心の暖かさが台湾の人たちの間に残っていたことだった。僕らが乗ったタクシーには「敬老愛心示範」のラベルが貼ってあったが、その通り運転手さんは、言葉は通じなかったが、外国人の僕ら老人夫婦を心から親切にもてなしてくれた。

台北市内にはMRTという都市交通が走っており、僕らも一日これに乗って淡水という港町まで観光に出かけた。電車は立っている人がまばら程度だったが、僕らが乗ると、早速近くに座っていた若者二人が席を譲ってくれた。昔、僕らが若かった頃には、日本ではあたりまえだったが、最近の東京では見られなくなってきた風景だ。

旅の間じゅう僕らはこういった台湾の人たちの心の暖かさに触れた。僕らはこの暖かさはどこからきてているのだろうかと話し合った。その結果、原因の一つは人々の信仰心からきているのではないかと結論づけた。台湾人の友人のご好意で、僕らは市内の龍安寺、行天宮、關渡宮といった”お寺”を車で案内して貰ったが、どこも平日なのに善男善女の参拝客で一杯で、境内には読経の声とお線香の煙がただよっていた。

昔、仏像が淡水川に流れつき、これを祀ってあるという關渡宮は川岸の崖を奥深く掘ったお寺である。僕らもいくばくかの賽銭を投じ参拝したが、お寺の梵鐘には「風調雨順國泰民安」の八文字が刻まれてあった。深い意味は解らないが、なんとはなく、台湾の人たちの心の安らかさを理解できるような気がした。
(写真はお線香の煙がたえない龍安寺で読経する善男善女)