「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         半世紀前のドバイ写真集

2010-08-12 05:01:03 | Weblog
48年前の昭和37年、僕が新聞社の移動特派員としてドバイを訪れた時、同行の
カメラマンが撮った写真が「Dubai 1962」という写真集となり、このほど現地で出版
され、僕のところにも贈られてきた。(写真)

写真集は縦27cm、横32cmの大判で120頁。カメラマンが撮った約100枚のモノ
クロの写真が紹介されている。「カメラマンは僅か1週間の短いドバイ滞在にもかか
わらず当時のドバイ市民生活から結婚式の模様、さらには、首長の王宮の執務な
ど精力的に撮っている貴重なすばらしいアルバムである」(アハマッド・エミレーツ航
空会長序言)

現在のドバイの繁栄ぶりは、このモノクロの写真集からは、とても想像できない。写
真集には僕らが昔泊まった、当時ドバイに一つしかなかった3階建て8室のホテルも
紹介されているが、現在ドバイには5つ星の高層ホテルがゴマンとある。

写真集はドバイ在住30年の日本人の編集によるものだけに、細かな専門的な日本
語のキャプションがついており、現在のドバイの理解にも役だつ。面白いのは当時僕
らを日本語でガイドしてくれたインド系住民(故人)の子息を探し当て、ガイドが戦前
貿易商として日本に滞在した当時の写真まで紹介している。この中には名古屋の千
草区にあり戦災で焼失した日本最古のモスクの写真もある。

写真集は紀伊國屋書店を通じて日本でも発売される予定。現地の値段は150デイルハ
ム(AED) 。日本円で3500円から4000円。


       「菅談話」 いくら謝罪したって!

2010-08-11 06:36:51 | Weblog
菅直人総理が昨日、日韓併合条約発効100年に当たって”過去の植民地支配への
痛切な反省をこめて”談話を発表した。談話は1995年の「村山談話」を踏襲して”多
大な損害と苦痛”に対して改めて詫びるというものだが、一体僕らは何回、韓国に頭
を下げればよいのか。案の定である。韓国のメディアは、一斉に「菅談話」に対して
冷ややかな反応である。

オランダは350年にわたってインドネシアを植民地支配し、強制栽培によって膨大な
富を持ち去りインドネシア人に苦痛を与えたが、いっさい詫びていないし、賠償もして
いない。詫びたのは、1945年、日本の敗戦後49年まで再殖民化し、49年国連の斡
旋で主権を委譲するまでの4年間の行為だけである。インドネシアは、この4年間の独
立戦争で80万人の生命を失っている。しかも、この謝罪はインドネシアの独立から60
年もたった2005年になってからである。1995年インドネシアを訪問したオランダの女王
は”植民地時代はお互いに恵みを与えあった時代”とさえいっている。

オランダに限らず西欧の旧宗主国は、かっての植民地に対して謝罪も補償していない。
謝罪をすれば、さらに問題をエスカレートさせ、相手側の要求が大きくなり、複雑化させ
ることを知っているからだ。

菅総理は”歴史に対して誠意に向き合い事実を直視した”としているが、果たしてそうで
あろうか。併合は当時の韓国民の総意であったのか。韓国のメディアは菅談話は”言語
的修辞”にすぎない。本当に反省しているかどうか疑わしい、と批判している。何回謝罪
したってそんなものである。

        ジム化したスポーツ・クリニック

2010-08-10 05:37:13 | Weblog
”病は気から老いは足から”というが、このところ、すっかり老いこんでしまった気
がする。7月はじめの膀胱癌摘出後この暑さである。外出する気持ちにもなれな
い。これではいけない。すこしでも秋風が立ったら極力歩くことにしよう。

2007年の小ブログに「”名誉の負傷”左ひざの半月盤負傷」というのがあった。そ
れから1年半ぐらい、僕はスポーツ・クリニックで理学療法とリハビリを続けたが一
向によくならない。足の痛みは老人特有の骨の老化からきているものだからである。
日常生活にそれほど困るわけでもなし通院をやめてしまった。治療費だってバカに
ならない。

昨日内科の検診で、同じビルの中にあるスポーツ・クリニックの横を通ったら若い人
が外の廊下にまであふれている。ガラス越しに中をのぞくと、大きいボールや自転
車こぎに挑戦するなど、さながらスポーツ・ジムである。ここはかって整形外科病院
と呼ばれ、患者は老人ばかりだったが、大変な変わりようだ。

3年まえ「半月盤損傷」と診断された僕の左ひざは、その後よくなったわけではない。
たしかに治療を続ければ一時的には痛みはとまる。しかし、馬齢を重ねると、身体が
病気のデパートである。時間的にも金銭的にも「半月盤損傷」程度病気は二の次に
なる。後期高齢者医療の高騰が目の敵にされているようだから、せめてものご奉公
である。

