「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本兵の”幽霊”話で倒産したインドネシアのホテル

2016-06-15 05:33:22 | 2012・1・1
インドネシアのソロ(スラカルタ)で仕事をしている日本人の友人から、旧市街にある日本軍政時代からの古いホテルが倒産したというメールを貰った。メールによると、ホテルは日本時代憲兵隊支部の建物に使用されており、戦後すぐの時代にここで、独立蜂起したインドネシアの若者たちがが、日本軍の兵器を寄越せと押し寄せ、小競り合いがあった場所だ。今でもホテル前には記念碑が残っている。

敗戦から間もない昭和20年10月、日本の第16軍中部防衛隊管下の中部ジャワでは、若者たちを中心に各地で日本軍の兵器を寄こせという暴動がおこり、スマランでは同地在住の日本人が女子刑務所に入れられ、100人を超す犠牲者が出た。マゲランでは兵器を渡さなかった憲兵10人が虐殺された。ソロに近いジョクジャカルタでは、駐屯部隊兵士もろとも在留邦人400人が長期にわたって刑務所に収容され多数の死者が出ている。

70年も前の昔の事である。日イ双方ともこのような不幸な事件があったことは風化しはじめ、その結果このような幽霊話まで出てくる。10年ほど前、僕はシンガポールに近い、インドネシア領ビンタン島のパンカルピナンを旅行中、洋上レストランが日本軍の幽霊が出るという噂から倒産したたという海中の杭の跡を見た。ソロもパンカルピナンも地上戦はなく戦死者は一人も出ていない。逆にソロは、藤山一郎が戦後日本で歌って大ヒットした「ブンガワンソロ」の歌の故郷で、むしろ平和なイメージが強い。

海外激戦地の英霊の遺骨の収集が本格化するが、同時にまだ各地には防空壕跡、座礁したままのダイハツなどの戦争遺跡などについても相手国との話し合いで処理する必要があるのではないか。さもないと、”記憶遺産”として未来永劫にユネスコに登録されてしまうかもしれない。

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2 コメント

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国の事情? (chobimame)
2016-06-15 10:03:16
サイパンも日本兵の幽霊が出るホテルや場所があると言われていますが、倒産した話は聞きません。
それは、米国が勝った戦だからでしょうか?
観光になるか、そうでないかの差があるかもしれませんが。
戦後、何でもかんでも日本の責任になっていますが、正すところは正さないと、未来永劫悪い国です。
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戦争を知らない大統領 (kakek)
2016-06-15 17:00:22
chobimame さん
ソロはジョコ.ウィドヨ大統領の出生地で、彼は中央政界に乗り出すまでソロの市長をしていました。1961年(昭和36年)生まれですから、戦争時の事は知りません。庶民の出ですから、多分、昔話として戦争のことを聞いている程度だと思います。スカルノ、スハルトまでは、好いにつけ、悪しにつけ、日本を理解していましたが、難しい時代に入ってきましたね。
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