「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

中高年のひきこもり 社会への甘え

2019-03-30 06:38:51 | 2012・1・1

家族以外と半年以上にわたって社会と接触のない、いわゆるひきこもりは若者だけの特異現象かと思っていたら、内閣府の調査では40歳―64歳までの中高年層が全国で61万人もいて若年層より多いという。中高年層は働き盛りの世代である。この層が鹿児島、松山、宇都宮といった県庁所在地都市の人口もいるのだ。日本の社会にとってはゆいしき問題だ。

若者の引きこもり現象が社会問題化してきたのは今世紀初め頃からではなかったか。ニートとも呼ばれていたが、その意味は英語の”not in education、employent or training NEET"からきていて,もともとは、就学、就労、職業訓練を受けていない15歳―34歳層の”若年無業者”を指す。

だから、日本の中高年ひきこおりはニートではない。内閣府の調査だと、ひきこもりのきっかけについての複数回答で一番多かったのは、退職が36.8%、職場関係19.1%と、一度は就職したものの退職した者が多い。さらに、誰が今、生計をたてているか、という質問に対しては”自分”が29.8%、父母や配偶者が17.0%もいる。つまり、働かなくと食べていける環境にあるようだ。

80歳代後半の後年層の僕も最近、加齢と共に足腰が弱り、引きこもりがちになってきた。しかし、気持ちだけはいつまでも社会と接触したい。それが、長寿へのコツだと信じている。人生百歳時代、”中高年”から引きこもって、長い人生どうするのか、社会への甘えに過ぎない。