      ソ連(ロシア)が北方領土を奪った日

2010-08-09 05:23:41 | Weblog
65年前の昭和20年8月9日未明、ソ連(当時)は一方的に日ソ中立条約を破棄
して満州や樺太、千島に侵攻してきた。ソ連が日本に宣戦布告してきたのは
日本時間8日午後11時、日本政府にとってはまさに”寝耳に水”というより、ポツ
ダム宣言、広島原爆処理におわれていただけに”寝首”をかかれた形だった。

8月は「北方領土問題解決のための強調月間」である。先日、このことを僕も政府
の新聞広告で改めて知った。果たして、どれだけの日本人が”強調月間”である
ことを知っているだろうか。65年前の8月、ソ連(当時)はどさくさにまぎれて、わが
国の固有領土である国後、択捉、積丹、歯舞群島を占領し、今に至るまで返還して
こない。

僕は1980年代、約10年間、札幌に勤務したことがある。北方領土問題に対する道
民の関心はさすが地元だけに高かったが、東京では毎年関係者だけが集まって形
だけの返還大会を開くだけ、一般の関心は薄い。

道内に住む昔の友人に聞くと、強調月間中、地元根室で開催される「北方領土ノサッ
プ岬」マラソン大会が人気があるという。しかし、このマラソン大会がテレビで全国放
送されたことはない。北方領土がノサップ岬から”指呼の間”にある固有の領土であ
ることを国民に見せる絶好のチャンスである。北海道内には民放が5局ある。毎年交
代でマラソン大会を中継して北方領土に対する国民の関心を深める運動に協力して
はどうか。

国民が無関心ではずるいロシアのことだ。いつまでたっても返還などありえない。





   「インドネシア独立と日本の関与」講演会案内

2010-08-08 08:08:14 | Weblog
      日時 2010年8月15日 (日)

      場所 「せでるはな」インドネシア料理店
       品川区上大崎3-5-4田中ビル2階
       電話 03-3473-0354
       JR.地下鉄目駅下車 目通り白金方向徒歩7分 高速道路高架下

      講師 加藤 裕 (ジャーナリスト)
       著書「大東亜戦争とインドネシア」「こだわりのインドネシア30年」他

      会費 2000円、学生1500円(インドネシア料理とお茶つき)

      定員 35人

       参加希望の方は直接「せでるはな」へ電話でお願いします。

     異常気象と緊急援助のタイミング

2010-08-08 06:00:44 | Weblog
立秋を過ぎたというのに日本列島はまだ酷暑が続いている。が、この異常気象は、
日本列島だけではない。ロシアも130年の観測史上最高という38・07℃を記録、穀
物被害が深刻化して、ついに小麦の対外輸出を年内禁止する措置までとった。

一方、パキスタンでは7月末からのモンスーンによる大雨でインダス河流域を中心
とした地域は70年来の大洪水に見舞われ、すでに死者1600人、被災家族は400万
人以上にのぼっている。被害はアフガニスタンに隣接するバクトウンクワ州にも出て
きており、米国はアフガン戦争との関係もあって、いち早く1千万㌦の緊急援助を申
しでた。

いつものことまがら、こういった災害に対する日本の対応は遅いようにみえる。わが
家の新聞にはパキスタンへの援助について何も書いていない。ネットで調べたら明
日10日に1000万円相当の緊急援助物資を送り、おって300万㌦の無償資金を援助
するということだ。

民主党政権は、外交”音痴”だといわれる。それとも9月の代表選挙と予算編成に手
一杯なのだろうか。今日からイスラム教徒はラマダン(断食月)に入る。パキスタンは
イスラム国家である。援助をするなら、この聖なる月に間に合うようにしたほうがよい。
小泉元総理は政権時代、断食明けのお祭り「イフタール」に在京のイスラム国大使を
官邸に招き、お祝いの宴を催した。菅総理にそれだけの余裕があるかどうかー。

         ”シカト”された長妻厚労相

2010-08-07 07:30:40 | Weblog
”シカト”するという言葉がある。もともとはヤクザ言葉だそうだが、対象外とか
無視される、という意味で使われる。先日の参院予算委のテレビ中継を見て
いたら長妻厚労相が質問に立った松あきら議員(公明党)から完全に”しかと”
されていた。子宮けい癌についての長妻厚労相の答弁が誤解を呼ぶ内容だっ
たので、政府委員(厚労省職員)に答弁を求めたのに大臣が代弁したからだ。


民主党は”政治主導”という名の下になんでも自分たちで答弁したがっているが
どんなものか。医学など専門分野になると、やはり専門家にまかせるべきであ
る。松議員は事前に質問を通告し、専門家を呼んでいるのだから、素人がしゃし
ゃりでることはない。

