「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

大正生まれ、年男からの年賀状

2014-01-02 07:34:09 | Weblog
成人になってから初めての”アルコールなし”の新年を老夫婦だけで祝った。思っていたほど寂しくはなかったが”場”がもたない。いちおう伝来の朱塗りのお屠蘇セットを用意し、老妻と屠蘇の酌は交わしたが正月気分がない。”もういくつ寝るとお正月”と胸を膨らませて待っていたお正月の喜びはない。所詮、冥土の旅の一里塚にすぎなくなってきたのであろうかー。

所在なさにテレビのチャンネルを回したが、僕の関心を引く番組はない。老妻は年賀に来た娘夫妻とNHK紅白に出ていた孫の中学時代同級だったタレントを話題にしていたが、僕にはまったくわからない。昼少し前玄関の郵便受けの音がして、年賀状が配達されてきた。昨年は11月末、入院したため、年賀葉書は例年より枚数を絞って印刷した。年賀だけがご挨拶の知り合いは、思い切って出さなかった。しかし、頂いた年賀状は例年と同じ枚数で、あわてて追加発送した。

お年玉付き年賀葉書は、平成5年をピークに減り続け、今年は30億万枚を割ったという。その対策として郵便会社は今年から一等賞金を1万円と現金にしたそうだが、人気は今一つで、郵便会社社員は、ノルマで強制的に買わされた、と新聞に出ていた。時代が変わって若い世代は、年賀状にあまり関心がなくなってきたのであろう。

今年頂戴した年賀状の最高年齢は、大正7年生まれのSさんであった。賀状には”大正生まれの午年,年男です”とあった。しかし、大正3年生まれ、今年百歳を迎えるIさんからは賀状が来ていない。お元気なのだが、入院中なのである。年賀状に”郷愁”がある僕ら世代が世を去ったら、年賀状の習慣はなくなってしまうのだろうか。