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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

観楓会 寒風会

2006-11-01 06:10:07 | Weblog
東京ではこのところ小春日和が続いている。紅葉の季節にはまだほど遠い。
しかし、テレビをみていると紅葉前線は確実に南進している。11月の声を
聞くと僕は36年前、札幌に初めて赴任したころを想い出す。ビルの窓から
見える山々はすでに紅葉が終わりに近かった。戸外にはみぞれまじりの雨
が降っていた。

北海道ではこの季節の前後「観楓会」が催される。文字でみると楓の紅葉を
賞する優雅な会のようだが、実際は仲間内で一泊温泉旅行へ行き,酒を飲
みかわす会のことだ。「紅葉狩り」ではない。”秋の夕日の照る山紅葉”の風
情はない。このころになると北海道は寒くて戸外でゆっくり紅葉を観る余裕は
ない。道外から転勤してきた男が、耳から入った音をそのまま字にして「寒
風会」と書いて笑われた。まさに寒風の頃の会などである。

先日江戸東京博物館で開催中のボストン美術舘から里帰りしてきた肉筆浮
世絵展をみた。歌麿、北斎、広重らの見事な作品に魅せられたが、同時に
僕は江戸の庶民の風流な遊びに感心した。わずか二,三百年前の僕らの先
祖は四季折々の自然を賞し楽しんでいた。一方、現代人はどうだろうかー。
僕の場合は東京に住んでいるせいか紅葉する木さえ見るのがむづかしい。

一日、思い切って旅に出て紅葉狩りを楽しみたいものだ。幸い地球温暖化
現象で紅葉の時期が50年前に比べて15日ほど遅れているそうだ。12月に
なれば温泉地の旅館も安くなるかもしれない。



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2 コメント

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Unknown (chobimame)
2006-11-01 22:08:42
東京に暮らしてると、季節の移り変わりに疎くなりますよね。
景色で感じるより、デパートのイルミネーションだったり、
人工的なもので季節を感じることが多いような気がします。
だから「風流」さに欠けてしまうのかもしれません。
自然と戯れたり、その季節のものを食したり、
何でも一年中手に入る昨今は、便利なようで面白みがないですね。
お金を払って遠くの地域まで季節を感じに出かけてなくてはいけないのだから、
なんだか現代人というのは、哀れな感じもしないでもありません。

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四季があれば (kakek)
2006-11-02 10:11:03
chobimame さん
四季のない所ならあきらめますが、あれば、それを感じる遊びが懐かしいです。
摘み草で摘んできた草もちを食べた想いでなど。奈良や京都などの古都ではどう
なのでしょうか?
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