”シカト”といえば、僕も厚労省から”シカト”された。7月14日の小ブログで僕は
”長妻大臣と語る「新たな高齢者医療のあり方」意見交換会”に応募したと書い
たが、今日がその日だが、厚労省からは、その後”なしのつぶて”で返事がない。

僕はブログで厚労省は後期高齢者の意見は聞きたくないようだと書いたのがい
けなかったのかもしれない。でも普通民間では、なにか催しをやり定員がオーバー
したときは、外れた申込み者には、お詫びの返事をよこすものだが。大臣は厚労
省職員からも”シカト”されているみたいだが、子ども手当ての発言などブレが多く
そろそろ国民からも”シカト”されそうだ。

          自由が丘産の冬瓜

2010-08-07 06:02:09 | Weblog
昨日自由が丘の無人スタンドで初物の冬瓜(とうがん)=写真を200円で買ってきた。
わが家の冬瓜料理を紹介します。
冬瓜を大きめに切リ、オリーブ油で炒めたあとナベに移し用意していたツナ缶一個
と味噌を入れ、少し水を足して煮込む。そのまま食べてもよし。冷蔵庫に入れて冷
やすと夏の食べ物としては最高。

         原爆被災者に謝罪の言葉も!

2010-08-06 04:59:48 | Weblog
広島に原爆が投下されて65年目にしてやっと、世界の目が核兵器廃絶に向かって目
を向けてきた。遅すぎたきらいはあるが、諸手をあげて歓迎である。だが、それだけで
よいのだろうか。一瞬にして14万人の生命が奪われている。それもほとんどが無辜の
民間人である。投下国として一言、道義的な謝罪の言葉がほしかった。

今年の「平和記念式典」(原爆戦没者の霊を慰め世界お恒久平和を祈る式典)には国
連の潘基文総長を始め、原爆投下国の米国から歴代の駐日大使として初めてルイス氏
が参席、ほかに原爆保有国の中国、イスラエル、パキスタンの代表も出席した。昨年の
プラハでのオバマ米大統領の核兵器廃絶宣言以後、世界は核兵器断絶に向かって新し
い動きが出てきた。

「平和記念式典」は連合軍占領下の昭和22年から始まったが、当時米国の雑誌「ライフ」
は、式典をさして”南部の未開地のカーニバル”と嘲笑したそうだ。つい2年前でさえ当時
のシーファー米大使は”原爆投下は戦争終結を早めるために必要だった”と式典に
不参加であった。それに比べれば、今年の式典は画期的である。

今朝4時からのNHKのラジオ番組「あしたへの提言」を聞いていたら13歳で被爆した語り
部の一人の方が、被爆の戦没者のことを思うと、投下国の米国は、いろんな国内の事情
はあるにせよ人道上道義的に一言謝罪があるべきだと主張されていた。僕もその通りだ
と思う。14万人の被災者は戦闘員ではないし戦争を終わらせるための人身御供ではない。

   日本は外国人の天国?民主党の誤った宥和政策

2010-08-05 05:24:08 | Weblog
日本在住外国人の海外に住む7736人に対して子ども手当て10億円が支払われて
いたことが自民党の加藤勝信議員の調査で判った(「産経新聞」)。これは加藤議員
の衆院厚生労働委員会で明らかにされたものだが、どのような仕組みで支払られた
のか知らないが、耳を疑いたくなる報道である。

一方、文科省が立ち消えになったと思っていた朝鮮学校に対する無償化制度を復活
適用する方向で検討に入った。(「朝日新聞」)これも耳を疑いたくなるおかしな話だ。
こんな中で、平松邦夫・大阪市長が上京、中国人の集団生活保護申請問題について
長妻厚労相と話し合った。大阪市では、最初から生活保護金目的で来日する外国人
が最近増え問題になっている。

8月15日は日本の敗戦記念日だが、同時に韓国では日本からの解放を祝う「光復節」
である。今年は韓国が日本の植民地化された韓国併合条約発効100周年に当たるの
だそうだが、菅総理は、この日に当たって、植民地支配の反省と未来志向を決意する
「談話」を発表するという。

わが国は1965年の日韓基本条約制定に当たって、過去の植民地支配に対して謝罪し
さらに1995年、例の誤った情報に基づく”従軍慰安婦”問題騒ぎのさいも「村山談話」
で謝罪を繰り返している。日韓関係は今、未来志向で良い関係にある。この時にわざわざ
古傷に触れるような談話が必要なのだろうか。民主党内閣の対外政策は、過去の変な
一方的な歴史感に基づいているのではないか。宥和政策は時には危険で道を誤る。