「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

東京ぶらり昔話 九段 靖国神社

2021-07-06 07:15:40 | 2012・1・1

戦前銃後の小国民と呼ばれた筆者ら世代にとっては九段の地名には特別な思い出がある。「上野から九段まで勝手知らずに杖を頼りに一日がかり、やっと着いたぞおっかさん」-昭和14年、日中戦争で戦死した息子にあいに地方から靖国神社に参拝にきた「靖国の母」を歌った二葉百合子のヒット曲である。

戦前靖国神社は4月30日が春の例大祭、10月21日が秋の例大祭であった。東京では学校が休日、小学生だった筆者は友とつれぞって例大祭に出かけたが広い境内には出店や見世物小屋までたち人出で一杯であった。日中戦争初期には例大祭だけでなく特別祭も催され、天皇陛下が親拝されて九段の坂の両側は膝まずく遺族でうまった。都電の車掌は神社前を通過すると乗客に黙礼を呼びかけたものだ。

九段は昭和史ゆかりの地でもある。九段阪下の「九段会館」は戦前の「軍人会館」で2.26事件の際は戒厳軍司令部であった。昭和館は昭和史特に戦前,戦時期の貴重な資料が蒐集保存されている。靖国神社併設の遊就館は軍事博物館である。御濠端の「武道館」は昭和39年五輪際の柔道会場であった。これも昭和史いなってきた。


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