「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       ドバイから(6) マジェリス(王室会議)

2008-11-27 06:12:53 | Weblog
僕らを招待してくれたシェイク・アハマッド(アハマッド殿下)は、ドバイでは国父
と尊敬されている故ラシッド首長の異母弟である。今、国内ではエミレーツ航空
などのグループの会長をしている実業界の雄である。世界を股に活躍している
多忙な人だが、僕らの帰国の前日、やっと時間をさいて会ってくれた。それも40
分もの長い時間だった。

ドバイ空港事務所の一角にある、それほど立派ではない会長室の横の待合室で
会見を待ちながら、僕は46年前、今市庁舎になっている元王宮のマジェリスのこ
ことを想い出した。マジェリスとは、かって回教圏のサルタン国にあった特別の会
議制度で、それから派生して東南アジアの回教国でも、マジェリスはそのまま一
般的に会議という意味にも使われている。

46年前のラシッド首長主宰のマジェリスは「アラビアンナイト」の世界のように僕の
目には映った。首長は、市民から直接悩み事,もめ事、相談事などを聞き取り、そ
れに対して解決策を与えるのだと、当時マジェリスを案内してくれた英国人から聞
いた。王宮で順番を待つ市民たちの手には鷹がとまっていた時代であった。その鷹
匠の姿は今回の旅では一人も見なかった。

僕らが46年前、ドバイを訪れた時アハマッド会長はまだ5歳の少年だった。だから
今はなくなったマジェリスのことは知るべき由もない。しかし、マジェリスの精神は
今のドバイにも生きているのかもしれない。僕はドバイの近代化の基礎を一代で築
いたラシッド前首長と、これを引き継ぎ推進しているアハマッド会長の同じ微笑の
中にこれを見た。(写真は旧王宮前の砦跡=現博物館)(続)


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2 コメント

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すごい! (chobimame)
2008-11-27 17:45:03
写真の建物を見て、初めてアラブ的空気を感じるくらいドバイはアラブからかけ離れていますよね。

それにしても、すごい方とお話出来るのですね!kakekさんはすごいです 。
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イスラム (kakek)
2008-11-27 19:37:36
chobimame さん
高層ビルばかりでモスクはどこへ
行ったのだろうかと思っていましたが、案内の人に言われると、たしかにありました。
昔のように人前で、肌を見せない女性もいました。しかし、他の回教国のように異教徒への干渉がないのが、この国のよいところかも知れません。
ホテルでは酒は自由に飲めましたが、町のスーパーではビールも売っていませんでした。
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