浜岡原発の全面停止を要請
菅首相は5月6日夜、中部電力浜岡原子力発電所(以下、「浜岡原発」という)の
全ての原子炉の運転停止を海江田経産相を通じて、中部電力に要請したと
発表しました。要請は、命令や指揮でなく事実上のものですが、中部電力は
首相の要請である重みを考慮しつつも、結論は持ち越しました。
浜岡原発は、現在、1号、2号機は運転終了で廃炉手続中、3号機は点検のため
運転停止中ですが、一応7月に再開を予定、4号、5号機は運転中で、国の基準を
守っているこれらについての停止要請は、全くの異例措置です。
首相は、停止要請の理由として、静岡県を中心とした東海地震の発生確率が極めて
高い中で、防波壁の設置など津波対策強化の必要性があるうえに、国民の安全、安心や
重大事故が発生した場合の甚大な影響を考慮したことを挙げています。
浜岡原発については、東日本大震災発生以来、論戦の的の一つで、国会質疑でも
何度も採り上げられていますし、地元の知事、市長らも安全性についての危惧を
表明しており、今回の要請は一つの決断であることは確かです。
しかし、やはり次の諸点、すなわち、
①今回の要請が政府部内で総合的な観点から熟議された形跡はなく、地元との
事前の調整も不十分で、例によって首相の思い付きのパフォーマンスである疑いが
あること。
②こういう決断には、今後のわが国のエネルギー政策全般をどう考え、そのなかで
原子力発電をどう位置付け、浜岡以外の原発についてどう扱うのか、の全体像が
必要であるが、それが今のところはっきりしないこと。
③製造業の一大集積地である中部電力管内の電力需給、とくにピーク時の夏場への
対応が大丈夫か、また、これに伴うわが国全体の電力確保について十分な説明が
ないこと、等が気になります。
平成23年5月9日
ベッラあとがき
菅総理と海江田は、最も汚いやりかたをしてきた。
確かに浜岡原発は直下型大地震がくれば、恐ろしい。
しかし全国には30年を超えた原発もある。
菅総理はそれはどうでもいいのだ。
「浜岡を止めたら英雄よ」、とかそそのかされたのだろう。
原発事故は絶対に避けなければならない。
しかしそれを党内ですら論議されていないのはどういうことか?
「政局」に利用していることは明白である。
国民の心配をこのようなやりかたで、自分の保身に利用するのか。
私は原発事故はあってはならない、そのためには多少のことはのむつもりである。
しかし、こんなやりかたが許されていいのか!
本気で考えたものではない、それが悔しく情けないのである。