ウクライナと国境を接するロシア西部でロシアの軍用機4機が墜落か
ロシアメディアは5月13日、ウクライナと国境を接するロシア西部ブリャンスク州でロシア軍のヘリコプターや戦闘機など合わせて4機が墜落し、乗員ら9人が死亡したと伝えた。撃墜された可能性も伝えられているが、詳細はわかっていない。
飯田)戦場をめぐるニュースは、両側からさまざまな情報が流されていますので、何が本当なのかわからないところがあります。既に大攻勢は始まっているのでしょうか?
須田)表面上の正規軍同士の大攻勢というよりも、水面下の非正規戦のようなところで、いろいろな動きが起こっているのではないでしょうか。
ロシア領土内を攻められないウクライナ軍
須田)特に、ウクライナ軍の制約で考えると、ロシアの領土内での展開は難しいところがあります。やってはいけないということではありませんし、戦略上は十分あり得るのですが、第三次世界大戦的なところにつながっていかないよう、アメリカやヨーロッパ諸国が押しとどめているのです。
飯田)第三次世界大戦につながらないように。
須田)ですので、ウクライナとしては正々堂々とできない。先だってのロシア・モスクワでの無人機による攻撃や、クリミア半島をめぐる動き、また今回のロシア機撃墜もロシア領土内ではないですか。この辺りについては、「誰がやった」という確証は出にくいと思います。
飯田)ウクライナとしては、すべて自国の領土内で行おうとすると、展開としては非常に難しい。誰がやったかはわからないけれども、プレゼンスは示せるのですか?
須田)兵站を叩くというところもあると思います。
ワグネル・プリゴジン氏のロシア軍批判に加え、反プーチン、反ワグネルの組織も出てきて混沌とするロシア国内
須田)もう1つ、目を転じなければいけないのは、ロシア国内の動きです。
飯田)ロシア国内の動き。
須田)ワグネル創設者のプリゴジン氏が、あれだけロシア軍、場合によってはプーチン大統領批判とも取られかねないような動きを見せています。それだけではなく、反プーチン、反ワグネルというような軍グループもあります。それもロシア軍本隊ではなく、ワグネル的な私兵組織の存在も出てきて、国内の状況が混沌としています。
飯田)ロシアには30以上の民間軍事会社があると報道されていますよね。
須田)それぞれがそれぞれに動き始めています。その背景には新興財閥が付いていますので、資金面はあるのです。ポスト・プーチンのようなところが見えてくると、そこからさまざまな不穏な動きが出てくるのではないかと思います。(ロシア内戦?)
飯田)現代版の軍閥が群雄割拠するような状況になってきていますね。
須田)なりかねないと思います。