「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       生活革命 自宅で夕食をとるビジネスマンマン

2010-11-29 07:46:54 | Weblog
現代男性ビジネスマンの「生活白書」ともいうべき調査結果が新聞に出ていた。これはシティズン・ホールディングズが昭和55年から4年ごとに行っている調査だが、僕のサラリーマン時代に比べてあまりの変容ぶりに驚きかつ大変面白く感じた。

何より変わったのは、毎日自宅で夕食をとると答えたビジネスマンが半分以上もいることであった。半世紀近く前の僕の現役時代には、自慢ではないが、仕事を終えて家に直行するようなサラリーマンは、ほとんどいなかった。僕も病気でもないかぎり上役同僚と一緒に会社近くの居酒屋にひっかかり、時には"午前さま”の帰宅であった。その裏返しなのだろう。勤務時間も8時間39分と前回調査の平成12年に比較して1時間近くも減ってきている。これは、このところの不況の影響で残業が減ったからであろうが、僕らの時代には、とくに残業の必要がなくとも、すぐ帰宅するのはまずいといった空気があった。

変わったものの一つはITだ。僕らの時代にはメールもネットもなかった。サラリーマンかけ出しの昭和30年代の初期には家に電話さえなかった。シティズンの調査では、今のビジネスマンは週に平均7時間59分、1日平均1時間近くメールやネットに費やしているとのこと。またテレビもほとんど同じ時間ぐらいみている。テレビが一般に普及したのは、今の天皇陛下のご成婚された昭和34年頃からだから、やはり、僕らのかけ出し時にはなかった。

サラリーマンが家族と一緒に夕食をとれるのは家族にとってはよい事だ。しかし、同じ調査によると、一日当たりの睡眠時間が6時間2分と、この調査が始まって以来の最短だそうだ。これは何を意味しているか解らないが、生きてゆくために現代はあまりにも情報量が多すぎることが原因しているのかもしれない。