「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

忘れに忘れらえない3月10日東京大空襲

2019-03-10 06:15:27 | 2012・1・1

”忘却とは忘れ去ることなり”とは、戦後すぐまだ空襲による焼け跡が残っていた時代、NHKラジオが放送した人気ドラマ「君の名」の冒頭のセリフだが、74年前の東京大空襲を経験した僕らにとって「3月10日」は、忘れに忘れられない日である。調べてみたら、僕は2006年、このブログを始めているが、毎年のように3月10日には東京大空襲の体験を書いている。

当時、僕は中学2年生だった。東京の五反田に住んでおり、直接被害に会わなかったが、下町方面に上がる業火を一晩中、まんじりともせず強い風の中で眺めていた。この日の空襲にはB-29爆撃機329機が襲来、繰り返しの爆撃で、なんと非戦闘員10万人以上が犠牲になった。東京の三分の一が一夜にして焼失してしまった。

東京では平成2年、石原慎太郎知事時代、3月10日を「東京都平和の日」に制定、戦争の惨禍を忘れず、平和を祈念して記念式典を開催、犠牲者に対して1分間の黙祷を捧げている。今年で19回目だが、東日本大震災の後、この時期、マスコミの関心が「3月11日」に移りがちな気がする。戦後生まれが国民の2割を切り、大空襲の体験者となるとほんの少数派になってきた。今日10日午後2時からの記念式典に合わせ、1分間の黙祷を忘れずにしよう。