ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

ヴェルディを歌って最高の二人、ベルゴンツイとステッラ「シモン・ボッカネグラ」

2010年10月02日 | 政治
ANTONIETTA STELLA & CARLO BERGONZI "Tu qui? Amelia!" Simone Boccanegra (Verdi)


ヴェルディは祖国イタリアの統一運動という理想に燃え、名曲の数々を書いた。この「シモン・ボッカネグラ」はカップッチッリとギャウロフという名歌手が日本初演を果たした。
この作品はヴェルディが若いころから書き始め、晩年まで推敲を重ねた名作である。
ヴェルディを歌っておそらくこの二人の右にでる者はいないだろう。
ヴェルディのオペラは「感情におぼれることなくスタイリッシュに歌いながらも、それぞれの登場人物が全体の中で映える>ものである。
いわゆるヴェルディ声、という豊かな声の歌手が「声の饗宴」を繰り広げるのだ。
この場面は総督シモン・ボッカネグラを父の仇と狙う若い騎士ガブリエーレ・アドルノが美しい乙女アメーリアが総督シモンの愛人ではないかと疑い、シモンを暗殺しようとする、それを止めるアメーリア、やがてシモンにより、アメーリアは娘であることをきかされ、アドルノはシモンを殺すところだったと許しを得るのだが。
またアドルノはシモンを父の仇としながらも、ジェノバ総督シモンの慈悲深く肝の据わった政治家として、心の中で尊敬していたのだ・・・ベルゴンツイとステッラ、ともにスケールの大きな名歌手である。
この二人も今は80歳を超えてしまった。今では得難い大型歌手であった。
コメント (2)
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マリオ・デル・モナコ、若き日の「アンドレア・シェニエ」を見て・・・

2010年10月02日 | オペラ
MARIO DEL MONACO -UN DI' ALL'AZZURRO SPAZIO


晩年のマリオ・デル・モナコが若き日の、(といっても40歳の演奏だが)自分の演奏を映像で見る・・・なんて厳しい顔・・・妥協を許さない大歌手の素顔だ。

演奏は1950年代、ジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」より、<ある日青空をながめて>、貴族のパーティーに招かれ、何か即興詩をと請われるシェニエは、丁寧に断るがこれが貴族たちの嘲笑いのもととなる。
悲しんだ詩人シェニエは、ある日青空をながめて・・・と即興詩を歌う。
その内容は、庶民の暮らしの苦しさや聖母にパンを供える聖職者、飢えた老人がいても見向きもしない宗教者の姿、などである。

マリオ・デル・モナコはいつも満足した演奏は一度もない、と言っていた。
この時も厳しい表情で見ている。
引退した後、彼は「今ならもっと歌えるが、健康を取り戻したい、健康になればカネは要らない」と言っていた。
舞台に戻りたい、と願っていたが、レコード録音を一枚だけ。それはイタリア民謡集であった。ジャケットの写真は白髪のデル・モナコで、実にうれしそうだった・・・。

☆尖閣諸島のことで、日々心は荒れた。ここで大きな芸術にもどりたくて・・・映像にでてくる相手役はアントニエッタ・ステッラである。
コメント (3)
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